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折り畳み式トレッキングポール~ブラックダイヤモンド/ディスタンスFLZ【レビュー】

ブラックダイヤモンド/ディスタンスFLZ
ブラックダイヤモンド/ディスタンスFLZ

みなさんは、登山でトレッキングポール(ストック)を使用していますか?

トレッキングポールを使えば、登りでは推進力が増し、下りでは膝への負担を軽減できます。さらに、バランスが取りやすくなるため、余計な力を消耗せずに快適な山歩きを楽しめます。

ただし、電車・バスの移動時や岩場を通過するときに邪魔になるのが難点ですね。

そこでおすすめなのが、折り畳み式のトレッキングポールです。

一般的な伸縮式のトレッキングポールよりもコンパクトに収納できるため、ザックのサイドポケットに入れてもザックからはみ出さず、ザックの中にしまって持ち運ぶこともできます。

しかも、組み立てや折り畳み操作は伸縮式のトレッキングポールよりも簡単・スムーズです。

今回紹介するブラックダイヤモンドの「ディスタンスFLZ」は、強度の高いアルミ製ながら、軽量&コンパクト性に優れ、長さ調整も可能なモデルになっています。

購入してから、実際に7~8回ほど使ってみたので、良かったところ、残念だったところについてまとめました。

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「Zポール」シリーズについて

ディスタンスFLZをZ字に畳んだところ

最初に、ブラックダイヤモンドの折り畳み式トレッキングポール「Zポール」シリーズについて説明します。

ブラックダイヤモンドでは、折り畳み式のトレッキングポールをZポールと呼び(Zの形に折りたためるから)、2025年8月現在、素材の違い(アルミ製/カーボン製)と、長さ調整機能の有無(固定式/調整式)により、下記4つのモデルに分かれています。

モデル素材長さ調整
ディスタンスZアルミ製固定式
ディスタンスFLZアルミ製0~15cmの範囲で長さ調整可能
ディスタンスカーボンZカーボン製固定式
ディスタンスカーボンFLZカーボン製0~15cmの範囲で長さ調整可能

※各モデルのアルファベットの意味は下記のとおり。
Z:折り畳み式(Zポールの略)
FL:長さ調整可(フレックスレングスの略)

また、それぞれのモデルは、利用者の身長などに合わせて長さが異なるモデルが複数用意されています。

下記にZポールシリーズのモデルと長さ・重量・価格の一覧表を掲載しておきますので参考にしてください。

モデル長さ収納サイズ重量(ペア)価格(税込)
ディスタンスZ100cm
110cm
120cm
130cm
33cm
37cm
40cm
44cm
316g
330g
344g
344g
23,870円
ディスタンスFLZ95~110cm
110~125cm
125~140cm
34cm
37cm
41cm
390g
420g
450g
27,280円
ディスタンスカーボンZ110cm
115cm
120cm
125cm
130cm
33cm
37cm
40cm
42cm
44cm
276g
284g
292g
292g
308g
32,340円
ディスタンスカーボンFLZ95~110cm
110~125cm
125~140cm
34cm
37cm
40cm
324g
352g
380g
35,750円

私が購入した「ディスタンスFLZ」は(太字で記載)、アルミ製・長さ調整可能(110~125cm)なモデルです。

以前は上記のほかにウィメンズモデル(女性の手にフィットしやすい短めのグリップを採用)がありましたが、現在のラインナップからはなくなっているようです。

なお、同じディスタンスシリーズでも、Zが付かない「ディスタンスカーボン」というモデルがありますが、そちらは折り畳み式ではなく伸縮式です。

素材(アルミ製/カーボン製)の違い

トレキングポールの素材としてはアルミ製が一般的です。

カーボン製はアルミ製よりも軽い点がメリットですが、アルミ製に比べて強度が劣り(負荷をかけ過ぎるとポキっと折れてしまう)、価格も高い点がデメリットです。

つまり、強度やコスパを重視するならアルミ製、軽さを重視するならカーボン製という選択になります。

なお、少しでも軽くしたいなら、長さ調整式よりも固定式のモデルのほうが、構造が簡素になる分軽くなります。

長さの目安

トレッキングポールの適切な長さは、身長や腕の長さなどによって変わってきます。

一般的な目安としては、トレッキングポールのグリップを持ち、先端を地面に付いたときの肘の角度が90~100度になる長さが適切とされています。

身長とトレッキングポールの長さの関係は、ブラックダイヤモンドが公開している下記の「Zポールサイズ」表が参考になります。

私が購入した長さ110~125cmのモデルの場合は、身長154~182cmぐらいまでが適応サイズです。

長さ調整の有無

トレッキングポールの長さの目安は前述した通りですが、これは平地を歩くときの長さです。

実際に山の中を歩くときは、登りでは短く(-5~10cm)、下りでは長く(+5~10cm)するのが一般的ですね。

そのため、トレッキングポールは登りと下りで長さを調節できたほうが便利です。

ただし、トレッキングポールの長さを調節しなくても、グリップの持ち方を変えることで、ある程度長さを調整することができます。

登りの場合は、下記のようにグリップの下のほうを持ちます。

グリップの持ち方(短く持つ)

