映画「エヴェレスト神々の山嶺」を見てきた感想です。
原作が面白かったので楽しみにしていたのですが……
原作の面白さや、ジョージ・マロリーのエヴェレスト初登頂説について紹介します。
映画/エヴェレスト 神々の山嶺
こんにちは~(^_^)/
映画「エヴェレスト神々の山嶺」を見てきました。
原作が面白かったので楽しみにしていたのですが、ちょっと残念でした。
映画ではストーリーよりも映像に重点がおかれ、原作ストーリーの面白さがあまり表現されていませんね。
残念たったところ
原作では「ジョージ・マロリーのエヴェレスト初登頂説」が、ストーリーの中にうまく盛り込まれています。
エヴェレスト初登頂を目指していた、当時のジョージ・マロリーの足跡を追いながら、その謎を解明していくストーリー展開に引き込まれました。
そこが読みどころと言っても良いでしょう!
しかし、映画ではマロリーの遺留品である「カメラ」は出てくるものの、エヴェレスト登頂への足跡と謎の解明については描かれていません。
そこが見たかったのに!
原作/神々の山嶺
原作は夢枕漠さんの小説「神々の山嶺」です。
10年ぐらい前に読んだきりなので、細かい内容は忘れてしまったので、もう一度、読んでみようと思います。
コミック版も出ていますね。↓こちら。
原作のあらすじ
物語の主人公はエヴェレスト登山隊に参加したカメラマン「深町誠」。
エヴェレスト登頂に失敗した後、カトマンズの古道具屋で、偶然「ジョージ・マロリー」の遺留品と思われる「カメラ」を発見し、手に入れる。
しかし、そのカメラは何者かに盗まれてしまう。
盗まれたカメラの行方を捜索しているうちに、孤高の登山家「羽生丈二」に出会い、彼が前人未踏のエヴェレスト登頂計画を立てていることを知る。
「深町」は、「ジョージ・マロリーとカメラの謎」とともに、「羽生」の足跡を追う。
そして、自らも「羽生」の挑戦を記録におさめるべく、神々の山嶺を目指すのだが……
ジョージ・マロリーとは
ジョージ・マロリーとは、実在したイギリスの登山家です。
なぜ、あなたは山(エベレスト)に登るのか?
という質問に
そこに山(エベレスト)があるから!
という有名な言葉を残した人です。
登山に興味がない人でも「そこに山があるから」という言葉は知っているのではないでしょうか。
ジョージ・マロニーのエヴェレスト初登頂説
ジョージ・マロニーのエヴェレスト初登頂説は、どのような説かと言うと……
現在、エヴェレストの初登頂は、1953年のエドモンド・ヒラリーとシェルパのテンジンによるものとされています。
しかし、その29年も前にジョージ・マロリーが初登頂を果たしていた可能性があるという説です。
この説が正しければ、エヴェレストの登山史が塗り替えられることになります。
行方不明になったのは登頂前?登頂後?
1924年、ジョージ・マロリーとパートナーのアンドリュー・アービンが、エヴェレスト初登頂をめざしていましたが、頂上付近で行方不明になりました。
二人が最後に確認されたのは「登頂前」だったとされていますが、はっきりとした証拠はありません。
それが「登頂前」ではなく「登頂後」だったとしたら、この時にエヴェレストが初登頂されていたことになりますね!
または、行方不明になった後に、登頂を果たしたという可能性も残っています。
マロニーの遺体発見とカメラ
その後、なんと、1999年にエヴェレストの標高8100m付近でマロリーの遺体が発見されます(これは事実です)。
しかし、マロリーが所持していたとされるカメラや、頂上に置いてくるといっていた家族の写真は見つかっていません。
ということは、マロリーがエヴェレスト初登頂を果たし、家族の写真を置いてきたという可能性があるんですね!
今後、マロリーのカメラが発見され、中にあるフィルムに登頂した時の写真が写っていれば…
あるいは、エヴェレスト頂上でマロニーの家族の写真が発見されれば……
マロリーのエヴェレスト初登頂が証明されるわけです。
あとがき
神々の山嶺の原作は「小説すばる」にて、1994年7月~1997年6月の連載です(単行本は1997年8月発売)。
ジョージ・マロリーの遺体が発見されたのが、連載終了から約2年後の1999年5月でした。
原作者の夢枕獏さんも、さぞ驚かれたことでしょう。
その後発売された文庫版では、ラストシーンを必要最小限に書き直したそうです。
その辺のいきさつは、文庫版のあとがきに記載されています。
思いついてから書きあがるまで20年以上もかかってしまったという小説。
あとがきだけでも興味深い内容でした。
角川文庫「神々の山嶺(上下巻)」「ヒマラヤ漂流『神々の山嶺』へ」「作家の履歴書~夢枕獏の章を抜粋」に未収録写真を加えた電子書籍(Kindle版)。
出版社:角川文庫 (2016/2/22)
著者:夢枕獏
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