早咲きの河津桜(かわづざくら)は静岡県の河津町が有名ですが、丹沢(神奈川県)にも河津桜が見られる場所があったんですね!(知らなかったぁ~)
そこは、小田急線新松田駅から徒歩15分。松田山の斜面に広がる西平畑公園(にしひらばたけこうえん)です。
冒頭の写真は、西平畑公園の中でも富士山の眺めが良い場所で、関東富士見百景にも選定されています。(富士山は写っていませんが……もうちょっと右の方向ですね)
2023年2月23日、松田山(西平畑公園)から、近くの高松山(富士山の眺めが良い山)までのハイキングコースを歩いてきました。
濃いピンク色の河津桜と、黄色い菜の花が満開でした。
松田山と高松山について
松田山(西平畑公園)と河津桜
松田山(568m)は丹沢山塊の前衛の山です。
昭文社「山と高原地図」に山名は載っていませんが、松田山の中腹にある西平畑公園(にしひらばたけこうえん)の河津桜とハーブガーデンが有名です。
西平畑公園の上部にある芝生広場(展望が良い場所)が松田山の山頂だと思っている人が多いかもしれませんが、松田山の山頂はもっと上部(北方向)にあります。
(松田山(西平畑公園)~高松山コースマップを参照)
なお、今回は松田山の山頂には登っていません。
関連サイト:
西平畑公園 公式ホームページ
河津桜とは
静岡県河津町が発祥の早咲きの桜です(1月下旬~3月上旬にかけて咲く)。
ソメイヨシノに比べてピンク色が濃いのが特徴で、開花期間が長く、1カ月近く見頃が続きます。
発見されたのは昭和30年頃、その後の調査で新種の桜と判明し、昭和49年に「河津桜」と名付けられました。
河津桜の原木
以下の写真は静岡県河津町に現存する「河津桜の原木」です(2018年2月撮影)。
「河津桜原木物語」という立て看板に、河津桜の発見の経緯が記載されています。
内容は次の通りです。
昭和30年頃の2月のある日、この家の主人であった飯田勝美氏が、河津川沿いの冬枯れの雑草の中で芽吹いていた1メートル位に育った桜の若木を偶然見つけて庭先に植えたのが始まりでした。
約十年後の昭和41年1月下旬、やっと花が咲き始めました。同年4月、主の勝美氏は花が咲くのを見届け永眠しました。
その後きれいに咲く桜を見て譲ってほしいという話もありましたが、思い出の桜のため手放さなかったそうです。
当時、この家の屋号からこの桜は「小峰桜」と呼ばれて親しまれていました。
その後の調査で新種の桜とわかり、昭和49年に河津で生まれた桜であることから「河津桜」と命名され、昭和54年4月に河津町の木に指定されました。
(飯田ひでさん談)
まつだ桜まつり
丹沢の麓、松田町で河津桜が咲く頃(2月中旬~3月中旬まで)、西平畑公園で各種展示会やイベントが開催されます。
期間中はJR松田駅北口から会場までシャトルバスが運行しています(大人160円、小人80円、幼児無料)。
なお、西平畑公園には入園料が必要です(大人300円、6歳以上18歳未満100円)。
詳細は、松田町公式ホームページを参照のこと。
第24回まつだ桜まつり – 松田町公式ホームページ
※開花状況も確認できます。
高松山
高松山(801m)は、松田山の北西に位置する丹沢山塊の前衛の山です。
山頂は広く富士山や相模湾の展望が良い山で、こちらは「山と高原地図」や各種ガイド本にも載っています。
ただし、高松山へのコースは舗装路が多く、山道歩きが少ない点がマイナスです。
コース概要
スタートは小田急線/新松田駅。
松田山(西平畑公園)の河津桜を見学後、最明寺史跡公園~尺里峠(ひさりとうげ)を経て高松山に登ります。
帰りはビリ堂経由でJR御殿場線/山北駅へ下山します。
標準コースタイムは以下の通りです。
コース | 標準コースタイム *1 |
---|---|
新松田駅→松田山(西平畑公園) | 約15分 |
松田山(西平畑公園)→最明寺史跡公園→尺里峠→高松山 | 約3時間30分 |
高松山→ビリ堂→山北駅 | 約2時間10分 |
合計 | 約6時間00分 |
*1 昭文社「山と高原地図」のコースタイム(休憩時間なし)
危険な場所はありませんが、松田山(西平畑公園)から高松山までは距離が長く、舗装路歩きも多いです。舗装路の長い登りは結構疲れますね。
交通アクセス
公共交通機関利用
行きは小田急線/新松田駅から徒歩(西平畑公園までは約15分)。
※「まつだ桜まつり」の期間中には、JR松田駅の北口からシャトルバスが運行しています。
9時30分~16時00分の間で30分間隔(料金は大人160円、小人80円)。
行き | 小田急線/新松田駅から徒歩 |
帰り | JR御殿場線/山北駅→(2駅)→松田駅→(徒歩1分)→小田急線/新松田駅 |
帰りはJR御殿場線/山北駅から松田駅方面に乗車して松田駅で下車。徒歩約1分で小田急線/新松田駅に乗り換えられます。
※山北駅から新松田駅行きのバスが発着しているので、タイミングが合えばバスの利用も可能です。
マイカー利用
