モンベル・システム エアパッド(2017年新型)のレビューです。
旧型と新型の違いと主な改良点、実際の使用感等をレポートします。
新しくなった空気注入バルブが便利で使いやすくなりました!
モンベルの空気注入式スリーピングマット
正式名称は「U.L.コンフォートシステムエアパッド」。
今年2017年に大幅に改良されたモンベル(mont-bell)の空気注入式スリーピングマットです。
スリーピングマットの呼び方 には、シュラフマット、個人マット等がありますが、モンベルではスリーピングパッドという名称を使用しています。
空気注入式のスリーピングマットは、パンクしたら終わり(ただのシートと化してしまう)という欠点はありますが、コンパクトに収納できて、寝心地もいいので以前から使用しています。
この新型モデルは今年2017年9月に購入し、実際のテント泊では、まだ1回(2泊)しか使用していませんが、期待以上に使いやすくて気に入ってます!
他のメーカー(サーマレスト、ニーモ)の空気注入式のスリーピングマットと比較すると、
コスパもいいですね!
モンベルのスリーピングマットの種類について
モンベルには他にも、似たような名称のスリーピングマットが3種類あります(合計4種類)。
紛らわしいので簡単にまとめておきます。
名称 | 形式 | 備考 |
---|---|---|
アルパインパッド(25) | フォーム入り+空気注入式 | ※1,2,3 |
キャンプパッド(38/50) | 〃 | ※1,2 |
フォームパッド | クローズドセル |
※1.U.Lコンフォートシステム搭載モデル
※2.クッション性のあるフォーム材(スポンジのようのもの)入りで、いわゆる自動膨張式(セルフインフレータブル)。 アルパインバッドとキャンプパッドの違いは厚さと色 (25:厚さ25mm、オレンジ /38:厚さ38mm、イエロー/50:厚さ50mm、グリーン )
※3.今シーズンから名称変更(パッド→アルパインパッド)
U.L.コンフォートシステムとは?
サイズや種類の違うパッドと、別売りのピロー(枕)やエクステンションパッド(30cm)等がジョイントできるので、用途・場所に合わせて組み合わせを自由に変更できるようになっています。
※フォームバッド以外がU.L.コンフォートシステム搭載モデルです。
特に便利なのが、スリーピングマットと枕を連結できるところ。
寝ている間に枕がずれないので、快適に眠れますね!
詳細は、モンベルの公式サイトをご覧ください。
モンベルオンラインショップ~スリーピングパッドの選び方
購入した経緯
山と溪谷のサイト「ヤマケイオンライン」の人気コーナー「高橋庄太郎の山MONO語り」で紹介された記事を読んでから、気になっていた製品です。
高橋庄太郎の山MONO語りの紹介記事は↓こちら。
高橋庄太郎の山MONO語り~組み合わせで寝心地も自在…
去年購入したニーモ・テンサー20Sが、空気漏れで使えなくなってしまったので、今年(2017年)9月に行った北アルプス・表銀座テント泊縦走の直前に購入したものです。
モンベルのスリーピングマットは旧型を所有していますが、以下の改良点が使いやすそうだったので、購入に踏み切りました。
・逆止弁付き空気注入バルプ
・ポンプバッッグ対応 (改良点の詳細は後述します)
長さのバリエーションが、90/120/150/180cmと4種類ありますが、購入したのは長さ150cmのエアパッド150です。
旧型は軽量化のために、長さ90cmのエアパッド90とシステムピロー(枕)を組み合わせて使っていましたが新型は寝心地を優先しました。
このサイズ(150cm)だと、システムピロー(枕)と組み合わせると、全身カバーできて快適なんですね!