下りの場合は、グリップのヘッド部分を上から被せるように持ちます。

グリップの持ち方(長く持つ)

ただし、グリップが短いトレッキングポールは、持ち方で調整できる範囲が少なくなります。

現在のZポールシリーズは、グリップがやや短めです(以前のモデルはもう少し長かった)。

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ディスタンスFLZの特徴

ここでは、ディステンスFLZの特徴を一般的な伸縮式のトレッキングポールと比較しながら説明します。

比較したのは、15~6年前に購入した、同じくブラックダイヤモンドの伸縮式トレッキングポール(トレイル)です。

折り畳み式でザックに収納しやすい

左:伸縮式トレッキングポール(60cm)、右:ディスタンスFLZ(37cm)

上記写真は一般的な伸縮式のトレッキングポール(60cm)とディスタンスFLZ/110-125(37cm)の収納サイズを比較したところです。

伸縮式のトレッキングポールは、収納時に長さ60~65cmになりますが、ディスタンスFLZは折り畳むと34~41cmの長さになり、小型のザックのサイドポケットに入れてもはみ出しません。

下の写真は、オスプレー・タロン22LのサイドポケットにディスタンスFLZを収納したところ。

オスプレー/タロン22LのサイドポケットにディスタンスFLZを収納
オスプレー/タロン22L

組み立て/折り畳みが簡単

折りたたみ式トレッキングポール全般に言えることですが、伸縮式のトレッキングポールより、組み立て/折り畳みが簡単です。

組み立ては1~2秒、折り畳みも2~3秒でできるので、岩場の登り下りでトレッキングポールが邪魔になるケースでも素早く、折り畳み/組み立てが可能になります。

岩場が多いコースなど、頻繁に出し入れする場合も便利です。

組み立て方法

組み立て方法は以下の3ステップです。

①3本に分かれているシャフトのグリップ部分を持ちます。

ディスタンスFLXの組み立て方1/3

②グリップに直結しているシャフトを下に引き伸ばすと、他の2本のシャフトが自動的に連結します。

ディスタンスFLXの組み立て方2/3

③ロックボタンが「パチン」と音がするまでシャフトを引き伸ばせば組み立て完了です。

ディスタンスFLXの組み立て方3/3

ロックが不完全だと、トレッキングポールを地面に付いたときに縮んでしまってバランスを崩すなど、トラブルの原因になるので、完全にロックしてから使用してください。

折り畳み方法

折り畳方法は下記の4ステップです。

①ロックボタンを押し込み、ロックを解除します。

ディスタンスFLXの折り畳み方1/4

②グリップに直結したシャフトを、組み立て時とは逆にグリップ側に押し込みます。

ディスタンスFLXの折り畳み方2/4

③これで、シャフトを分解できるようになるので、連結された他の2つのシャフトを引き抜きます。

④分解したシャフトをZ字状に折り畳みます。

ディスタンスFLXの折り畳み方4/4

軽量&コンパクト設計

一般的なトレッキングポールとディスタンスFLZのグリップ部分を比較

ディスタンスFLZは一般的なトレッキングポールに比較すると、グリップ部分がコンパクトに設計されています。

また、シャフトの直径もやや細く、直径約10~14mmでした。今回比較した伸縮式ポールが約12~16mmだったので、ここでも軽量化が図られているようです。

そのため、強度が高いアルミ製なのに、他のメーカーの折り畳み式トレッキングポールより軽量化&コンパクト化が実現したのでしょう。

ただし、グリップのヘッド部分も通常よりもコンパクトになっているため、下りでグリップの上から被せるように持つ場合、安定感はやや劣ります。

なお、現在のモデルはアンダーグリップ(グリップエクステンション)が短めです。

長さ調整が可能

ディスタンスFLZの長さ調整方法

ディスタンスFLZは、ディスタンスカーボンFLZとともに、ポールの長さが調整できるタイプです。

グリップ下部のロックレバーを開くと、上段のシャフトの長さが0~15cmの範囲で調整可能です(フリックロック2)。

登りや下りで長さを調整したいときや、自分に最適なサイズがわからない場合に長さが調整できると便利ですね。

先端パーツ(石突)が交換式

ディスタンスFLZの先端パーツ

一般的なトレッキングポールは、先端の石突き部分に、山道や植生保護のためのラバーキャップが付属しています。

しかし、Zポールシリーズは先端パーツが交換式になっており(カーバイドディップ(石突)とラバーティップ)、ラバーキャップは付属しません(軽量化のためか?)。

これらのパーツはネジで固定するため、登山中に外れてなくなってしまうことはありませんが、先端パーツの取り付け/取り外しにはペンチなどの工具が必要です。

