2018年4月21日(土)、奥秩父の瑞牆山(みずがきやま)へ登ってきた時のレポです。
天気は良好。山頂直下には凍結した場所がありましたが、軽アイゼンを準備していたので問題なく通過できました!
瑞牆山について
瑞牆山(みずがきやま、2230m)は、奥秩父の西端に位置する日本百名山のひとつ。
巨大な岩峰を寄せ集めたような山容が特徴的な山です。
瑞牆山は今回で2回目ですが、はじめて瑞牆山を目の前にした時は(冒頭の写真の景色)、その印象的な姿と迫力に心が震えました!
写真だとあまり伝わらないと思いますが…肉眼で見た時の迫力は全然違います!
深田久弥の日本百名山では、次のように紹介されています。
日本百名山/瑞牆山
…この山は岩峰の集合体とでもいうべきか。岩峰郡を持った山は他にもあるが、瑞牆山のユニークな点は、その岩峰が樹林帯と混合しているところである。まるで針葉樹の大森林からニョキニョキと岩が生えているような趣である。引用:日本百名山/深田久弥より
ニョキニョキと岩が生えているような…という表現はさすがですね。
瑞牆山の岩峰は垂直にそそり立つ岩塔のようでもあり、ニョキニョキと岩が生えている…という言葉がしっくりきます。
瑞牆山にはじめて登ったのは2007年11月。富士見平小屋のテント場ではじめての単独テント泊をした場所でもあります。
その時は1泊2日で瑞牆山と金峰山、2つの百名山を登ったんですが…
それ以来11年降りの再訪となりました。
奥秩父の日本百名山
ちなみに、奥秩父山域にある日本百名山は次の通り。(両神山以外は登頂済みです)
大菩薩嶺を含めると百名山は6座。けっこうありますね。
(大菩薩嶺は奥秩父とは別の山塊になるようですが、広義では奥秩父にはいるでしょう)
中央アルプスの日本百名山は木曽駒ケ岳(2956m)、空木岳(うつぎだけ、2864m)、恵那山(えなさん、2191m)の3座だけなので、百名山の数では中央アルプスを上回っています。
奥秩父=東アルプス?
2003年3月、奥秩父山域で営業している山小屋の有志が集まって、東アルプス楽集国を建国しました。
東アルプスという名前は…
北・中央・南アルプスがあって東があってもいいんでねーか。
奥秩父はちょうど東に位置して高度はちょっとたりないけど…
ということで、北・中央・南アルプスとは異なった魅力を持つ山域(楽集国)として命名したようです。
日本百名山も中央アルプスよりは多いので、東アルプスという呼び方も…ありですね!
一般的には、まだまだ普及していないようですが… (^_^;
東アルプス楽集国については、↓こちらをご覧ください。
東アルプス楽集国
日程・登山コース・交通
【日程】2018年4月21日(土) ※日帰り
【メンバー】私、T氏、Y氏(3名)
【登った山】瑞牆山(みずがきやま、2320m)
登山コース
瑞牆山荘からの往復コース(紫色のルート)を歩きました。瑞牆山へ登る最短コースです。
ほんとうはは、みずがき山自然公園から不動沢を登る、右回りの周回コース(水色のルート)を歩きたかったんですが…
みずがき山自然公園へ通じる林道(みずがき林道)が4月26日頃まで通行止めとのことで、周回コースはあきらめて往復コースにしました。
標準コースタイム