※ちなみに私の身長は167cmです。
新型と旧型の違い
重さと大きさ
まずは、重さと大きさの違いです。カタログスペックを比較してみましょう。
●旧型
モデル | 重さ(※1) | サイズ(※2) | 収納サイズ |
---|---|---|---|
90 | 270g(285g) | 90×50×8cm | φ8.5×21cm |
120 | 350g(365g) | 120×50×8cm | φ9×21cm |
150 | 440g(455g) | 150×50×8cm | φ10×21cm |
180 | 530g(545g) | 180×50×8cm | φ11×21cm |
●新型
モデル | 重さ(※1) | サイズ(※2) | 収納サイズ |
---|---|---|---|
90 | 286g(294g) | 90×50×7cm | φ8.5×20cm |
120 | 367g(376g) | 120×50×7cm | φ9×20cm |
150 | 431g(441g) | 150×50×7cm | φ10×20cm |
180 | 504g(514g) | 180×50×7cm | φ11×20cm |
※1 ()内はスタッフバッグを含む重量です。
※2 サイズは長さ×幅×厚さ
重さ
90/120モデルについては、新型の方が若干重い(16g/17g)ですが、150/180モデルは逆に、新型の方が軽く(9g/26g)なっています。
これは、新型の形状が不要な部分をカットした形になっているためでしょう。
・150モデルは足のほうが細い
・180モデルは、頭と足が細い
大きさ
長さと幅は、新・旧型とも同じですが、厚さについては、新型のほうが1cm薄くなっています。
軽量化のために薄くしたんだと思いますが、そうなると、クッション性とか断熱性とかが低下していないかどうか、心配なところです。
あと、収納サイズは新モデルの方が縦の長さが1cmほどコンパクトになっています。
主な改良点
新型の主な改良点をまとめます。
【1】色(シアンブルー)と表裏
まず最初に目につくのは色の変更です。
オレンジ系の色(オレンジブリック)から、ブルー系の色(シアンブルー)にガラっと変わりましたね。
リニューアル感があって好印象です。
あと、新型は表と裏の色が違うので、わかりやすくて便利です。 新型:左が表、右が裏
【2】チューブの並び(縦→横)
旧型は空気が入るチューブが縦に並んでいたのに対し、新型はチューブが横並びになっています。
モンベルサイトでは、このチューブ縦→横の変更については、特に記載されておらず、
「チューブとチューブの結合部分の隔壁を高くしたことにより、コールドスポットが減少し、保温性が向上」とあるのみです。
縦→横の変更は、かなり大きな変更だと思うのですが、カタログに記載されていないのは何故でしょうか?
サーマレストやニーモの空気注入式のマットも横並び式のようなので、横並び式の方がクッション性、断熱性に優れているのかもしれません…
【3】足元と頭部のスリム化
新型:足元のカットされた部分 120/150/180モデルの、足元と頭部の横幅がカットされスリム化されています。
・120/150モデルは足のほうが細い
・180モデルは、頭と足が細い
モンベルサイトでは、「不要な部分をカットし、軽量化を追求」とありますが、前述したように、旧型から軽量化されているのは、150/180モデルだけです。
【4】逆止弁付き空気注入バルブ
空気の注入口(バルブ)が、従来の口で加える形から、平面的なフラットバルブに変更されました。
フラットバルブには空気の逆流を防止する弁(逆止弁)が付いているので、息を吹き込んだ後に口を離しても、空気が抜けないので楽に空気を注入できます。
また、空気注入口の口径が大きくなっているので、旧型よりも、素早く空気を抜いて折りたたむことができます。
【5】ポンプバッグ対応
ポンプバッグを広げたところ 別売りのポンプバッグ(空気入れ)を使用することで、素早く簡単に空気を注入できるようになりました。
ポンプバッグは、大きめのスタッフバッグとしても利用可能です。
実際の使用感
これはいいです! 衛生的で空気の出し入れが簡単になりました!
疲れていても、楽に空気を入れて膨らませます!
撤収するときは、素早く空気を抜いて折りたためます!
空気注入バルブが画期的!
新型:フラットバルブのキャップを開けたところ 新しく開発された逆止弁付き空気注入バルブですが、フラット(平面的)な空気注入口が画期的です!