また、ラバーティップはプラスティックのような硬い素材でできているため、木道や石の上に付いたときの感触が固く、コツコツ音がする点も気になりました。

私の場合、始めのうちはラバーティップを使用していましたが、結局、別売りのラバーキャップ(Zポールティッププロテクター)を購入し、下記のようにカーバイドティップの上にかぶせて使用しています。

別売りのZポールティッププロテクター

ラバーティップとZポールティッププロテクターは価格が同じなので、はじめからラバーティップではなく、Zポールティッププロテクターが付属していたほうが嬉しかったですね。

・ラバーティップ 1,870円
・Zポールティッププロテクター 1,870円

※カーバイドは素材の名前。炭素と陽性元素の化合物。

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ディスタンスFLZの付属品

ディスタンスFLZのパッケージ
ディスタンスFLZのパッケージ

ディスタンスFLZの付属品は下記4点です。
・交換用の先端パーツ(ラバーティップ)
・交換用のバスケット(ラージ ウィズクリップ)
・取扱説明書
・マジックテープ

ラバーティップ

ラバーティップ
ラバーティップ

購入時にはカーバイドティップ(石突)が付いており、ラバーティップと交換できるようになっています。ただし、先端パーツの交換にはペンチなどの工具が必要です。

ラージバスケット

ラージバスケット
ラージバスケット

購入時のバスケットはスモールサイズ(ランニング用)が付いていますが、交換用のラージサイズ(ハイキング用)が付属しています。

ラージサイズのバスケットには、円形の切り込みが2つ入っており、折り畳んだときに他のシャフトを挟んでまとめられるようになっています。

ただし、上段のシャフトは少し太いので、バスケットの切り込みにはピッタリとはまりません。また、バスケットが大きいと収納したときに嵩張るため私は使っていません。

なお、バスケットはネジ込み式になっていますが、かなり力を入れて引っ張らないと外れません。この点はデメリットです(一度外せば、緩くなりますが…)。

取扱説明書

取扱説明書
取扱説明書

こちらが商品に付属していた取扱説明書です。使い方の簡単な図説が載っていますが、多言語の説明文は警告などの記載のみでほとんど役に立ちません。

※現在メーカーサイトに掲載されている取扱説明書には、使い方やメンテナンス方法などの説明文も記載されています。

マジックテープ

マジックテープ
マジックテープ

パッケージにトレッキングポールを固定するために使われていたマジックテープです。

これをトレッキングポールのグリップ部分に取り付けておけば、下記のように、トレッキングポールを折り畳んだときにまとめておくのに利用できます。

マジックテープでディスタンスFLZをまとめたところ

ディスタンスFLZと一緒に購入したい商品

Zポールティッププロテクター

Zポールシリーズ専用のラバーキャップです。
付属のラバーティップは使いにくいので、こちらを購入しました。

Zポールティッププロテクター

収納ケース

Zポールシリーズには収納ケースが付属せず、別売りの専用ケースも用意されていません。

収納ケースが必要な場合は、市販の「折り畳み式トレッキングポール用ケース」を購入する必要があります。

私はヨドバシカメラ(石井スポーツ)で下記のケースを購入しました。

ローバック/折り畳み用ストックケース RB-STC1

Amazonで購入するなら下記のケース良さそうです。

オクトス CORDURA FDトレッキングポールバッグ

【サイズ】高さ42.5cm×幅7.5cm×マチ6cm
【重量】20g
※FDはフォールディング(折り畳み式)の略
Amazonで見る

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ディスタンスFLZを購入した理由

私が、ディスタンスFLZを選んだ主な理由は下記の5つです。

①折り畳み式
伸縮式のトレッキングポーは所有していたので、コンパクトに収納できる折り畳み式が欲しかった。

②アルミ製
軽さを重視するならカーボン製という選択になりますが、安い買い物ではないので長く使いたい。そこで、強度の高いアルミ製であることを重視しました。

③長さ調整が可能
折り畳み式のトレッキングポールは、長さが固定のモデルが多いですが、やはり、長さ調整できる方が便利でしょう。

④軽量&コンパクト
他のメーカーの折りたたみ式トレッキングポールに比較して、軽量&コンパクトだった。ただし、超軽量&超コンパクトではありません。

モンベルの「U.L.フォールディングポール」のようなグリップが細いタイプは、さらにコンパクトですが、グリップの上から被せるように持つときに、持ちにくいため選択肢から除きました。