松田山への往復なら、東名高速「大井松田IC」より約5分。西平畑公園上部にあるバーブガーテン駐車場(65台)が利用できます(駐車料金1000円)。
※まつだ桜まつり期間中は混雑するため、土日祝日は公共交通機関を利用したほうが無難です。
新松田駅~西平畑公園
ここからは、今回の山行(ハイキング)レポートです。
新松田駅から西平畑公園までの道順、西平畑公園の河津桜、高松山までのコースと山頂の様子などを紹介していきます。
【日程】2023年2月23日(木)祝日
【天気】曇りのち晴れ
【メンバー】3名(私、T氏、Y氏)
新松田駅~西平畑公園までは徒歩約15分。
上の図に一番わかりやすい道順を赤矢印で書いておきました。
ここは、小田急線新松田駅(北口)の改札を出た所。
すぐそばにタクシー乗り場とバス乗り場があります。
8:30頃に出発。
松田山(西平畑公園)へは、新宿方面に少し戻り、北東方向に見えるJR御殿場線のガード下を抜けていきます。
まつだ桜まつり期間中なら、会場まで看板が設置されているのでわかりやすいですね。
東名高速道路の下をくぐれば、もうすぐです。
西平畑公園
8:45頃、西平畑公園に到着。
こちらが、まつだ桜まつり会場の入口です。
受付が設置されているので、ここで入園料(大人300円)を支払います(交通系ICカードなどでもOK)。
公園内に入り階段状の遊歩道を登って行くと、さっそく、満開の河津桜が出迎えてくれました。
河津桜の間を埋めるように植えられた黄色い菜の花も満開です!
河津桜のピンク色と菜の花の黄色のコントラストがキレイですね。
こちらは、公園内のハーブガーデンに隣接されたハーブ館です。
展望レストランや売店がありますが、今回ここへは寄っていません。
こちらは「太陽のすべり台」。西平畑公園で楽しめるアトラクションの1つです。
こちらは、西平畑公園上部にある芝生広場です。
中央に「スカイウィング」と呼ばれるブランコが設置され、絶好の撮影スポットになっています。
休憩用ベンチ(20個ぐらい)も設置されているので、ゆっくりと景色を楽しめますね。
こちらは、「子どもの館」と中に展示してあった「つるし雛(つるし飾り)」です。
感染症対策のため中には入れません。外から鑑賞するだけでした。
たしか、静岡県河津町でも「つるし雛」がお土産として販売されていましたね。
河津桜と一緒に、伝わってきたものでしょうか?
芝生広場のあちこちに設置されていたオブジェたち。4つ目はおまけ(お掃除小僧?)です。
芝生広場から少し登ったところに人が並んでいたので何かと思ったら、「ふるさと鉄道」というアトラクション(ミニ鉄道)の乗車駅がありました。
実物の1/6スケールの蒸気機関車と小田急のロマンスカーが走っているとのこと。
タイミングが合わず、列車は見られませんでしたが、子供が楽しめそうなアトラクションがたくさんありますね。
西平畑公園~高松山
さて、西平畑公園から高松山までは、かなり距離があるので、公園見学はほどほどに出発します。
次の目的地は最明寺史跡公園です。
樹木や野鳥が観察できる「自然館」を過ぎたところの分岐を左へ進みます。
直進(右方向)すると「あぐりパーク嵯峨山苑」へ向かう道なのでご注意を。
コキアの里
最明寺史跡公園の分岐を過ぎると、やっと山道になってきました。
この辺は「まつだ コキアの里」と呼ばれています。
コキア(ホウキギ)とは、マリモを大きくしたような丸い形をした植物で、普段は緑色ですが秋になると真っ赤に紅葉します。
こちらは、コキアのキャラクターですね。
緑色のコキアが「コッキー」で、赤色のコキアが「アッキー」です。
コキアの里にある休憩所。「コキア亭」という売店も営業しています。
関連サイト:
コキアの里に行こう! | 松田観光ガイド
※2022年11月でコキアは終了してしまったようです。現在はネモフィラがメイン?
コキアの里を抜けると、再び舗装路になります。
最明寺史跡公園まではほぼ登りで、けっこうきつかったです。
最明寺史跡公園
舗装路をしばらく歩き(40分ぐらい)、この分岐を左に下ると最明寺史跡公園です。
ちなみに、松田山へ向かう場合は、ここを右方向に登っていきます。
10:30頃。コキアの里から約40分、最明寺史跡公園に到着しました。
お寺の名残のようなものはほとんどなく、広くて気持ちの良い場所でした。
ベンチとテーブルが設置された芝生の広場もありました。
今はほとんど枯れていますが、4月上旬になるとソメイヨシノなど、春の花がたくさん咲き乱れるとのこと。
ここで花見&宴会するのも良さそうです。近くに公衆トイレがあるので安心ですね。
関連サイト:
最明寺史跡公園 | 松田観光ガイド
最明寺史跡公園の北側斜面から見下ろしたところ。
ここから尺里峠へは、最明寺史跡公園の北側の斜面をジグザグに登って行きます。
最明寺史跡公園から約30分、一旦、民家が建つ場所まで下りてきます。
この辺は一般道が交差していて、道がわかりにくいので、標識を見落とさないように注意が必要です。
「第六天(尺里峠)、高松山」方面に進みます。
この標識に注意!
