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三浦アルプス非公式ガイド#0 はじめに…注意点と地図の入手先

左上:仙元山、右上:乳頭山、左下:二子山、右下:畠山
左上:仙元山、右上:乳頭山、左下:二子山、右下:畠山

神奈川県の三浦半島に位置する三浦アルプスのトレッキングコースを紹介します。

200m前後の低山が連なる山域ですが侮るなかれ!

急傾斜のアップダウンが多く、複雑な山道が入りくんだ本格的なトレッキングコースです!

最新コース状況

コース状況の詳細は下記のサイトで確認してください。
二子山山系自然保護協議会
二子山山系巡視プロジェクト (Facebook)

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はじめに

三浦アルプスは神奈川県の三浦半島の北部に位置するご当地アルプスです。

名前だけは知っていても、どんなコースなのか知らない人が多いのではないでしょうか?

そういう私も最近まで知りませんでした…

「こんな身近なところに、こんなに素晴らしいトレッキングコースがあったなんて!」

神奈川県のご当地アルプスと言えば、鎌倉アルプス(ハイキングコース)が有名ですが、三浦アルプスも似たようなハイキングコースだろうと思っていたら大間違い! 

ひと味もふた味も…いやいや、もっと違った本格的なトレッキングコースなのでご注意を!

YAMAP×京急/三浦アルプスプロジェクトについて

2018年夏頃。YAMAPと三浦半島沿線の京急がコラボした「MIUR ALPS PROJECT(三浦アルプスプロジェクト)」というサイトがオープンしました。三浦アルプスを中心に三浦半島の魅力的なトレッキングコースを紹介しています。
三浦アルプスプロジェクト| YAMAP × KEIKYU

しかし、トレッキングコースの詳細を紹介しているガイド本は少なく、山道は標識が少なくてわかりにくい。

それどころか、最寄りの駅から登山口へ向かう標識もほとんどなく、登山口へたどり着くのも一苦労。ちょっとしたオリエンテーリング気分が味わえるほどです。(笑)

これでは興味を持ったとしても実際に歩く人は少ないでしょう。もったいないですね!

そこで、三浦アルプスのトレッキングコースを詳しく紹介していこうと思ったわけです。

もっと多くの人に三浦アルプスの魅力を知ってもらえれるように。

三浦アルプスの概要

三浦アルプスの場所

三浦アルプス(二子山山系とも、葉山アルプスとも呼ばれる)は神奈川県の三浦半島の北部(逗子・葉山・横須賀)を横断する低山岳地帯です。

三浦半島沿線の京急線や、JR横須賀線の駅を起点として登ることができます。

山域の西側は相模湾、東側は東京湾に近いため、山の上から海の景色を眺められるところが魅力のひとつです。

特に西側の仙元山から見える湘南の海の眺めは素晴らしい。

主な山頂は阿部倉山(あべくらやま、161m)、二子山(ふたごやま、208m)、仙元山(せんげんやま、118m)、乳頭山(にゅうとうざん、202m)、畠山(はたけやま、205m)の5つです。

200m前後の低山が連なる山域ですが…侮るなかれ!

急傾斜のアップダウンが多く、複雑な山道が入りくんだ、本格的なトレッキングコースです。

お気軽なハイキングコースのつもりで、地図やコンパスを持たずに山に入ると、道に迷って遭難する危険性もあります。

しっかりとした装備で出かけましょう。

トレッキングコースの特徴と注意点

逆さ「つ」の字型の稜線と源流

三浦アルプスの稜線
三浦アルプスの稜線

三浦アルプスの稜線は「つ」の字を逆さまにしたような形(上が短く下が長い)に連なり、「つ」の字の上側が北尾根、下側が南尾根、北尾根と南尾根をつなぐ尾根が東尾根と呼ばれています。

200m前後の低山地帯ですが、西から東へ横断すると(その反対も)3~4時間ほどのコースとなり、「つ」の字型に連なる稜線を通して歩けば、8時間ほどのロングコースにもなります。

また「つ」の字の中心部は森戸川の源流が流れ、ひっそりとした秘境気分を味わうこともできます。

ただし、森戸川の源流付近から東へ向かう尾根道は中尾根と呼ばれ、特に道迷いが多い区域なので、十分な準備と注意が必要です。

しっかりとした装備が必要

トレッキングコース中はアップダウンが多く、急登や、岩登りのような場所もたくさんありますので、しっかりとした登山装備が必要です。

登山靴(トレッキングシューズ)はもちろんのこと、レインウェアや、ヘッドライトも忘れずに!

スリップしやすい場所が多いので、手を付いた時の保護のためにトレッキンググローブ(軍手でもOK)も必要です。

応急用品として絆創膏(バンドエイド等)も、必ず用意しておくこと!