昭文社「山と高原地図」のコースタイムは往復5時間となります。
●登り=2時間50分
瑞牆山荘 …[0:50]… 富士見平小屋 …[0:30]… 1802m地点 …[1:30]… 瑞牆山 …[1:00]… 1802m地点 …[0:30]… 富士見平小屋 …[0:40]… 瑞牆山荘
●下り=2時間10分
瑞牆山 …[1:00]… 1802m地点 …[0:30]… 富士見平小屋 …[0:40]… 瑞牆山荘
ちなみに、みずがき山自然公園からの周回コースの場合は、5時間50分です。
登山口と交通
登山口は瑞牆山荘(みずがきさんそう)。
金峰山や小川山への登山口としても利用されるところです。
瑞牆山荘の横にトイレがありますが水場はありません。
マイカー利用の場合
◯中央自動車道・須玉IC
|(車)
◯瑞牆山荘(無料駐車場)
●駐車場
無料駐車場:約100台
瑞牆山荘付近(トイレの前と路肩):約20台
公共交通機関を利用する場合
JR中央本線・韮崎駅より、みずがき山荘行きの小型バス(山梨峡北交通/韮崎瑞牆線)が運行。
所要時間は約1時間13分(1日6便ほど)。
◯中央本線・韮崎駅
|(バス)
・増富温泉
|(バス)
◯瑞牆山荘
●バス時刻表は↓こちら
山梨峡北交通/韮崎瑞牆線
瑞牆山荘~富士見平
瑞牆山荘の周辺(トイレの前と路肩)に20台ほど車を止められるスペースがあります。
瑞牆山荘の前
瑞牆山荘の向かい側にバス停と無料駐車場の入口があります。
瑞牆山、金峰山への登山口は無料駐車場の入口を入ってすぐ左側になります。
瑞牆山荘付近の無料駐車場
こちらが、近くの無料駐車場(100台駐車可)。
すでに満杯に近い状態でしたが、まだ2-3台の空きがり無事に駐車できました。
瑞牆山荘までは徒歩1分。準備を整えて瑞牆山荘へ向かいます。
瑞牆山荘
1階はカフェレストランになっていて、宿泊者以外も利用可能です。
お風呂もあるようですが宿泊者のみとのこと。
瑞牆山荘のホームページは↓こちら。
瑞牆山荘のホームページ
山荘の隣にトイレ(利用料:100円)がありますが水場はありません。
途中の富士見平小屋の手前に水場(湧水)がありますが、約50分ほどかかるので、そこまでの水は準備しておいたほうがいいでしょう。
瑞牆山~登山口
10:30頃。トイレを済ませて登山届を出して出発です。
水場がある富士見平小屋までは50分。
最初はゆるやかな登り。木の根が張り出した道を登って行きます。
しばらく行くと、登山道の脇には大きな石が目立つようになってきます。
瑞牆山荘から約15分。登山道はいったん林道(富士見平林道、一般車両は通行禁止)へ出ました。
ここから階段状の登りになり傾斜もキツクなってきました。
瑞牆山の展望地
ここは特に名前がついていないようですが、瑞牆山の展望が素晴らしい場所です。
上の写真はここへ登ってきた後に、奥の方から振り返って撮った写真ですが、瑞牆山荘から登ってくると…
こんな素晴らしい景色が目に飛び込んできます。
岩峰が寄せ集まった異様な姿とその迫力。圧倒されますね。
この記事の最初のほうで「はじめてこの景色を見た時は、心が震えました!」と書きましたが…
2回目でも、やっぱり、心が震えました!
瑞牆山の山頂からの展望も素晴らしいですが、ここから眺める瑞牆山が最高です!
