燧ヶ岳テント泊レポの続き(2日目/前半)です。
2日目は天気に恵まれ、燧ヶ岳へ向けて意気揚々と出発しましたが…
途中で下痢に襲われて、冷や汗タラタラの山歩きになってしまいましたー。
尾瀬沼キャンプ場の朝
翌朝5:00頃。雨は止んでいました。\(^o^)/ 辺りはもう明るくなってきています。
トイレへ行ったついでに尾瀬沼のほうまで行ってみました。
尾瀬沼の表面に、朝もやがかかっていて幻想的な雰囲気です。
テント場は樹林に囲まれているので、天気がわかりにくかったんですが、この分なら今日は晴れそうです。
おー、燧ヶ岳!
昨日は見えなかった燧ヶ岳の姿が、朝もやの尾瀬沼の向こう側にはっきりと見えます。
なんて、幻想的な風景なんでしょう!
これから、あの山に登るんだと思うと、ワクワクしてきますね!
朝食
テントへ戻って朝食にします。
朝食のメニューはガーリックトーストとソーセージとカップスープ。
フランスパンのスライスをミニロースターで片面を1~2分軽く焼きます。
裏返してチューブのガーリックバターを焼いた面に塗ってもう1~2分焼くだけ。
我々はやってしまいました!
ガーリックトースを作っている間に、ジェットボイルでソーセージを茹でます。
ソーセージが茹であがったら茹でたお湯でスープを作ります。
食後はいつものようにドリップバッグの珈琲。
珈琲を飲みながら今日の登山ルートを確認します。
予定では、長英新道から燧ヶ岳へ登って、ナデッ窪コースを下る往復8時間のコースでしたが、燧ヶ岳の山頂で見晴新道を下るコースに変更…
これが大失敗! その話は後のほど。
尾瀬沼~燧ヶ岳
7:00頃。準備を整えて燧ヶ岳へ向けて出発します。
キャンプ場入り口近くのトイレで一旦停止。
燧ヶ岳の登山ルートには、途中トイレがないのでここで済ませておきます。
途中水場もないので、ここで水を汲んで行きます。
大江湿原
まずは大江湿原を北方面へ進みます。天気は上々。気持ちのいい湿原を歩いて行きます。
左手方向には燧ヶ岳の3つのピークが見えます。
右から俎嵓(まないたぐら)、御池岳(みいけだけ)、アカナグレ岳です。最高峰の柴安嵓(しばやすぐら)は御池岳の後ろに少しだけ頭を覗かせているようです。
大江湿原を4-5分歩くと、燧ヶ岳方面へ向かう道が左に別れます。
まっすぐ行けば沼山峠。ここは左の道を行き、今度は燧ヶ岳を正面に見て歩きます。
まもなく樹林帯へ入り、獣害防護柵が設置された場所を通過します。
やたらと看板が目立つ場所ですね。
長英新道
7:25頃。出発してから約25分。長英新道の分岐点に到着しました。
分岐点の標識が地面に落ちていたので、見逃しやすいかもしれません。
ちなみに、落ちていた標識には「長英新道経由 燧ヶ岳(俎嵓)4.5km」と書かれています。
ここから、暫くぬかるんだ道を進みます。
8:10頃。俎嵓の1合目に到着。ここから、俎嵓の頂上(10合目)まで、1合目~9合目の標識が設置されていました。
長英新道の分岐点から約45分。これだけ歩いてまだ1合目?…一瞬、疑問に思いましたが…
長英新道の分岐点からしばらくは平坦な道が続いたので、距離は歩いたけど標高はあまり上がっていなかったんですね。
●1合の標高差=約68m
尾瀬沼(1660m)から俎嵓(2346m)の標高差は686mなので、これを10で割れば、1合の標高差になります。
●1合のコースタイム(平均)=約24分
長英新道から俎嵓の頂上までのコースタイムは約4時間(240分)なので、これを10で割れば、1合の平均コースタイムが計算できます。
8:30頃。俎嵓の2合目を通過。1合目からは2合目までは約20分。
1合の平均コースタイムが24分なので、いいペースでしょうか。
2合目の標識は木の根元付近。見にくい場所に設置されていました。これでは、見逃してしまう人も多そうですね。
登山道の傾斜は徐々にきつくなってきます。
9:00頃。俎嵓の3合目を通過。2合目からは3合目までは約30分。
ちょっと時間がかかってしまいましたが、おそらく途中で10分程の休憩をとったからでしょう。
3合目の標識は階段場の土止板の真ん中。必ず視線に入る場所なので、見逃すことはないでしょう。
◯合目の標識を見つけるのが、楽しみになってきました!
