近頃のザックときたら…どれも、これも、自立しないザックばっかりじゃないですかー!
ヽ(`^´)ノ プンプン
とお嘆きのあなたに、自立するザック~ミレー・サースフェーを紹介します! 自立するザックは他にもありますが(数は少ない)、このザック、自立するだけじゃなくて、スッキリ&スマートな外観もかっこいい!
さらに、2018年モデルではサイドポケットが改良されて、水筒(ペットボトル等)を収納しやすくなりました。ザックを背負ったまま水筒の出し入れが可能になったんです!
自立するザックとは?メリットは?
自立するザックというのは、ザックの底が水平(背面に対して垂直)で、地面や床に置いた時に手で支えなくても、壁や何かに寄り掛けておかなくても、立たせることができる「倒れないザック」のことです。
でも、最近のザックは底が斜めになっているものばかりで、自立しないんですよねー。自立しないザックは支えるものがないと、ゴロンと仰向けにころがってしまいます。不便だし、ザックの表面が汚れてしまうし、なんか…かっこ悪い!
最近のザックの底が斜めの理由は…
何故、最近のザックは底が斜めになっているのでしょうか?
それは…おそらく…ザックの荷重を軽減するためでしょう。ザックの底を斜めにすることで、ザックを背負った時の荷重が背中の近くに、かつ、高い位置にかかりやすくなります。
荷物の重みは背中に近いほうが軽く、逆に背中から離れると重くなります。また、重い荷物は腰の位置よりも、高い位置にあるほうが軽く感じられるのです。ザックの底を斜めにするこで一石二鳥の効果があるということでしょう。
ザックの各メーカーが少しでもザックの荷重が軽く感じられ、フィット感が増すように商品開発を進めてきた結果によるものですね。
しかし、その代償として、ザックの自立性が失われてしまったのです!
ザックの荷重を軽減するのは、荷物のパッキングの仕方でカバーできることです。重いものは背中の近くに、そして、なるべく上のほうに詰めておけばいいだけです。それがパッキングの基本です。
ザックの底を斜めにしてしまったら、ザックが自立しなくなるのでパッキングもしずらくなって、本末転倒ではないでしょうか?
自立するザックのメリット
では、ザックが自立することのメリットはどこにあるのでしょうか。自立するということは、倒れない、汚れない、ということが当然メリットになってくるわけですが、実際にどんな場面で便利なのかをあげてみましょう。
【1】どこにでもザックを置ける
【2】パッキングしやすく、荷物の出し入れがスムーズ
【3】電車やバスの移動が楽
【1】どこにでもザックを置ける
ザックを立て掛ける場所がなくても、水平な場所があれば、どこにでもザックを置くことができます。地面や床にザックを置いても倒れないので、ザックの底以外は汚れません。
【2】パッキングしやすく、荷物の出し入れがスムーズ
ザックに荷物を詰める際に、ザックを支える必要がないので、パッキングがしやすいのです。登山中のちょっとした荷物の出し入れもスムーズにできます。
【3】電車やバスの移動が楽
電車やバスでの移動中にザックを立て掛けておく場所がない場合、ザックが倒れないように支えておく必要があります。
こんな時、自立するザックなら楽にザックを支えておくことができますね。(自立しないザックはつらいですね。特に大型ザックの場合は)
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以上、ザックが自立するメリットをあげてきましたが、逆にいうと、最近の自立しないザックはこのメリットを捨ててしまったということですね。
ザックの底を斜めにすることにそんな価値があるのでしょうか?