ヤブの中を通る道も多いので、暖かい季節でも服装は長袖・長ズボンをおすすめします。

道迷い多発地帯~地図とコンパスは必須!

三浦アルプスの山道は複雑に入り組んでおり、標識がほとんどない場所もあります。

道迷いのため、自力で下山できずに遭難する人が増えているようです。

登山に慣れている人でも、地図とコンパスは必須です。

さらに、スマホのGPSアプリを併用することを強くおすすめします。

地図とスマホのGPSアプリについては後述します。

トイレと水場

トイレは仙元山にしかありません。なるべく起点となる駅で済ましておきましょう。

コース中に水場はないので、ロングコースを歩く場合は水の準備も必要です。

森戸川の源流へ下れば沢水を得ることはできますが……安全かどうかは不明です。

イノシシ出没注意

三浦アルプスにはイノシシが多数生息し、コース中にもイノシシ出没注意の看板が多く設置されています。

トレッキング中に遭遇する可能性もありますので、二子山山系自然保護協議会の主要分岐図(後述)の注意事項を確認しておくといいでしょう。

主な注意点を箇条書きにしておきます。

イノシシ出没注意!
  1. 食べ残しは山に残さない。必ず持ち帰る
  2. イノシシの子供(うりぼう)を見つけても近づかないこと
  3. イノシシに遭遇した場合、大声を出したり、急な動作は避け、刺激を与えないこと
  4. イノシシ捕獲用のワナが設置してあるので、山道から外れると危険

森戸川林道は立入禁止?

森戸川林道(赤色の点線部分)
森戸川林道(赤色の点線部分

森戸川林道(旧大山林道)は、三浦アルプス中心部を流れる森戸川沿いに設けられた作業道です(上図の赤色点線部分)。

自然豊かな場所で、各種ガイド本やトレッキング地図で紹介されている人気コースの一つでした。

森戸川林道の入口(2022年8月25日)
森戸川林道の入口(2022年8月25日)

しかし、現在は森戸川林道の入口(林道ゲート)に「危険につき関係者以外立入禁止」という看板が設置されています(上の写真)。

落石注意」の看板もあるように、途中に落石の危険個所があり、立入禁止になったようです。

ゲートの右側から人が出入りできるため、ネット上では「人は通れるからOK」や「自己責任なら通行してもOK」としている記事も見かけますが……

「関係者以外立入禁止」のゲートを無断で通過するのはお勧めできません。

本サイトではこのゲートを通らないコースを紹介していきます。

追伸1~地元では通行容認か?

2021年2月、ゲートの右側に新しい看板が設置されました。↓こちらです。

看板に書かれている内容は以下の通りです。

おねがい 2021年2月

この数年、川原で直火の跡が顕著に多々みられ、片付けをしています。

一向に改善がみられないのでこのようにお知らせをします。

そこに残された燃えた木片、ゴミ、動かされた丸太、等々を日々、片付けているのは、子どもたちです。

森を楽しむ中で、現状復帰は最低限のマナーと思います。

残されたものは、雨が降ったときに流されて、川の流れを妨げるものになっています。

景観を損ねるだけでなく、森の環境を悪くしていることを知って欲しいと思います。

ぜひ自らの行いを振り返ってくださるように、切にお願いいたします。

改善がされたら、この看板をはずしたいと思います。

その日を早く迎えられますように…

要約すると、川原の直火跡の始末やゴミの片付けなど、利用者に「現状復帰のマナー」を呼び掛けるものでした。

しかし、「関係者以外立入禁止」のはずなのに、明らかに矛盾した内容です。

「マナーを守れば通行してもOK」というメッセージにも読めてしまいますね。

一般の通行を容認するのなら、「立入禁止」の看板をはずすか、その旨(通行可の条件など)を記載するべきでしょう。

追伸2~通行が容認された!!

二子山山系自然保護協議会の発表(2023年2月18日)によると、森戸川林道(旧大山林道)が新たに「要注意区間」に指定されたとのこと。

※要注意区間の「葉22」から「葉41」は、林道ゲート~林道終点の区間です。

下記のような危険性があるため、「細心の注意を払って通行してください」と注意喚起されています。

森戸川林道の危険性(要約)
  • がけ崩れが発生した箇所の十分な補修が行われていない
  • 現在も握りこぶし大の落石が散見される
  • 森戸川増水の影響で林道が侵食され、潜在的な危険度が上がっている

これは「細心の注意を払えば通行してOK」ということですね!

