2020年7月20日~21日。梅雨の晴れ間を縫って、中央アルプスの木曽駒ケ岳と宝剣岳へ登ってきましたー!
…友人のT氏が…(笑)。
会社の山仲間と1泊2日のテント泊。1日目はガスと小雨のあいにくの天気でしたが、2日目は晴れて絶好の登山日和になったようです。
うらやましい!
妄想登山~テント泊山行したい!
いよいよ夏山シーズンが始まりますが……
今年は新型コロナウィルスの影響で、営業している山小屋は少なく、利用できるテント場も限られています。
そうなると3密を避けるために、少ないテント場に登山者が集中しそうです。
混雑したテント場ではゆっくり山を楽しめないし、感染の危険もあるし……
今年の夏のテント泊山行は無理かなー。
来年に期待するしかないかー。
と諦めていたんですが……
そんな折、T氏から連絡がありました。
明日、木曽駒ケ岳に行ってきます!
天気予報は曇り一時小雨でしたが、一時的に晴れ間もありそうなので決行するとのこと。
そして、3日後に……
無事に帰ってきたよ!
との連絡とともに山の写真が送られてきました。
届いた数々の写真を見ていたら、俄然、山に……テント泊に行きたくなってきたんですね。
この気持ちわかりますか?わかりますよね!
うんうん。わかるわかる。わかるよう!
山へ行きたくてうずうずしているのは私だけではないでしょう!
そこで、山旅気分を少しでも味わえるように、T氏が撮ってきた写真をベースに山行レポを書いてみようと思いたちました。
妄想を膨らませながら……
木曽駒ケ岳・宝剣岳について
まずは、木曽駒ケ岳(きそこまがたけ)と宝剣岳(ほうけんだけ)を簡単に紹介します。
といっても、今まで中央アルプスにはあまり興味がなく、詳しく知らなかったので、今回調べた内容をまとめました。
ちなみに、中央アルプスに興味がなかった理由は、北アルプスや南アルプスと比較すると、アクセスしにくいと思っていたからです。
実際にはそれほどでもなかったんですが…夜行バスもあるし…。
また、木曽駒ケ岳はロープウェイで登れることは知っていたので、観光客が多くて混雑しているイメージがありました。
静かなる山旅を好む私にとっては後回しになっていた山域だったんですね。
木曽駒ケ岳
木曽駒ケ岳(きそこまがたけ、略称:きそこま)は標高2956m、中央アルプス(木曽山脈)の北部に位置する中央アルプスの最高峰。
深田久弥の日本百名山、新日本百名山、花の百名山にも選ばれている名峰です。
駒ケ岳ロープウェイを利用すれば、標高2600mの千畳敷カールまで一気に登ることができます。
山頂までは約2時間、標高差は400mほどです。初心者向けの日帰り登山コースとしても親しまれています。
駒ケ岳の「駒」とは馬のことですね。山名の由来は諸説ありますが、「雪解け後に残雪の中に黒い山肌が露出し、そこが駒(馬)の形に見えるから」という説が有力のようです。
駒ケ岳と名の付く山は全国に20座ほどありますが、南アルプスの甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ、略称:かいこま)の標高2966mに次いで2番目に高い山です。
別名、西駒(にしこま)とも呼ばれています。これは、甲斐駒ヶ岳と木曽駒ケ岳の中間にある伊那谷地域での呼び名で、東にある甲斐駒を東駒(ひがしこま)と呼んで区別しています。
千畳敷カール
山麓の千畳敷カールは国内有数の圏谷(氷河の浸食でできたお椀上の地形)で、周囲を囲む山々の景色が素晴らしい場所です(冒頭の写真)。
高山植物が豊富でお花畑も広がっています。
周囲の山々から流れる雪解け水や雨が、お椀上の地形の底に集まり、豊かな地下水が保たれているからです。
千畳敷カールには遊歩道もあるので、お散歩するだけでも十分に楽しめそうですね。
宝剣岳
宝剣岳(ほうけんだけ)は標高2931m、木曽駒ケ岳の南に位置する山です。
千畳敷カールから望める大きな岩峰が印象的で、空木岳(うつぎだけ)、仙涯嶺(せんがいれい)とともに中央アルプスの三大岩峰として知られています。
ロープウェイの千畳敷駅からは、木曽駒ケ岳よりも近く約1時間20分で登れます。
ただし、スリリングな岩場やクサリ場があり、危険がともなうコースです。
3点支持を確実に行えることが通過する条件になります。
登山口とアクセス方法
