丹沢・表尾根~日帰りで楽しい稜線歩き#4(行者ヶ岳~塔ノ岳)

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行者ヶ岳付近の難所(下:クサリ場、上:崩壊地)

丹沢・表尾根(おもておね)の山行レポの続きです。

今回は、行者ヶ岳から塔ノ岳まで。表尾根の一番の難所を通過します。岩場、クサリ場、ヤセ尾根、崩壊地が連続するスリリングな場所を詳しくレポートします。

※諸事情により、行者ヶ岳の西峰の記述は、前回記事の最後から、今回の記事の冒頭へ移動しました。

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行者ヶ岳~政次郎の頭

12:00頃。行者ヶ岳を出発。いよいよ、表尾根の一番の難所を通過します。

行者ヶ岳から15-20分ほどの、政次郎ノ頭(まさじろうのあたま)までが、岩場クサリ場ヤセ尾根崩壊地が連続するスリリングな区間です。


行者ヶ岳の山頂を後にして登山道を下りていきます。

次のピークは行者ヶ岳の西峰。クサリ場を2箇所通過しますが、危険な場所ではないので問題ないでしょう。


1つ目のクサリ場を降りていきます。距離は2-3mほどです。


2つ目のクサリ場を降りていきます。こちらは5-6mほどあります。


そして、降りた分を登り返すと…開けたピークに飛び出ます。

行者ヶ岳の西峰


出ましたー!山頂標識はなく、山と高原地図にも記載されていませんが、ここが行者ヶ岳の西峰とされている場所です。

行者ヶ岳から4-5分で到着。行者ヶ岳と同じく山頂は狭いので、ゆっくり休憩することはできませんが…北~西方面(塔ノ岳方面)の展望はこちらのほうがいいですね。

行者ヶ岳山頂

振り返れば通過してきたばっかりの行者ヶ岳の山頂がすぐ近くに見えています。標高はこちらの西峰のほうが高いような気もします。

行者ヶ岳の西峰を後にします。


行者ヶ岳から3つ目のクサリ場。距離は2-3m。足場がないのでクサリをつかんで後ろ向きに降りていきます。

表尾根一番の難所(クサリ場)


4つ目のクサリ場。このクサリ場が表尾根一番の難所です。距離は14-15mぐらい。ほぼ垂直に降りる場所があり、足場が見えにくいので緊張するクサリ場です。

といっても距離はさほど長くもなく、高度感もそれほどではないので、三点支持での岩場の登下降ができれば問題ないレベルです。

ここは、土曜・休日はよく渋滞する場所です。降りる人がほとんどですが、登りの人がいたら、先に通してあげましょう。

このクサリ場は2段になっています。まずは1段目。距離は4-5m。クサリなしでも降りられますが、スリップした場合に備えて、クサリは補助的に掴んでおいたほうがいいでしょう。

なお、クサリが左右2本取り付けられているので、どちらに掴まるか迷いますが、降りる場合は左のクサリを利用したほうが降りやすいと思います。

そして2段目です。2-3m先でほぼ垂直に下降します。足場が見えにくいので要注意!

左側のクサリを軽く掴んで、左右のクサリの間を足場を確認しながら、三点支持でゆっくり降りていきます。


2段目を降りて下から見あげたところ。登りの場合は足場が見えるので問題ないでしょう。


クサリ場の次は斜めになった丸太のはしごを慎重に降りていきます。

写真ではわかりにくいですが、1段目のはしゴが傾斜しているので降りにくいんです。後ろ向きでゆっくりと!スリップに注意!

表尾根最大の崩壊地


そして、表尾根最大の崩壊地が目の前に現れます。開けた場所で景色はいいんですが…両側が切れ落ちいています。足場も悪くて、かなり、スリリングな場所です。

風が強い日は特に注意!周囲に遮るものがないので、風で体が煽られて、バランスを崩すと危険です!