ザックの荷重を軽減するのはパッキングの仕方でカバーできるのに…
ミレー・サースフェーの特徴と魅力
ミレー・サースフェー/30+5L (M)
ここからは自立するザック、ミレー・サースフェー(2018年モデル)を紹介していきます。
ミレーのスタンダードな中型ザックですが、度々、モデルチェンジを繰り返し、進化し続けているザックです。容量は30+5Lと40+5Lの2種類、背面長のサイズは、L、M、S(LD/女性用)の3種類。上の写真は35+5LのMサイズです。
ちなみに、サースフェーという名前はスイスの山岳リゾートの地名(Saas-Fee)からとっているようです。
サースフェーの特徴
メーカーのキャッチフレーズは「ファーストクラスの背負い心地」。なかなか、いい、キャッチフレーズですね。思わず背負ってみたくなるでしょう。
ミレーのサイトを見てみると、サースフェーの特徴(機能)として以下の8点があげられていますので、それぞれ、確認していきましょう。
(マイナス評価もありますので、あしからず…)
ミレー/サースフェー
【1】 強靭さと軽量化を両立、異なるナイロン生地の合わせ技
本体部は丈夫な生地、サイド部分は軽量性に配慮した生地を採用することで、強靭さと軽量化を両立しているとのこと。万が一破れた時でも切り口が避けにくい構造になっているようです。
最近の軽量ザックは、生地が薄くて岩や木に引っ掛けたらすぐに破れそうなものが多いのですが、サースフェーは、生地がしっかりしているので安心です。30+5Lモデルの重量が1490gなので、それほど軽量とはいえませんが…
【2】 容量に余裕を持たせるトップスカートとワンステップオープンの開口部
移動する雨蓋
ザックの開口部(トップスカート)が長めに設計され、雨蓋の取り付け位置が上下に移動できる構造になってます。荷物が多くなった場合は、雨蓋の位置を上に移動することで、プラス5L分の荷物が収納可能ということです。(ザックの容量の+5Lにあたる部分)
+5L分を収納したところ
+5Lというと、ヘルメットがちょうど収納できるぐらいのサイズアップが可能なので、便利といえば便利なんですが、私的にはあまりメリットは感じません。雨蓋の位置は伸長するよりも、固定されていたほうが使いやすいです。
ワンステップオープンというのは、一回の操作でザックの開口部を開け締めできる構造になっているということです。
通常、ザックの開口部を開くには次の2段階の操作が必要になります。
(1) ザックの開口部のコードロックを緩める
(2) ザックの開口部を開く
ザックの開口部を閉じるには逆の操作が必要です。
(1) ザックの開口部を閉じる
(2) コードロックを締める
しかし、サースフェーはこの操作が1回でできるんです。では、具体的な操作方法を説明しましょう。慣れないうちは使いづらいかもしれませんが、慣れれば簡単です。
◆開く場合の操作
(1) 開く場合は、ザックの開口部のコードロック側に付いているタブ(引き手)と、反対側に付いていいるタブ(引き手)を指でつまみます。
(コードロック側のタブを引っ張ると、コードロックが緩む仕掛けになっています。)
◆閉じる場合の操作
(1) 閉じる時は、開口部の紐と、コードロック側に付いているタブを指でつまみます。
ザックの開口部を締めるのと、コードロックを引き絞る操作が1回でできてしまいます。
【3】 イージーアクセスポケット
イージーアクセスポケットは、ザック側面の外側についているサイドポケットのことです。大きめのメッシュポケットに改良されたので、水筒(ペットボトル等)の収納に使いやすくなりました。
また、サイドポケットの出し入れ口が横にもあるので、ザックを背負ったまま水筒(ペットボトル等)の出し入れが可能になりました。
ここが、2018年モデルの最高の改良ポイントです。サースフェーは、自立することと、スタイリングの良さで以前から気に入っていたザックなんですが、サイドポケットだけが残念なところでした。
それは、サイドポケットが浅くて水筒を収納しにくいという、私的には致命的な弱点でもあったわけなんですが、それが解消されています。 しかも、ザックを背負ったまま、歩きながらでも水筒の出し入れができて、水分の補給ができるようになったんです!素晴らしい!