なお、最新情報は二子山山系巡視プロジェクトのFacebookを確認してください。
二子山山系巡視プロジェクト(Facebook)

三浦アルプスの地図

三浦アルプスのトレッキングに利用できる地図を6つ紹介します。

(2) ~ (5) はネットから無料で入手可能です。

(6) は有料ですが、一部の地図は無料で公開されています。

(1) 昭文社「山と高原地図」 特別版 三浦・房総

昭文社の「山と高原地図」シリーズから、三浦アルプスの地図が載った「三浦・房総」が発売されました(2022年8月25日)。

表面は神奈川県の鎌倉~三浦半島、裏面は千葉県の南房総半島という構成で、鎌倉アルプスや三浦アルプスの詳細地図(1/18,000)が掲載されています。

パッケージは登山マンガ「ヤマノススメ」とコラボした特別版で、付録の電子冊子には「ヤマノススメ」の特集ページも用意されています。

ただし、通常の「山と高原地図」に付属する紙の小冊子は付属しません。

山と高原地図 特別版 三浦・房総
出版社:昭文社 (2022/8/25)
Amazonで見る 

購入を検討している人は、↓こちらの記事も参考に。

(2) 二子山山系自然保護協議会/二子山山系主要分岐図

二子山山系自然保護協議会のサイトからダウンロードできる道迷い防止用の地図です。

道迷いの発生しやすい地区や分岐点が説明されています。

イノシシ出没に関する注意事項も記載されているので、確認しておくと良いでしょう。

地図の入手先は↓こちら。
二子山山系自然保護協議会/二子山山系主要分岐図

(3) 京急/三浦アルプストレッキングMAP

京急の三浦アルプストレッキングMAPです。

主なトレッキングコース4つの説明と、それぞれのコースが色分けされた詳細地図(1/22,000)が掲載されています。

この地図にはコースタイム、分岐点、各地点の標高の他に、注意事項やアドバイスまで載っていて、まるで昭文社の「山と高原地図」を見ているようです。素晴らしい!

現在、京急サイトには掲載されていませんが、下記のサイトから入手可能です。

京浜急行/三浦アルプストレッキングMAP (ボーイスカウト横浜サイトより)

(4) YAMAP/三浦アルプストレッキングコース

YAMAPの「MIUR ALPS PROJECT(三浦アルプスプロジェクト)」に掲載されている地図です。

推奨コース、初級者コース、上級者コースが色分けされていて、分岐点から分岐点のコースタイムも詳細に記載されています。

また、駅、バス停、登山口などが記号でわかりやすく記載されているので、コースを計画する際に便利です。

YAMAP/三浦アルプストレッキングコース

(5) YAMAP/地形図:三浦アルプス・二子山・仙元山

YAMAPの三浦アルプス周辺の地形図です(国土地理院の地形図を基に、コースタイム等の情報を付加したもの)。

国土地理院の地形図(1/25,000)では、三浦アルプスは「鎌倉・横須賀」に該当しますが、情報が少なくわかりにくいので、YAMAPの地形図がおすすめです。

YAMAP/三浦アルプス・二子山・仙元山

上記のサイトへアクセスして「登山コースを見る」→「jpg形式でダウンロード」→無料地図の「ダウンロード」をクリック。

現在、地図のダウンロード機能はなくなりましたが、「登山ルートを見る」→「印刷」で送信先を「PDFファイル」に変更すれば、表示されている縮尺でPDFファイルへ保存できます。

(6) 葉山・山楽会/三浦アルプスの地図

三浦アルプスの地元「葉山・山楽会」が発行している地図です。

葉山町が作成した1000分の1地形図をもとに、標高により色分けをして、登山路や地名がわかりやすく記入されています。

最後のほうで紹介している「葉山の山歩きコース」というガイドブックに付属している地図ですが、下記の「ヤマレコ/ヤマノート」にてサンプルが見られます。

ヤマレコ/ヤマノート/三浦アルプスの地図

「葉山の山歩きコース」付属地図の一部が一般公開されました!
↓こちらから無料でゲットできます。

スマホのGPSアプリを併用しよう!