ここは一気に通過したほうが安全ですね。手前で充分に休憩をとってからスタートします。

まず、鉄棒で手すりが取り付けられた木道・木段を通過します。


次に、急傾斜のザレ場へ突入します。登山道は鉄の杭とロープで囲まれていますが、急傾斜な上に足場ももろいため、スリリング、かつ、体力を消耗する登りです。

危険地帯なので一気に通過していきましょう。やむを得ず立ち止まる場合は、鉄の杭につかまって体をささえるといいでしょう。


急傾斜のザレ場を通過して振り返ったところ。

今まで歩いてきた、三ノ塔、烏尾山、行者ヶ岳の山頂が確認できます。


ザレ場を抜けると長い木段が続きます。ここからはゆっくり歩いても大丈夫。

この木段を登りきったところが政次郎の頭です。

政次郎ノ頭と政次郎尾根(エスケープルート)


行者ヶ岳の西峰から約15分。政次郎ノ頭(まさじろうのあたま)に到着。ここから先は危険な場所はないので、後は体力勝負です。

左手の少し高くなった場所が政次郎ノ頭です(上の写真には写っていません)。登山道は右からまき緩やかに下ります。

今回は通りませんが、この先の政次郎尾根(まさじろうおね)利用して、戸川林道の終点近くの戸沢(とざわ)へ下山することができます。


この標識のある場所が政次郎尾根の入り口。政次郎ノ頭からほんの少し下った所にあります。戸沢までは下り1時間、戸沢から大倉までは、さらに1時間45分の林道歩きになります。

戸川林道へ降りる登山道は、この先にもう一つ書策新道がありますが、道が不明瞭なためエスケープルートとして利用するならここが最後です。

塔ノ岳はここから1時間10分ほどの距離。ここまできたら、塔ノ岳まで行ってしまいたいところですね。

書策小屋跡~新大日~木ノ又大日

書策小屋跡


政次郎ノ頭から少し下り、比較的に緩やかな道を登って約10分。テーブルとベンチが置かれた広場に出ます。


登山道を挟んだ向かい側は、現在、登山道の整備用の材木置き場になっています。

ここは、かつて書策小屋(かいさくごや)という山小屋が建っていた場所です。書策新道(かいさくしんどう)の下り口もあります。

書策小屋は書策新道を開いた渋谷書策(しぶやかいさく)さんが建てた山小屋で、2003年夏頃までは営業していたらしいのですが今は跡形もありません。

以前(2008年2月)に撮った写真がありましたので載せておきます。

書策小屋(2008年2月撮影)

↑クリックすると拡大します。

この頃はすでに営業はしていなかったはずですが、扉が開いていて踏み跡もあったので、休憩所として利用している人がいたのでしょう。

書策新道


この辺が書策新道(かいさくしんどう)の下り口です。写真では全くわかりませんね。(^_^;

以前は標識が立っていたんですが現在は何もありません。知らない人は全く気が付かないでしょう。

書策新道は廃道になったとの情報もあるんですが、2018年版の山と高原地図では現在も破線コース(難路)で記載されています。

私は2007年7月に一度だけ下った事があります。登山道は不明瞭な場所がありますが、沢あり、滝ありと、面白いコースでした。

表尾根から大倉方面へ下る登山道は他にもあります。しかし、ほとんどが樹林帯の中、退屈なコースなので、もう一度歩いてみたいのはこの書策新道だけなんですが…

書策新道は、現在(2018年3月)、本谷沢付近に、崩落のため通行困難な場所があるようです!知らない人は立ち入らないように!

 


書策小屋跡から次のピーク、新大日へ向かいます。登り20分の距離です。ガレた長い道を登って行きます。


このガレ場の登りはキツイですが…展望がよく、振り返ると三ノ塔~烏尾山~行者岳~書策小屋跡と、今まで歩いてきた山々が見渡せます。

途中何度も立ち止まり、振り返って見てしまいます。キツイので…(^_^;


そして長い木段を登ります。この木段を登りきったところが新大日です。

新大日


12:40頃。新大日(しんだいにち)に到着。平坦な広場にテーブルとベンチが設置されています。

ここまで来れば塔ノ岳まではあと40分。キツイ登りは、最後の塔ノ岳直下だけなので一安心です。

新大日と木ノ又大日の由来
新大日(しんだいにち)という名前は、昔、ここに大日如来像が安置されたことに由来します。最初に、ここより少し塔ノ岳よりの木ノ又大日(きのまただいにち)の山頂のブナの木に、修験者が大日如来像を安置しました。その後、今の新大日の山頂にも同じように大日如来像を安置したことから、その名がついたといわれています。
出典:秦野の旬な観光情報/新大日