夏場は特に水分の補給が頻繁に必要になりますが、その度にザックを下ろしたり、背負ったりする必要がないので、登山中のロス時間が大幅に減らせるということです。
ただ…残念なのは、このサイドポケットが片側(ザックを背負った時の右手側)にしか付いていないこと。両側について入れば、完璧だったんですが…
【4】 落下の心配がないジッパー付きサイドポケット
【3】イージーアクセスポケットの反対側の側面についている、縦に開くファスナーポケットのことです。こちら側には、普通のサイドポケットはついていません。
メーカー側では、地図やグローブ等の収納を想定しているようですが、容量は少なくて利用しずらいポケットです。これならイージーアクセスポケットをこちら側にも付けて欲しかった。
私はここにジップロックを入れて、ゴミ箱的な用途で利用していますが…
【5】2気室構造と複数のポケットで、スムーズな荷物の出し入れ
ザックを上部と下部に仕切って使える、2気室構造になっています。上部と下部の仕切りはファスナーで開閉できるタイプ。もちろん、1気室としても利用できます。
特筆する構造ではありませんが、上部と下部をファスナーでしっかりと仕切ることができるので(2気室構造のザックの中には、上部と下部に隙間ができるザックが多い)、下部に汚れたものや、濡れた物を入れておいても安心です。
複数のポケットについては特に説明がありませんが、ポケットの数が豊富で収納に便利ということでしょう。ちなみに、サースフェーのポケットは下記の8箇所です。
(1) 雨蓋:3つ(表側に2つ、裏側に1つ)
(2) 小型チェストベルトポケット:1つ
(3) サイドポケット:2つ
(4) ヒップベルトポケット:2つ
【6】 体にしっかりとフィット、汗を逃しドライに保つ背面構造
モデルチェンジによりフィット感がさらに向上しています。また、背面パットに汗を逃す、水はけのいい素材(フィルターフォーム)を採用しているため、汗がこもらず体に接する部分をドライに保てるとのこと。
ここが「ファーストクラスの背負い心地」を実現している中心的な部分ですね! 最近のザックはどれもフィット感が向上していますが、その中でもミレー・サースフェーは背中に張り付いてくる感じが抜群で気に入っているところです。
登山中は汗でビショビショになってしまうので、汗を逃がす、水はけのいい素材を採用しているところもグッドでしょう!
立体網目構造を持ったクッション材。体へのストレスを軽減する当たり心地と、雑菌が繁殖しないようにする目的で使われる、高価ですが水はけの大変よい材料です。この素材の特性が、荷重の負荷分散性と、快適なドライ感を両立させている。
【7】 大型フォールディングポケット
ヒップベルトについている折りたたみ式の大型ポケットです。片側のポケット(ザックを背負った時に左側)だけがこの構造になっています。広げると登山地図やスマートフォンが楽に入るサイズです。
一見、便利そうで…メーカー側も押している機能のようなんですが…登山中にザックを地面に置いた時に、ポケットが地面について汚れちゃいますね!
ポケットが汚れても気にするな!ということなのか…それとも、登山中はザックを地面におくな!ということなのか…いやいや、そんなはずはないですね。(^_^;
便利なようで使いにくい機能です。このポケットは折りたたんだままでも利用できるんですが、折りたたみ式になったことでファスナーの開け締めがしずらくなりました。私的にはマイナスでしかありません。
【8】 小型チェストポケット
ショルダーベルトに折りたたみ式の小さなポケットがついています。携帯電話や小型のスマホを入れておくにはちょうど良さそうですが、普通のスマートフォンは入らないので、用途に困りますね。
私は全く使っていなかったんですが…この記事を書くにあたり、何か他に入れる物なないかと…考えていると…ありました、ありました。良い使い道がありました!
これ↓
SONY・シューティンググリップ
SONYのシューティンググリップ(VCT-SGR1)です。SONYのコンパクトデジタルカメラ、RX100シリーズと組み合わせて使うと便利なカメラ用グリップです。
山旅カメラ#1~登山&テント泊に最適なカメラ☆SONY・RX100M4
チェストポケットにシューティンググリップ(VCT-SGR1)を入れてみると…
ピッタリ収まるじゃないですかー!まるで、専用ポケットみたいですねー!