(写真では迫力が伝わらないのが残念です…)
富士見平小屋
富士見平小屋(帰りに撮った写真)
11:20頃。富士見平小屋に到着しました。
ここには100張りほど幕営可能なテント場があります。
登山口から50分と近いので、テント泊初心者や、ファミリーキャンプ等でもよく利用されているようです。
ここをベースキャンプにすれば、瑞牆山と金峰山、2つの百名山を1泊2日で登れます。
瑞牆山へは往復3時間30分、金峰山へは往復5時間45分で登ってこれます。
私も11年前にここでテント泊をして瑞牆山と金峰山を登りました。
初の単独テント泊をした場所なのでなつかしいですね。
あとは、山小屋オリジナル地ビールが有名です。
小屋の前にも「瑞牆ビール」と書かれたの旗が立ってますね。
しかも、地ビールは、なんと、3種類も用意されているんです。
●富士見平小屋の地ビール
・富士見平小屋ビール(1000円)
・瑞牆ビール(1000円)
・ロッククライマービール(1500円)
私は飲んだことありませんが…
富士見平小屋ビールは濃いめでコクがあり、瑞牆ビールは軽くてスッキリ爽やか系、ロッククライマービールはヘビーな味わい?だそうです。(^o^)/
富士見平小屋のホームページは↓こちら。
富士見平小屋のホームページ
富士見平小屋のテント場
テント場は山小屋の前の斜面に設けられています。幕営数は100張。
かなり広くて斜面の奥の方まで幕営可能です。
小屋前に設置されているテーブルとベンチも利用できます。
【幕営数】100張
【料 金】1000円(1人)
【水 場】テント場から3分下った所(湧水)
【トイレ】あり
【風 呂】なし
小屋の近くの場所には、ファミリー優先幕営コーナーという場所が設けられていました。
どこが優先なんだろう?と思って他の場所と比べてみると…
小屋に近くて、比較的に水平で広いサイトになっているようです。
小屋に近い場所のほうが人気があるようですが、ファミリー優先コーナー以外は水平な場所が少ないですね。
マイテント(2007年11月)
上の写真は2007年11月にここでテント泊した時のもの。
このときは一番奥の方(斜面の下の方)にテントを張りました。なつかしい~。
水場
瑞牆山荘から登ってくると、富士見平小屋の手前に「水場」の標識があり、そこから20mぐらい左に入ったところです。
口当たりが優しくておいしい湧き水です。
暑い夏でも水が枯れることはなく、-20℃前後となる冬でも凍ることが無いとのこと。
トイレ
男女別々にはなっていますが、男性用は小1、個室1しかないので、テント場の利用者数に比較して少ないのが難点ですね。
(女性用は確認していませんが、多分…個室1です。)
富士見平~瑞牆山
富士見平小屋~瑞牆山への登山道
11:30頃。富士見平小屋で10分ほど休憩後に出発。
小屋の前の道は金峰山へと続きますが、瑞牆山へは小屋の左側の道を進みます。
しばらくは、ゆるやかな登りでしたが…途中から下りになり…天鳥川(あまどりがわ)の源流まで、一気に下って行きます。
帰りにここを登り返さなければ…と思うと…気分が重くなるので…
帰りのことは気にすんな!それっ!ワカチコ!ワカチコ!
天鳥川の源流(帰りに撮った写真)
12:00頃。天鳥川(あまどりがわ)の源流へ到着。
この沢を渡ったところに休憩するのにちょうどいい広場があります。
そして、そのすぐ先には巨大な桃太郎岩が….
桃太郎岩
登山道の行く手を遮るような巨大な岩です。
かなりでかい!
岩の真ん中が2つに割れていて、巨大な桃のように見えますね。
桃太郎岩という名前は「桃太郎が生まれた桃のような岩」ということで名付けられたんだと思いますが…
ここから生まれつ桃太郎って、どんだけ巨人なんだろう?
桃太郎岩~右側の階段
登山道は桃太郎岩の右脇の階段を登って続きます。
ここからは登りいっぽう。樹林に囲まれた谷間の道をひたすら登ります。
倒木や木の根が張り出した道から、だんだん岩場へと変わってきます。
クサリ場が2-3箇所ありますが、高度感はなく危険な場所もほとんどありません。
ただし、岩と岩の間をよじ登っていくような場所も多く…けっこう疲れます。(^_^;
大ヤスリ岩
13:00頃。岩場の急登の途中で大ヤスリ岩が見える場所がありました。
瑞牆山の山頂の近くにそびえ立つ岩峰です。
眼の前で見る大ヤスリ岩は、大きすぎて高さがどれくらいあるのか…わかりませんでしたが…
大ヤスリ岩の根本?(取り付き点)から、てっぺんまでは100m以上はあるようです。
すごいですねー!