広場の向かい側に建っているのは新大日茶屋(しんだいにちじゃや)。以前は週末と休日のみ売店を営業していたようですが、今は完全に廃屋になっています。


広場の東側に続く登山道は、札掛方面へ下る長尾尾根(ながおおね)の下り口です。

長尾尾根(ながおおね)
札掛方面から表尾根につながる、なだらかな尾根です。札掛付近は公共交通機関もなくアクセスが不便なため、歩く人は少ないです。マイカーがあれば、札掛から前回ブログで紹介したヨモギ尾根を登って、この長尾尾根を下るという周回コースがとれますね。


表尾根へ続く登山道は広場の西側。新大日茶屋の右側の木道を下って行きます。


比較的ゆるやかな登山道+木道のアップダウンが続きます。

木ノ又小屋


新大日から12-3分ほどで、木ノ又小屋(きのまたごや)へ到着。表尾根の山小屋で現在も営業しているのは、塔ノ岳の尊仏山荘以外ではここだけです。

週末営業で素泊まりのみ、店員24名の小さな山小屋ですが、コーヒー、カップヌードル、カレー等の軽食も販売しています。


小屋前の広場は芝生になっていて、テーブルとベンチが置かれています。思わず休憩したくなってしまう場所ですね。


木の又小屋からは、さらに、比較的に緩やかな木道を登って行きます。

木ノ又大日


木ノ又小屋から2-3分。木道を登り切ったところが、木ノ又大日(きのまただいにち)です。

ここは標識だけで休憩できるスペースはありません。


木ノ又大日をすぎると暫く緩やかなアップダウンが続きます。


木ノ又小屋から7-8分。崩壊地にさしかかります。

木道、木段でしっかり整備されているので危険はありませんが、雨上がり等で濡れているとスリップしやすいので慎重に!


崩壊地を抜けて一登りすると開けた場所に出ます。眼の前に見えるのが塔ノ岳の山頂。尊仏山荘も確認できますね。


登山道の両側に木々が立ち並び、自然のトンネルのような場所を通過します。

今はすっかり葉が落ちてしまってますが、春や秋頃には気持ちのいいお散歩道です。


そして、ヤセた尾根を通過すると尊仏山荘がだんだんと近づいてきます。


最後のガレ場です。ここを登りきれば塔ノ岳の山頂なんですが…最後の登りがキツイし…意外と長い…


一旦、開けた場所にでます。尊仏山荘が間近に見えてきましたー。

あと一息!

塔ノ岳山頂


13:25頃。塔ノ岳の広い山頂の南端に到着しました。

蓑毛バス停を出発してから約6時間。標準コースタイムは5時間20分(ヤビツ峠からは4時間5分)なので、休憩時間を入れるとほぼコースタイム通りでしょう。

山頂の周囲に転がっている材木は、崩壊防止用に設置されているものですが、南側はだいぶ崩れてきてしまっています。

塔ノ岳の由来
山名は、かつて山頂にあった巨石「尊仏岩」が「お塔」言われ、雨乞いの神として地元の人々に親しまれたことによります。その尊仏岩ですが、残念ながら関東大震災の折に崩れ落ちてしまいました。現在、その山頂には拘留孫仏(狗留尊仏)の石祠があります。
出典:秦野の旬な観光情報/塔ノ岳

相変わらず、360度の展望が素晴らしいですね。ここが、広い山頂の中心部。「塔ノ岳山頂 」と書かれた立派な山頂標識が建っています。

山頂標識の左側には富士山が見えていますが、今日はちょっと雲が多いですね。雲がなければ、富士山の右側には南アルプスの山々も眺められるのですが…


山頂標識の隣には、仏像2体と3つ石碑が置かれています。祀られているのは、拘留尊仏如来(くるそんぶつにょらい)です。

行者ヶ岳の山頂にあった石碑と同様に、丹沢とゆかりの深い東光院秦野山岳協会が、安全登山を祈願して設置したもののようです。

ここでは毎年5月に尊仏祭という行事が行われ、登山者の安全祈願とお神酒が振る舞われるそうです。

拘留尊仏(くるそんぶつ)とは
過去七仏の第四。現在の世界が成立安定して続く時代に現れる千仏の第一仏とされる。

拘留孫仏と漢字表記されることが多いようですが、もともとはサンスクリット語なので漢字は当て字なんでしょう。
過去七仏(かこしちぶつ)とは
釈迦仏までに(釈迦を含めて)登場した7人の仏陀をいう。古い順から、毘婆尸仏(びばしぶつ)、尸棄仏(しきぶつ)、毘舎浮仏(びしゃぶぶつ)、倶留孫仏(くるそんぶつ)、倶那含牟尼仏(くなごんむにぶつ)、迦葉仏(かしょう)、釈迦仏
出典:ウィキペディア/過去七仏