新発見でしたー!
【9】脱落防止クリップ付きレインカバー付属
サースフェーには専用のザックカバーが付いています。別途、購入する必要がないので助かりますが、最近はレインカバー付きのザックが増えてきたので、それほど特別感はないでしょう。
でも、サースフェーのザックカバーには脱落防止クリップというのが付いています。これが地味に便利なので、詳しく説明しておきましょう。
レインカバーは雨蓋のポケットの中に折り畳まれた状態で格納されています。レインカバーの端についているのが脱落防止クリップです。
レインカバーを装着する手順
(1) レインカバーを装着する時は、まず、脱落防止クリップをザックの雨蓋についている、ループに引っ掛けます。
(2) レインカバーを広げます。
レインカバーは雨蓋に固定されているので、風に飛ばされる心配はありません。
(3) 広げたレインカバーを、ザックの上から下に向かってかぶせていきます。この時もザックの雨蓋にレインカバーが固定されているので、楽にレインカバーを装着することができます。
(4) 最後に、レインカバーのストラップを接続して、ザックに固定します。
ストラップでザックに固定しておかないと、強風でレインカバーが吹っ飛んでしまうことがあるので必須です!
市販のレインカバーには、同じようなフックが付いているものもありますが、ザック側に引っ掛ける場所がないと利用できないので、サースフェーのこの仕組は便利ですね。
サースフェーの魅力~自立+スマート=バランスが最高!
ここまでは、メーカーサイトで掲げられている特徴を見てきましが、ここからは、メーカーサイトでは説明されていない、私が考えるサースフェーの魅力について少しだけ語ります。
ザックが自立することに加えて、スマートなフォルムとバランスが最高なんです!
最近のザックは背中が丸まった、いわば、猫背のようなザックが多くなりましたね。でも、サースフェーは、まっすぐに直立するんです! この背筋をピンと張ったような姿がなんともかっこいいじゃないですか!
そして、余計な膨らみがない!
無駄な贅肉をそぎおとしたような、スマートなフォルムに惚れ惚れするでしょう!
最近のザックは下部が小さくて上部が膨れた、ずんぐりむっくりした形のザックが多くなりました。これは、荷重をなるべく腰から上のほうに載せて、軽く感じられるように設計されたものだと思いますが、ザックとしてのバランスは悪くなります。
そして均整のとれたボディと水平なザックの底。サースフェーはザックの底が水平なだけではなく、スマートな形状のため、ザック自体のバランスが素晴らしいんです!
つまり、それは、ザックを背負って歩いている時にも、バランスがいいということです!
山の中は平地ではありません。起伏の大きい登山道を登ったり下ったり、前後の傾斜だけでなく、左右の傾斜もありますね。ザックのバランスが悪いと、体が前後・左右に振られて、気が付かないうちに、余計な負担がかかってしまいます。
荷物を軽く感じられることも重要ですが、ザックのバランスのほうが、もっと重要でははいでしょうか。サースフェーはザック自体のバランスがいいので、歩きやすく、余計な負担もかからない、荷重を軽減できるザックだといえるでしょう。
あとがき~2019年モデル?
AMAZONでサースフェーの製品を確認していると、2018年モデルとは少し違う写真が載っているものがありました。違いは、サイドポケットなんですが…
イージーアクセスポケットの反対側の側面にも、サイドポケットが付いているように見えます。2018年モデルは、縦型のファスナーポケットはありますが、いわゆる、サイドポケットはありません。重さも少し軽くなっているようです。
ひょっとすると2019年モデルかもしれませんね。新しい情報が入ったら、またレポートしたいと思います。
大型ザック(60+20L)も新登場!次回の記事でアップします。
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