駒ケ岳ロープウェイの千畳敷駅を起点として往復するのが最短コースです。
ロープウェイを使わずに登るコース(福島Aコース・Bコース、上松Aコース・Bコース)もありますが、ロープウェイを利用して登る登山者が圧倒的に多いようです。
ただし、ロープウェイは一般の観光客も利用するので混雑します。
ハイシーズンになると2時間以上待つこともあるので、土日・休日ははずしたほうが良さそうですね。
アクセス方法
JR飯田線・駒ケ根駅より、中央アルプス観光・伊那バスに乗り、駒ケ岳ロープウェイのしらび平駅へ。
しらび平駅でロープウェイに乗り換えて約8分で千畳敷駅へ到着します。
- JR飯田線・駒ケ根駅
(バス/約45分)※菅の台バスセンター経由
- 駒ケ岳ロープウェイ・しらび平駅
(ロープウェイ/約8分)
- 駒ケ岳ロープウェイ・千畳敷駅
マイカーの場合
中央道・駒ケ根ICから菅の台(すがのだい)バスセンターへ行き、隣接する駐車場へ駐車。
中央アルプス観光伊那バスに乗り換えて、駒ケ岳ロープウェイのしらび平駅へ向かいます。
- 中央道・駒ケ根IC
(約2km)
- 菅の台バスセンター(駐車場:約350台)
(バス/約30分)
- 駒ケ岳ロープウェイ・しらび平駅
夜行バス
シーズン中は毎日あるぺん号が、菅の台バスセンターまで運行しています。(週末&祝日のみ)
毎日あるぺん号(東京発)/御岳山・木曽駒ケ岳方面
※大阪発もあります。
1日目:千畳敷駅~八丁坂~乗越浄土~中岳~頂上山荘
さあ、いよいよここから、1泊2日の妄想登山のはじまりはじまり~。(笑)
山行レポはT氏が撮影した写真を解説する形で進めていきますが、ところどころ私の妄想が混ざっています。
風景や建物などの説明は間違っているかもしれませんので、あしからず。(^_^;)
ロープウェイ・千畳敷駅
駒ケ岳ロープウェイに乗って約8分、標高約2600mの千畳敷駅に着いたところですね。
千畳敷駅には「ホテル千畳敷」が隣接しています。収容人数72人のこじんまりしたホテルです。
あいにくガスっていて景色はあまり見えません。残念!
標高差約950mを一気に登ってきたので、急いで登山に向かうのは禁物です。
高山病になる危険があるからです。体を慣らすために、散歩気分でゆっくり歩き始めましょう。
千畳敷駅のすぐ西側にある駒ケ岳神社です。安全登山を祈願して行きます。
天気が良くなりますように。
無事に下山できますように!
千畳敷カール
これが千畳敷カールの眺めです。
素晴らしい!
真ん中やや左に見える尖った岩峰が宝剣岳です。
「どこかで見たような景色!」と思ったら、北アルプスの涸沢からの眺めに似ていますね。
まぁ、涸沢もカール地形なので似てるのも当たり前か……
ちなみに、涸沢の写真を載せておきましょう。真ん中の尖っている山は北穂高岳(きたほだかだけ、標高3106m)です。(クリックすると拡大します)
八丁坂
千畳敷駅から約20分。八丁坂(はっちょうざか)の急登がはじまります。
山腹をジグザグに登り乗越浄土を目指します。
八丁坂の途中からの景色ですね。遥か下のほうに見える赤い建物が千畳敷駅&千畳敷ホテルです。
カールの上部になるほど斜度も増してきます。
かなりきつい登り道ですが、高山植物が豊富な場所なので、写真を撮りながらゆっくり登ればへっちゃらでしょう。
八丁坂をかなり登ってきました。千畳敷駅も小さくなりました。
後ろに見える山は……島田娘(?)
乗越浄土
八丁坂の急登を約40分登り、たどり着いた場所が乗越浄土(のっこしじょうど)です。
広く平坦な場所なので、休憩するにはもってこいの場所です。
右へ行くと伊那前岳(いなまえだけ)へ続く登山道で、宝剣岳、木曽駒ケ岳へは左へ進みます。
乗越浄土の左手に見える岩峰が宝剣岳です。
中岳&天狗荘
こちらは、乗越浄土の先から見える中岳(なかだけ、標高2925m)です。
中岳を越えれば、テント場がある頂上山荘までは約10分。ここまでくれば、もう着いたも同然ですね。
そして手前に見えるの赤い屋根の山小屋が天狗荘です。
天狗荘は宿泊専用の山小屋で収容人数は200人。休憩できる施設はないようですが、トイレは利用可能とのこと。
天狗荘の手前にもう1軒の山小屋、宝剣山荘が建っているはずですが……
宝剣山荘の収容人数は120名、食事や休憩ができます。生ビールが飲めるのが最高です!