 


山頂の北側には通年営業の尊仏山荘(そんぶつさんそう)が建っています。

左側に見える山並みは不動の峰と、丹沢の最高峰である蛭ヶ岳(ひるがたけ、1673m)です。丹沢の名前がついた丹沢山(たんざわさん、1567m)は尊仏山荘の裏側の位置になります。

その手前にあるのは方位盤ではなく日時計です。昭和40年、丹沢が国定公園に指定されたのを記念して設置されたとの事。ちなみに製作はシチズン時計と記されていました。

方位盤は、山頂標識の左側にあるんですが…気が付かない人も多いんじゃないでしょうか…

(私も今回は写真を撮り忘れてしまいました…^_^;)

なぜかというと…

塔ノ岳の方位盤(2018年3月撮影)

上の写真に左下にあるのが方位盤です。現在、土台が崩れてしまって、地面の上に直接おかれている状態です。

塔ノ岳の方位盤(2018年3月撮影)

方位盤を上からみた写真。

土台があった頃(2014年4月)の写真を載せておきます。この頃すでに土台が崩れかけていて、方位盤が斜めになっていますね。

塔ノ岳の方位盤(2014年4月撮影)

↑クリックすると拡大します

尊仏山荘


こちらが通年営業の尊仏山荘(そんぶつさんそう)。塔ノ岳山頂からの夜景が眺められ、夕食のカレーも旨いと評判の山小屋です。左側の建物がトイレです。手洗い場もあります。

私は宿泊したことはありませんが、天候が悪化した時や強風時には休憩所として利用させてもらってます。軽食はカップヌードルぐらいしかありませんが…

休憩で利用する時は1品注文してください。一番安いのは300円のお茶で、急須に煎れたお茶と湯呑のセット。コーヒーは400円で、砂糖+クリーム付き。
尊仏山荘の詳細はこちら↓
尊仏山荘の公式サイト

塔ノ岳の三角点?


尊仏山荘の右側。金網で囲んである中に、三角点?のような石標が設置されています。

塔ノ岳の三角点は、国土地理院の基準点成果では「亡失」扱いになっているのですが…ネット上の記事では、これが塔ノ岳の三角点だと記載しているものもあります。

今回これが、これがほんとうに三角点なのか?確認しようと思ったんですが…


少し近寄ってみますが…表面の文字は読み取れません。

石標の裏側になにか文字が刻まれているのかもしれませんが…金網で囲まれているので、これ以上近づけず確認できませんでした。

不動の清水


塔ノ岳山頂近くには、不動の清水(ふどのしみず)と呼ばれる水場もあります。尊仏山荘の南側から、ユーシン・玄倉とへ降りる登山道を300mほど降りたところです。

往復すると20-30分かかるので、今回は寄りませんが…以前撮った写真を載せておきます。

不動の清水(2016年3月撮影)

↑クリックすると拡大します

相模湾の眺め


こちらは塔ノ岳山頂の南側。ここから相模湾を見下ろす展望も素晴らしい。

山頂から海が見えるのも塔ノ岳の魅力の一つです。

今日は午後からガスってきてしまいましたが、晴れて空気が澄んでいる時には、相模湾の向こうに、大島伊豆七島まで見渡すことができるんですねー。


南東方向は、今日歩いてきた、表尾根の稜線(三ノ塔~烏尾山~行者ヶ岳~政次郎の頭~新大日~木ノ又大日)も見渡せます。

日の出山荘の跡地


そういえば、塔ノ岳の南端には以前、日の出山荘(ひのでさんそう)という小さな山小屋が建っていましたね。今ではこんなところに山小屋が建っていたなんて、信じられないくらいですが…確かに建っていました。

2013年3月頃に解体されてしまったようですが…↓こんな山小屋でした。

日の出山荘(2011年9月撮影)

↑クリックすると拡大します

さーてと、そろそろ下山することにしますかー。

下山路は大倉尾根を下って大倉バス停へ。下り2時間20分のコースです。

登りはほとんどありませんが(少しはあります)、階段が多くて、膝に負担がかかるコースです。下りも楽ではありません。(^_^;

[続く…?]

 

 

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