9:15頃。俎嵓の4合目を通過。3合目からは4合目までは約15分。
4合目の標識は3合目と同じく階段場の土止板ですが、草が覆いかぶさってちょっと見にくいかもしれません。
登山道の傾斜はかなりつくなってきました。
9:30頃。俎嵓の5合目を通過。4合目からは5合目までは約15分。
5合目の標識は斜めになった倒木に設置されていました。登ってくるとちょうど視界にはいる場所ですね。
この辺は岩がゴロゴロしたガレバのような溝を通過していきます。
9:50頃。俎嵓の6合目を通過。5合目からは6合目までは約20分。
6合目の標識は地面に張り出した木の根っこ。位置が低いし草に隠れそうなので見逃してしまうかも?
9:55頃。6合目を過ぎてまもなく、少し開けた平坦な場所へ出ました。
ここで10分ほど休憩していきます。
見上げると、樹林の隙間に爼倉の山頂が見えました。
長英新道へ入ってから、はじめてみる燧ヶ岳。まだまだ遠そうです。
下痢と雉撃ち①
実は6合目付近で、急にもよおしてきまして…トイレへ行ってきました。
トイレといってもこんな山中に、そんな施設があるわけではありません。いわゆる雉撃ち(キジウチ)というやつです。女性の場合はお花摘みといいますね。
なるべく平坦で、身を隠せそうな場所までガマンします。
トイレに行ってくるー!
と友人に声をかけて、登山道から離脱します。草をかき分けて…落ち着けそうな最適地を探して…登山道から見えないことを確認して…
あー、スッキリした!
慣れないと抵抗があるもんですが…慣れちゃうと意外と気持ちいいもんです!
この時は、下痢だとは思ってなかったので、まさか、その後に2回も行くことになるなんて…
ミノブチ岳
10:30頃。急な木段を登りきると、赤土のこんもりした、開けた場所に出ました。
ミノブチ岳の山頂です。標識はありません。
ここで一気に視界が開け、北側に俎嵓が間近に見れるようになります。
上の写真の左側に見切れているのが御池岳(みいけだけ)。
南側には尾瀬沼が見下ろせます。
10:40頃。俎嵓の8合目を通過。
あれっ!7合目は???
注意して登ってきたつもりだたんですが、7合目は見逃してしまったようです。
悔しいーです!
8合目の標識は、長英新道の標識の下のほうに括り付けられていました。木の葉で隠れそうな場所です。
登山道は御池岳の東側斜面を通りますが、御池岳の山頂への登山道はありません。
御池岳と俎嵓の鞍部まできたところ。左側に燧ヶ岳の最高峰・柴安嵓が見えてきました。
振り返ると尾瀬沼と、さっき通過したミノブチ岳の山頂が小さく見えています。
ミノブチ岳に到着した時は、山頂というよりも広場のような場所だと思ったんですが、ここから見ると山頂らしく見えますね。
もう少し登ると柴安嵓の裾野に尾瀬ヶ原と、その先に至仏山も見えてきました。
11:00頃。俎嵓の9合目を通過。
9合目の標識は、急登の岩場に張り付いたような、木の枝に設置されていました。ここは視界にはいりやすい。
ここからは、岩の急斜面を登ります。山頂はもうすぐですが、ここからがキツイ。尾瀬沼や至仏山方面の景色を見ながらゆっくり登ります。
燧ヶ岳(俎嵓~柴安嵓)
俎嵓(まないたぐら)の山頂
11:20頃。尾瀬沼を出発してから4時間20分。
俎嵓の山頂に到着しましたー!
岩を積み重ねたような山頂です。平らな場所がほとんどないので、ここで休憩するのはちょっとキビシイか?
ここが俎嵓の最高地点。石で作らてた小さな祠が幾つか設置されています。
右下に写っているのが三角点。俎嵓の山頂はトンボがたくさん飛んでいました!
もう、トンボだらけといっていいでしょう!
いままで登ってきた登山道では、あまり居なかったようですが…
何故、山頂だけ、トンボが…?