クライミングで登る人がけっこういるようなんですが…この日は見かけませんでした。
(人が登っていると、大きさがわかるんですが…)
山頂直下の凍結地帯
山頂直下は残雪が凍結していました。
事前に情報を得ていたので軽アイゼンは持って来ていましたが…
山頂までは通常なら(雪が凍っていなければ)、あと5分たらずの所まで来ています。
アイゼン無しで登っている人もいたし、スリップしても滑落するような危険な場所はなさそうです。
アイゼンなしで行こうか…どうしようか…迷いましたが…
やはり、安全第一で軽アイゼンを装着することにしました。
スリップした拍子に怪我をする可能性もあります。自分が怪我するだけならまだしも、人に怪我をさせたりすると大変なことになりますからね。
アイゼンを付けての岩登りは歩きにくいですね。
ハシゴの下のほうは雪が凍結した斜面になっていて、アイゼンを付けていない人達はこの辺でよく転倒していました。(^_^;
いやー、危ない、危ない!
やはりアイゼンを装着して正解でした。
瑞牆山の山頂
スタートしてから3時間30分かかりました。標準コースタイムは2時間50分なので、休憩を抜かせばほぼコースタイムでしょう。
山頂には積雪はありません。軽アイゼンを外して一番高いところまで登ります。
瑞牆山の山頂標識
この辺が一番高いところですね。山頂標識が岩の間に埋もれるように立っています。
方位盤
山頂標識のすぐ下に設置された方位盤です。山頂から見える山の名前が確認できますね。
瑞牆山~山頂からの展望(北西側)
瑞牆山の山頂は東西に長く、水平な場所がほとんどありません。
北側に低木が少し茂っていますが南側は断崖です。
ゆっくり休憩できる感じではありませんが、この景色と高度感に圧倒されますね。
展望はほぼ360度広がっていますが、まず目に入るのがこの景色でしょう。
北西側、間近に見える山は八ヶ岳。
一番高いピークが赤岳。その右側の平な山が横岳、赤岳の左側のピークは権現岳でしょう。
瑞牆山~山頂からの展望(南西側)
南西側には遠く南アルプスの山々が見えます。
甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳が肉眼で確認できました。
手前に見える大ヤスリ岩も大迫力で迫ってくるようです。
瑞牆山~山頂からの展望(東側)
富士山の左側には金峰山(きんぷさん)。
金峯山の山頂近くにあるの五丈岩(ごじょういわ)も確認できますね。
充分景色を堪能した後は昼食のお時間です。
山頂は水平な場所は殆どないんですが、西側の端に良さそうな場所があったのでそこへ移動。
T氏が作ってきてくれたおにぎりと…食後にドリップバッグの珈琲。
断崖のそばなので、やや…ビビリながらの昼食タイムになりました。
写真も撮り忘れました。(^_^;
下山(瑞牆山~瑞牆山荘)
14:50頃。下山開始。登って来た道を戻ります。
山頂から桃太郎岩の場所までは下りいっぽうですが、岩場の急下降が続くため、かなり膝にきますね。
天鳥川源流から富士見平小屋までは登り返しになります。
来る時は帰りがキツイんじゃなかと思っていたんですが…以外と帰りのほうが楽でした。
ちなみに、行きは約30分、帰りは約25分で通過しています。
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17:20頃、下山完了。瑞牆山荘まで無事に戻って来れました。下りにかかった時間は2時間30分。
下りの標準コースタイムは2時間10分なので、休憩を除けば、ほぼコースタイム通りですが…
スタートが予定より30分ほど遅かったこともあり、16:00頃に戻って来れると思っていたのが、だいぶ遅くなってしまいましたね。
もっと早い時間であれば帰りに近くの増冨温泉に寄って行きたいところでしたが…
帰りが遅くなりそうなので…今日はそのまま帰路へ着きました。
増富温泉・増富の湯
増冨の湯は雄大な山々に囲まれた日帰り温泉施設。
源泉掛け流しで4種類の温度の違う源泉(25℃・30℃・35℃・37℃)が楽しめます。
日本でもまれなラジウムを含む、ぬる~い温泉とのこと。
瑞牆山荘からは車で20分、路線バスも停車します。
瑞牆山荘の隣のトイレの前に割引券が置いてありますので、登山の帰りに、よかったら、どうぞ!
増富温泉・増冨の湯のホームページは↓こちらです。
●増富の湯ホームページ
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