従来の口でくわえて息を吹き込む形だと不衛生だし、唾や夜垂れも一緒に吹き込みそうになりますね。(私だけ…?)
この平面的な空気注入口の場合、口をすぼめて空気注入口に押し当てて、息を吹き込む形になります。
最初、慣れないうちは違和感がありましたが、慣れてしまえば簡単です。
衛生的にもいいし、唾や夜垂れも吹き込みにくくなりますね。(^_^;
また、空気の逆流防止弁がついているので、空気注入口を閉めるのも楽になりました!
旧型の場合だと空気注入口をくわえたまま、閉める必要がありました。
新型の場合は、口を離しても空気が漏れないので、蓋を閉めるだけです。
フラットな空気注入バブルは、 シートゥサミットのスリーピングマットでも採用されているようです。 バルブが二重構造になっていて、空気を入れる時は、上のキャップだけ外すと逆止弁付きバルブになります。空気を抜く時は、下のキャップを一緒に外すと口径の大きい開放バルブになって、素早く折りたためるとう優れもの。これは便利そう!
高橋庄太郎の山MONO語り~早池峰山で冬季用マットをチェック
ポンプバッグでらーくらく!
ポンプバッグで空気を注入している様子 別売りのポンプバッグ(空気入れ)は、スタッフバッグの底に、空気注入用のバルブがついただけの製品です(その割には価格が高いぞ!)。
これをポンプ代わりに使用すれば、空気注入式スリーピングマットの弱点である 「空気注入に時間がかかる」「息を吹き込むのに疲れる」という弱点を完全に?ほぼ克服できてしまいます。
※画像をクリックすると再生します。
ちなみに自宅でエアパッド150(長さ150cm)の空気注入時間を測ってみたところ、口で空気注入した場合は平均 1分30-45秒。
ポンプバッグで空気注入した場合は平均40-50秒かかりました。 時間差は約1分。
思ってたより差は付きませんでしたが、ポンプバッグを使用すれば息を吹き込む必要がないので、疲れていても楽に空気を注入できますね。
ただし…
重さは49g。それほど嵩張るものではありませんが、少しでも軽量化したい場合には、持っていくかどうか迷うところです。
使わない時は大きめのスタッフバックとして利用できるんですが…
防水ではないので、衣類を入れるには使えないし…今のところ使い途が見つかりません。
ポンプバッグの防水性について
生地自体には防水性があり、縫い目にもシームシーリング処理がされているようですが、取り出し口や、底面のバルブから水が侵入する可能性があります。
寝心地は?
スリーピングマットで肝心な寝心地はどうかというと…
旧型と比較すると、厚さが1cm薄くなっているので、
クッション性や保温性が落ちているのではないか?
というところが気になりますね。
実際に寝てみると、チューブの並びが縦→横に変更になったことによって、腰の辺りの沈み込みが少なく、体を左右に向けた時の安定感も増しています。
むしろ、寝心地は向上していると思います。
保温性についいては、冷えた地面で試したことがないので、実際のところはわかりませんが、
チューブ一つ一つが小さくなって容量が減ったことで、空気の対流が少なくなり、保温性も向上しているのではないかと…
ちなみに、他のメーカー(サーマレスト、ニーモ)で採用されている、熱反射フィルム的なものは内蔵されていないので、冬に使用するにはキビシイかもしれません。
まとめ
新型のシステムエアパッドは、衛生的で空気の出し入れが簡単になったので、
使い勝手が格段に向上しています!
寝心地については多少向上しているものの、それほど大きな違いは感じませんでした。
使い勝手を重視するなら、旧型を持っている場合でも買い替えの価値有りです!
P.S.
システムエアパッドに連結できる、システムピロー(枕)は↓こちらの記事をご覧ください。
【サイズ】長さ150×幅50×厚さ7cm
【収納サイズ】φ10×20cm
【サイズ】100×45cm
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