山頂からは360度の大展望が広がります。
南側を見下ろすと尾瀬沼。ミノブチ岳の山頂も見えます。尾瀬沼の先に奥日光の山々。
日光白根山や男体山が見えるはずですが、今日は雲に隠れて見えません。
北側には百名山の一峯である会津駒ケ岳とそこへ続く稜線が見えますね。
会津駒ケ岳は、頂上付近の駒の池周辺に湿原が広がる美しい山として人気があるようです。
そして、西側には燧ヶ岳の最高峰・柴安嵓が目の前にそびえ立っています。
俎嵓~柴安嵓
柴安嵓までは約20分。一旦40-50mほど下ってから、50-60mほど登りかえさなければ行けません。
山頂付近は、俎嵓よりも急峻な岩場に見えますね。
かなりきつそうですが、せっかくきたので、柴安嵓の山頂を目指します。
11:40頃。柴安嵓に向けて下降開始します。
下痢と雉撃ち②
とここで緊急事態発生!
またまた、もよおしてきました。この感じだと完全に下痢ですね!
今度はヤバイです。山頂付近の急坂の途中。隠れるところもありません。
どうしよう!
幸い、俎嵓と柴安嵓の鞍部が平坦な場所になっています。
隠れる場所があるかどうかはわかりませんが、急がないと間に合わないので、選択の余地はありません。
(上から見ると丸見えのような気がしましたが…)
トイレ行ってくるから下で待ってて!
と友人に告げ、急いで下降。
鞍部まで降りてザックを置いて小荷物(トイレットペーパーとか)だけ持ちます。
平日とはいえ、俎嵓~柴安嵓の間はひっきりなしに人が通っています。
あわてて行動すると、バレバレになってしまうので、付近を散策するようなフリをしてハイマツ帯に近づきます。
誰も見ていない事を確認して、ハイマツ帯の中に身を低くして隠れます。
あとは、ハイマツをかき分けて…
落ち着けそうな最適地を探して…
周囲から見えないことを確認して…
あー、スッキリした!
何食わぬ顔で、ザックを置いた場所までも戻り友人と合流。そのまま、柴安嵓への急登へ向かいます。
いやー、大ピンチでしたねー!
大ピンチでしたが、なんとか乗り切れました。
身も心も軽くなって、この時はこれで終わりだろうと思ってたんですが…
その後もう1回ありました…
柴安嵓(しばやすぐら)の山頂
12:10頃。柴安嵓の山頂に到着しましたー!
燧ヶ岳の最高地点です。山頂には「燧ヶ岳山頂(柴安嵓) 標高 2456米」と刻まれた黒い石標が建っています。
しかし、この石標。ハイマツと岩の間に建っているので目立ちません。ちょっと残念な感じです。
南西側の斜面が開けた場所になっていて、休憩するのに良さそうです。
俎嵓の山頂からは一部しか見えなかった尾瀬ヶ原の全貌が眼下に広がっています。
その向こうには至仏山。
北西側はこれも百名山の一峰である平ヶ岳(ひらがたけ)。
以前はアクセスが悪く、山頂に着くまでに5日ほどかかる手ごわい山だったようです。
深田久弥も百名山を志した最初から念頭にあった山なのに、なかなか登れなかったようです。
最近はアクセスが便利になり、平ヶ岳山頂近くのキャンプ場に泊まれば、山中1泊2日で登れるようになったようですが、現在、キャンプ場は幕営禁止になってしまいました。
平ヶ岳登山口からの往復コースタイムは11時間20分、よほど健脚じゃないと登れませんね。手ごわい山に戻ってしまったようです。
東側はさっきまで居た俎嵓。柴安嵓の頂上付近から見るとだいぶ低く見えます。
昼食
柴安嵓の山頂で昼食にしました。お湯を沸かしてカップラーメンを作ります。
今回は、サッポロ一番・カップスター(しょうゆ)です。
カップラーメンというと、私はカップヌードル(醤油味)派ですが、カップスターも旨いです!
カップラーメンが出来るまで、魚肉ソーセージとミックスナッツで小腹を満たします。
私は下痢で余分な水分はあまりとりたくなかったし、Y氏もあまり食欲がなかったようなので、カップラーメンは二人で分け分けして食べました。
私が麺だけ、Y氏がスープだけ。(^_^;)
食後はドリップバッグの珈琲を淹れます。
お腹の調子が悪いので、どうしようか迷いましたが…
やっぱり、山で飲む珈琲は旨い!
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柴安嵓の山頂で40分ほど休憩。珈琲を飲みながら下山コースを確認します。
予定では、俎嵓まで戻ってから、ナデッ窪コースを降りるつもりでしたが…
俎嵓の山頂までの登り返しがきつそう…
結局、下山コースは見晴新道に変更しましたが、とんでもない悪路でした…
[続く…]
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