「尺里」の方向が左へ進む平坦な一般道を指していますが、左斜めに登って行くのが正解です。
(この標識には第六天(尺里峠)、「高松山」の記載なし)
ここからは、再び登り道になります。
尺里峠(ひさりとうげ)
11:40頃、最明寺史跡公園から約60分、尺里峠(ひさりとうげ)に到着。
標識には「第六天」と書いてありました(第六天のピークはもう少し東のはず?)。
それにしても、「尺里」という漢字は読みにくいですね。何回覚えてもすぐに忘れてしまう。(泣)
この記事にはすべて、ふりがなを振っておきましょう。(笑)
高松山へはこの階段を登って行きます。
(階段の左側に仮設トイレが2個設置されていました。)
階段を登ると、本格的な山道が始まります。
尺里峠から高松山までは50分ほどですが、ところどころ「富士見台」や「桜平」など、ベンチが設置された場所がありました。
休憩するのにちょうど良い場所ですね。
高松山山頂直下の急坂です。
男坂(左)と女坂(右)に分かれているので、左の男坂を登ります。
男坂を登って行くと、樹林帯から抜けて、目の前に青空が広がってきました。
この階段を登り切れば山頂ですね。
高松山の山頂
12:40分頃、高松山の山頂へ到着しました!
男坂から登ってくると、正面(南西方向)には富士山が見えますね!
(山頂部は雲で隠れていましたが…)
振り返ると(南東方向)、麓の街並みや相模湾が見渡せます。
こちらが山頂付近の様子です。
平坦で広く、真ん中付近にテーブルとベンチが1組だけ設置されています。
山頂標識は山頂の北側、奥の方に設置されていました。
雲はかかっていますが、そこそこの天気に恵まれ、2月とは思えない暖かな陽気です。
山頂に集まった登山客の楽しげな会話も聞こえてきます。
我々も、山頂の真ん中付近にレジャーシートを敷いて、しばらく休憩タイム!
今回は日本酒とつまみを持ってきたので、ちょっとした宴会気分です。
下山する頃には、すっかり酔っ払ってしまいました (笑)。
(近くにトイレはないので、水分の取りすぎは注意です!)
下山:高松山~山北町駅
14:15頃、下山開始。
下山はビリ堂経由でJR山北駅まで下りて行きます。
ビリ堂
高松山山頂から約20分でビリ堂へ到着。
ビリ堂の名前の由来は「ビリ(最後)」の意、(この地区の?)最後にある観音堂のため、ビリ堂と呼ばれているそうです。
なお、ここには「ビリ堂水(別名:修験いこいの水)」と呼ばれる岩清水が引かれていたようですが、付近には見当たりませんでした。
(ネット上に水道の蛇口が設置されているという情報があるので、近くにあるのでしょう)
道を間違えた場所
ビリ堂からの下山途中、道を間違えてしまった場所があったので紹介しておきます。
上の写真の林道と交差する場所です(写真①)。
林道と交差する手前にあった「ハイキングコース」という看板が、林道方向を指していたので、林道を進んでしまいました。
10分ほど歩いた地点で「どうもおかしい?」と気付いて引き返しましたが、実は林道の向かい側に登山道がありました(写真②)。
登りの場合は間違えないと思いますが、下りでは間違いそうな場所なので気を付けてください。
仮設階段エリア
ビリ堂から約60分(途中、道を間違い20分ほどロス)、だいぶ山を降りてきました。
正面に見えるのは、新東名高速道路(建設中)です。
新東名高速道路の建設工事のためか、このような仮設階段の上り下りがしばらく続きます(10分ほど)。
意外と高度感があって、アップダウンも激しいので、けっこう疲れました。
やっと仮設階段を抜けました。
ここから、JR山北駅までは長い舗装路歩きです(約40分)。
16:30過ぎ、JR御殿場線/山北駅に到着しました。
本日のハイキングはここで終了です。
お疲れさまでした!
ここから松田駅方面の電車に乗り、2つ目で下車(約10分)、松田駅で進行方向の改札を出ると、すぐ目の前が小田急線/新松田駅になります(約1分)。
あとがき
8時30分頃に出発したので、所要時間は合計約8時間でした(休憩時間は約2時間)。
手軽なハイキングではなく、ガッツリ歩いた感じです。
やはり、松田山(西平畑公園)~高松山までのコースが予想以上に長かった。
しかも、半分ぐらいは舗装路歩き……
足裏へのダメージも大きく、久しぶりに豆ができてしまいました。(泣)
でも、十分に楽しめたのでOK!
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