両神山~山頂までの最短コース白井差新道('23-11-13) | 山旅GOGO
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両神山~山頂までの最短コース白井差新道(’23-11-13)

両神山山頂(剣ヶ峰)
両神山山頂(剣ヶ峰)

2023年11月13日(月)、日本百名山の一つ両神山(りょうかみさん)への登山レポートです。

両神山への登山コースはいくつかありますが、今回は山頂への最短ルートで初級者向きの白井差新道(しらいざすしんどう*1)を登りました。

このコースは私有地のため、地権者である山中さんへ事前予約と環境整備料(1,000円)の支払いが必要です。

白井差新道を利用する際のポイントやコースの状況、両神山の山頂付近の様子などを紹介していきます。

*1 白井差の読み方は他にも「しろいざす」「しろいさす」「しらいさす」「しらいさし」など複数あり、どれが正解かは不明。

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両神山について

両神山(りょうかみさん)は奥秩父の北端にそびえる独立峰です(標高1,723m)。

南北に続く鋸歯のような稜線は周囲の山と一線を画すような独特な姿をしており、古くから山岳信仰の対象とされてきました。

日本百名山の著者である深田久弥氏は、両神山の山容を下記のように「ギザギザした頂稜」「空中に突き立っているような」「威圧的な山容」などと表現しています。

両神山は異風である。それはギザギザした頂稜の一線を引いているが、左右はブッ切れている。あたかも巨大な四角い岩のブロックが空中に突き立っているような、一種怪異なさまを呈している。古くから名山として尊崇されているのも、この威圧的な山容からであろう。

出典:深田久弥 日本百名山より

山名の由来は諸説あり

両神山(りょうかみさん)には他にも、八日見山(ようかみさん)、竜神山(りゅうかみさん)といった別名があり、それぞれ以下のような由来があります。

山名山名の由来
両神山
(りょうかみ)
イザナギ、イザナミの二神を山頂に祀っていることから両神山となった(日本武尊が祀った)。
八日見山
(ようかみ)
日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征のおり、この山を八日間見ながら通過したから(または、筑波山から八日間この山を遠望したから)、八日見山となった。
竜神山
(りゅうかみ)
竜神を祀る山(八丁尾根の一峰に龍頭(りゅうかみ)神社がある)から竜神山となった。

もっとも有名な説はイザナギ・イザナミのニ神説ですが、深田久弥は日本百名山の中で、山名の考証にくわしい小暮理太郎氏の八日見山説を紹介しています。

小暮理太郎氏の八日見山説(日本百名山より)

●一番元の山名は八日見山で、その後、八日見(ヨウカミ)→竜神(リュウカミ)→両神(リョウカミ)に変化した
●ヨウカミはヤオガミ(八つの頭を持つ竜王(大蛇))から来たもの
●イザナギ・イザナミを祀ったのは両神山と呼ばれるようになってから

Amazonで見る(日本百名山 深田久弥著)

登山コース(白井差新道)

両神山/白井差新道
両神山/白井差新道(ピンク色の部分)

両神山に登る主な登山コース以下の4つがあります。

両神山登山コース概要
①八丁尾根コース両神山の北側から峻険な八丁尾根を登る上級者向けのコース。
②日向大谷コース(表登山道)両神山の東側(日向大谷)から表登山道と呼ばれる一般的なルートを登る。八丁尾根ほどではないが岩場・鎖場もある。
③白井差新道両神山の南東(白井差)から登る最短ルート。岩場・鎖場がないので初級者向け(山頂付近は岩場・鎖場あり)。
※私有地のため事前に地権者(山中さん)への電話予約が必要。
④梵天尾根コース両神山の南側の登山口(中双里)から登るコース。距離が長く(登り約6時間、下り約4時間)、登山道も不明瞭で歩く人は少ない。

このうち、最短で登れて初級者向きのコースが③白井差新道(上記地図のピンク色の線)です。

山中宅駐車場から両神山の山頂までのコースタイムは、登り約2時間40分、下り約2時間(往復約4時間40分)です。

白井差新道のコース状況

●沢沿いを登っていく涼しげな登山道
●よく整備されていて歩きやすい
●コース中にトイレはないので、登山口のトイレで済ませておく
●山頂付近は岩場・鎖場でやや高度感がある(それほど危険な場所ではない)