ちなみに、宝剣山荘、天狗荘、頂上山荘は同じ系列(宮田観光開発)の山小屋です。
中岳の山頂
中岳の山頂です。ガスっていて周囲がほとんど見えませんね。
中岳の西側を巻くコースもありますが、山頂を通るコースのほうが安全のようです。
中岳の山頂からは、木曽駒ケ岳と頂上山荘が見えるはずですが、ガスっていて見えなかった……
駒ケ岳頂上山荘&幕営地(テント場)
頂上山荘に着きました。木曽駒ケ岳の山頂直下に建つ山小屋です。
小屋の前には中央アルプス唯一の幕営地(テント場)があります。
駒ケ岳頂上山荘は収容人数は100名。ロープウェイの千畳敷駅から約2時間、木曽駒ケ岳の山頂までは約15分の位置にあります。
小屋の周辺にはコマクサや、中央アルプスの固有種ウスユキソウなどが咲くようです。
食堂で軽食(カレーライス、カレーうどん、各種どんぶり)や、売店でお酒(生ビール、缶ビール、日本酒)を購入できます。
飲料水は1L=200円です。詳細は頂上山荘のホームページで確認を。
テント場は写真で見ると岩ばかりに見えますが、岩の間にテントを張れる大小のスぺースが整備されています。
左側の白いテントがT氏のテント(NatureHikeのCloud-Up2)ですね。
右側の黄色いテントはモンベルのステラリッジ。T氏の山仲間のテントでしょう。
この日のテントは10張り程度。T氏の会社の山仲間のテントが5張り、その他のテントが5張りだったそうです。
梅雨の時期だったのでこんなに空いていたんでしょう。
アクセスもロケーションも良い場所なので、梅雨が明けたら激混み状態になるかもしれませんね。
2日目:木曽駒ケ岳~宝剣岳~伊那前岳~千畳敷駅
木曽駒ケ岳
明け方の木曽駒ケ岳山頂です。空の一部がオレンジ色に光ってキレイですねー。
神々しささえも感じます。
山頂の下には雲海が広がっています。
雲海の中に浮かぶように見えている山は御嶽山(おんたけさん、標高3067m)ですね。
2014年9月に発生した火山噴火で多くの犠牲者がでました。
現在は入山規制はあるものの、登れるコースもあるようです。
駒ケ岳山頂には2つの社(伊那と木曽の両地区の駒ケ岳神社の本殿)が建っているはずですが、上の写真右側に写っているのはどっちかな?
そして、ご来光!
いい写真が撮れましたね!
グッジョブ!(パチパチパチー)
手前に見えるのは木曽駒ケ岳から東へ続く稜線(馬の背)ですね。
朝日に向かって歩いて行きなくなりますね!
中岳~宝剣山荘~宝剣岳
さて、木曽駒山頂からの景色を満喫したあとは、テントを撤収してロープウェイの千畳敷駅まで戻ります。
右に見える山が中岳、左に見える山が宝剣岳です。
そして、その鞍部に見える青い屋根の建物が宝剣山荘ですね。(この写真ではわからないかも?)
だんだん、宝剣岳が近くなってきました。
宝剣岳
これが宝剣岳。近くから見ても岩だらけの岩峰ですね。
こんなところ登れるのかな?
宝剣岳の急峻な岩場(クサリ場)を降りてくるのは……
誰あろうT氏ですね。高度感があり、下は絶壁だったもようです。
ここが宝剣岳の山頂です。人が一人立てるだけのスペースしかありませんが登頂可能です。
ちなみに、山頂で手を広げているのはT氏ではありません。
さすがに、天辺までは登れなかったようです。
たぶん……私も……登りませんね。(^_^;)
こちらは浄土乗越から伊那前岳(いなまえだけ、2883m)へ続く稜線ですね。
左奥の三角形の山が伊那前岳でしょう。稜線の右下には千畳敷カールが見下ろせるはずです。
この稜線も歩いてみたい!
奇岩・お花畑
千畳敷~木曽駒ケ岳周辺には奇岩も多いようです。
オットセイ岩
これは、八丁坂の途中にあるオットセイ岩。
鼻先を上に突き上げているようなオットセイの後ろ姿に見えますね?
天狗岩
こちらは、宝剣岳のそばにそびえる天狗岩です。
天狗の横顔に見えるようですが、天狗にしてはちょっと鼻が低いんじゃない?
お花畑
そして千畳敷カールで有名なお花畑。シナノキンバイが見頃でした。
シナノキンバイのアップです。シナノキンバイは、高山直物にしては比較的大きい黄色い花が特徴です。
一瞬、ミヤマギンポウゲ?と思ったので調べてみると、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲなどは良く似ていて区別が難しいようです。
花弁の数と大きさ、葉っぱの形で区別できるようですが、なかなか覚えられませんね。
とりあえず、シナノキンバイは他の花より大きいとだけ覚えておきましょう。
シナノキンバイの花径は3~4cm、ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲの花径は2㎝ほどです。
あとがき
もうすぐ、関東地方も梅雨が明けそうです。
梅雨が明けたら、絶対山へ行く!テント泊したい!
だが、しかし……
コロナ感染がふたたび拡大し始め、東京では不要不急の自粛要請や、独自に緊急事態宣言する自治体も出てきましたね。
やっぱり、今年は無理かな……
あれから3年後……
あれから3年後……実際に木曽駒ケ岳でテント泊してきました!
そのときに様子は↓こちらの記事にアップしました。
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