⑤価格が手頃
人気のLEKIやSINANOの折り畳み式トレッキングポールに比べて価格が手頃だったこと。安くはないですが、それほど高価でもなかった。

ちなみに、私が購入したのは2024年10月頃で、定価が22,000~23,000円(実売価格は18,000円前後)ぐらいだったと思います。

現在は物価高騰のせいか、購入当時より5,000円ほど高くなってしまいました。

実際に使用した感想

ディスタンスFLZ(全体)
ディスタンスFLZ(全体)

ここでは、実際に7~8回ほど登山で使用してみた感想を、良かったところ、残念だったところに分けてまとめました。

良かったところ

以下の3点が特に良かったと感じたポイントです。

コンパクトに収納&持ち運びやすい

折り畳むと非常にコンパクトになり、小型ザックのサイドポケットにすっぽり収まります。

公共交通機関での移動時にも、周囲に気を使わずに済み、気軽に持ち運べるようになりました。

組み立て/折り畳みが簡単

必要なときにサッと出し、数秒でパチンと組み立てられます。不要になったら素早く折り畳んでザックに収納可能。このスムーズさが登山中のストレスを減らしてくれます。

岩場などトレッキングポールが邪魔になる場面でも、時間のロスを最小限に抑え、スムーズに通過できるようになりました。

軽い(余計な体力を消耗しない)

実際に使ってみて、特に感じたのが軽さです。アルミ製なのでしっかりした強度がありながら、長時間持っていても疲れにくい。

ザックに入れておいても、それほど重さを感じないので、「今日は使わなくても大丈夫かな?」という山行でも、とりあえず持って行きます。

残念だったところ

残念に感じたところは下記の3点です。

アンダーグリップが短め

現在のZポールシリーズは、軽量&コンパクト化のためか、アンダーグリップ(グレップエクステンション)が短めに設計されています。

そのため、グリップの持ち方で長さを調整できる範囲が狭くなってしまいます。あと3~4cmほど長ければベストでした。

先端パーツが交換しにくい

Zポールシリーズは先端パーツ(石突/ゴム)が交換式になっているのが特徴ですが、交換にはペンチなどの工具が必要になり、登山中に交換するのに手間がかかります。

別売りのラバーキャップ(Zポールティッププロテクター)を購入すれば、先端パーツを交換する必要はなくなりますが、その分出費がかさみます。

バスケットが交換しにくい

Zポールシリーズは交換用のラージバスケットが付属していますが、最初から付いていたスモールバスケットがはずしにくく、取り外しにはかなり力が必要でした。

あとがき

ブラックダイヤモンドの「ディスタンスFLZ」は、軽量&コンパクトで扱いやすく、強度と軽さのバランスがとれた優秀なトレッキングポールです。

残念なところも多少ありますが、購入して良かった山道具です。

長さ調整機能については、登山中に調整するのが面倒なので、あまり使わなくなりました(グリップの持ち方で長さを変更)。

適切な長さがわかっていれば、長さ固定式の「ディスタンスZ」のほうが、軽量で価格も安いですね。

ただし、トレッキングポール初心者は、適切な長さがわからないと思うので、長さが調整できるタイプがおすすめです。

※Amazonの商品リンクを下記に掲載しておきますので、気になった方はチェックしてみてください。

ディスタンスFLZ

ディスタンスFLZ 95~110cm(並行輸入品)
ディスタンスFLZ 110~125cm(並行輸入品)
ディスタンスFLZ 125~140cm

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この記事を書いた人
管理人:鈴木ライト
神奈川県横浜市在住。登山・アウトドアを通して人生という長い旅をアグレッシブに楽しみたい64歳男性(Webライター)。登山歴は約20年、テント泊を始めて約18年。大好物はなだらかな稜線歩き、急峻な岩場は苦手です…でも槍ヶ岳と剱岳は登頂済み。山好きな人よろしく~!(^o^)
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