三浦アルプスは山道が入り組んでおり、地図とコンパスだけでは、分岐点や進む方向を間違えやすい場所が多くあります。

道迷いを防ぐには、自分の現在位置を確認できるGPSアプリが強い味方になります。

スマホ用の「YAMAP」や「ヤマレコ」が利用できるので、事前にインストールして、三浦アルプスの地図を準備(ダウンロード)しておきましょう。

※昭文社の「山と高原地図」アプリでも、三浦アルプスの地図が載った「三浦・房総」が利用できるようになりました(2022年8月25日)。

下山口から最寄りの駅までの道順の確認には、「Googleマップ」がおすすめです。

現在地から目的地(駅・バス停)の経路を検索すれば、そこまでのルートと所要時間が表示されます。

トレッキングコース紹介

ここからは三浦アルプスの主なトレッキングコースを紹介していきます。

コース毎に別記事としてアップしますので、下記のリンクをクリックしてください。

1.仙元山~南尾根~乳頭山コース

2.阿部倉山~二子山~北尾根コース

3.二子山~森戸川源流~中尾根コース

補足

三浦アルプスが載っているガイド本

三浦アルプスのトレッキングコースが記載されているガイド本を載せておきます。

鎌倉&三浦半島 山から海へ30コース (改訂版)
東京新聞、樋口一郎 著(2019年11月20日発売)
Amazonで見る [改訂版]
湘南ハイク 鎌倉・逗子・葉山・横須賀・三浦の山歩き(新版)

山と溪谷社(2022年3月19日発売)
Amazonで見る

葉山町・山楽会「葉山の山歩きコース」 2023年度版

地元の「葉山・山楽会」が作成したガイドブックです。三浦アルプスの山域を9つに分けて、それぞれ、コースの詳細や道迷いポイントなどが細かく説明されています。
(付属地図:カラー地図A3=2枚/A4=2枚、詳細図7枚、標識図2枚)

↓こちらから購入できます(価格900円+送料180円)。
葉山まちづくり館ブックストア/葉山の山歩きコース

地図のサンプルは↓こちらで見られます。
ヤマレコ/ヤマノート/三浦アルプスの地図

~~~ コメント ~~~

  1. S.T. より:

    三浦アルプスの詳細な解説有難うございます。

    小生が会員となっている「葉山・山楽会」は山歩きを楽しむ地元の40人弱の集まりですが、20年ほど前から「葉山の山歩きコース」という小冊子(ガイドブック)を作って、希望者に有償頒布しています。内容については、小生が、ヤマレコのヤマノート(URLを以下に記します)に紹介しておりますので、ご参照頂ければ幸いです。

    https://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=2758

    ここに掲載しておりますように、三浦アルプス地域の詳細地図も作成して付けております。カラー地図は、葉山町が作成している1000分の1地形図をもとに、標高により色分けを施し、更に、登山路を落とし込んだもの(すべて手作業コツコツと仕上げたものです)で、登山地図としてかなり見やすいものになっています。

    また、本年度改訂を機に新しく作成して追加した、「森戸川源流エリア」を中心とした区域の消防標識の位置図は、道迷いが多いとされるこの領域で現在位置を特定するための有効なツールとなり、初めてここを歩く人が持参すれば道迷いの心配が大きく軽減されるのではないかと思っております。

    このウエブサイトには「トレッキングコースの地図」のところに4つの地図を紹介されておられますが、ここに、「葉山・山楽会」の地図も紹介して頂ければ、と思いコメントさせて頂きました。

    ご検討いただければ幸いです。

    • 鈴木ライト より:

      S.T.さん、コメントありがとうございます。
      地元の「葉山・山楽会」で「葉山の山歩きコース」というガイドブック+地図を作成しているんですね。
      三浦アルプスの山域を9コースに分けて、コースの詳細を紹介しているとのこと。
      しかも、2020年度改定版とは嬉しいです!
      とりあえず「葉山まちづくり館ブックストア」から入手してみます。

      • S.T. より:

        鈴木ライト様

        返信が遅れてしまいましたが、早速ご紹介くださいまして有難うございました。

        山を歩いていて道を聞かれることが良くあるのですが、地図を持たないで歩いている人も結構いるんですね。私たちの作った地図が、少しでも道迷いの防止に役立ってくれるよう祈っています。

    • 鈴木ライト より:

      詳細なガイドブックと地図「葉山の山歩きコース」のご紹介ありがとうございました。
      道迷いしやすいポイントが詳しく掲載されているので助かります。
      このガイドブックを持って行けば、道に迷うこともなくなりそうですね。
      もう少し暖かくなったら、まだ歩いていないコースを探索してみたいと思います。

      • S.T. より:

        鈴木ライト様
        新しいニュースです。「葉山の山歩きコース」の付属地図2種類(歩行時間記入カラー地図と消防標識および道標位置図)を一般公開すべく検討していましたが、この度公開の運びとなりました。「葉山・山楽会」のブログサイト(http://blog.livedoor.jp/hayamasangakukai/archives/2197226.html)から印刷可能な地図画像をダウンロードできます。これもご紹介頂ければ有り難いです。

  2. 鈴木ライト より:

    S.T.さん、ご連絡ありがとうございます。
    早速「葉山の山歩きコース」付属地図の一部が一般公開された旨、掲載しました。
    少しでも道迷い防止のお役に立てればと思います。