登山口までの交通/アクセス

公共交通機関利用

秩父鉄道/三峰口駅(または西部秩父線/西部秩父駅)より、バスを2本乗り継いで白井差口バス停まで行けますが、そこから山中宅前までは徒歩で約1時間かかります。

※タクシーを利用する場合は、秩父鉄道/三峰口より約40分

登山口までのアクセス/公共交通機関利用
登山口までのアクセス/公共交通機関利用

マイカー利用

マイカー利用
  • 関越自動車道/花園IC

  • 県道37号

  • 県道367号

  • 山中宅前(駐車場)

白井差新道の利用方法

白井差新道は私有地のため地権者(山中さん)への事前予約や環境整備費の支払いが必要です。

白井差新道の利用条件
  1. 事前予約が必要(連絡先:0494-79-0494)
  2. 環境整備料(協力金)1,000円/1人を下山時に支払う
  3. ピストン(往復)で日帰りのみ可
  4. 岩登り沢登りは禁止
  5. 犬連れ登山は禁止

また、山頂までのピストン(往復、日帰り)が条件で、岩登り沢登りは禁止になっています。

犬連れ登山も禁止で、野生動物への悪影響、糞害、他の登山者の迷惑などを考慮したもののようです。

山中宅/受付/駐車場

山中宅駐車場入口

こちらが、山中さん宅の駐車場の入り口です。

奥が駐車場でそのまま登山道へ続きます。

駐車場の手前にはバリケードが置いてあり、下記のようない注意書きが貼ってあります。

両神山白井差新道登山 昇竜の滝見学の人は
うしろの茶色の家で受付を願います。 山中

右側がトイレで、トイレの前には「白井差新道(作業道)規約」という立て看板が設置されていました。

両神山頂まで私有地内に登山用びルートを整備しました。
下記の条件で入山を認めます。
1.必ず予約して許可を受ける事
2.山は危険な場所です。自分で自己やケガの責任は負う事
3.観光整備料(協力金) 1人1000円
4.必ずピストンで日帰りとする事
5.岩登り沢登りは禁止
6.落石 倒木 落枝に注意
7.植物 鳥 魚 昆虫などは大切に
8.犬は連れていかないで
9.山を汚さない
無謀な入山や違約金を戴きます

駐車場入り口の手前、左手の坂を上った所が山中さん宅のようです。

我々が到着したときに、ちょうど山中さんの奥さんが出迎えてくれて、駐車場のほうに案内してくれました。

駐車場
駐車場

こちらが、登山道脇の駐車場です。

道沿いに駐車すると、普通車なら4~5台程度の縦列駐車が可能です。

道幅は広いので、斜めに駐車すれば7~8台は止められそうですね。

※他にも車を止められる場所があるようです。

ここで受付をおこない(代表者の氏名、同行者の人数などを記入)、クリアケースに入ったお手製の地図を渡されます。

地図は表面がコース全体図で、裏面が頂上付近の詳細図になっています(昭文社「山と高原地図」をもとに作成されたようです)。

地図を受け取った後は、地図を見ながら白井差新道の詳細なコース説明をしていただきました(かなり詳しく)。

地図は下山時に返却して、環境整備料(協力金)1,000円を支払ってくださいとのこと。

なお、トイレのそばと駐車場側に洗い場が設置されていました。

トレッキングレポート

ここからは、白井差新道コースのレポートです。

コース中のポイントや両神山の山頂付近の様子などを紹介していきます。

日程2023年11月11日(月)
メンバー私、T氏、Y氏(3名)
登山コース山中宅前~白井差新道~両神山山頂(往復)

9:34 準備を整えて出発します。

駐車場の奥へ続く道がそのまま登山道です。

しばらくは林道が続き(5~6分)、この橋を渡り登山道に入ります。

登山道の入り口の辺り。

大笹沢沿いに設けられた登山道を登っていきます。

夏でも涼しそうなコースです。

昇竜の滝

昇竜ノ滝
昇竜ノ滝

9:50 昇竜ノ滝へ到着。

昇竜ノ滝
昇竜ノ滝

滝の落差は10mほど、こじんまりとしたきれいな滝ですが、周囲に休憩できる場所がないのが残念。

大又

大又
大又

10:03 大又を通過。

白井差新道は左方向に進みます。

右方向は現在ロープが張られていますが、かつては日向大谷コース上の清滝小屋や両神神社(本社)付近に出る登山道があったようです(旧:白井差コースと思われる)。

やまびこ橋

やまびこ橋
やまびこ橋

10:17 やまびこ橋を通過。

立派な名前が付いていますが…普通の木の橋のようですね。

この先に、ノゾキ橋と呼ばれる橋があるようですが、見逃してしまいました。

オオドリ河原

オオドリ河原
オオドリ河原

10:32 オオドリ河原と呼ばれる広い登山道に出ました。

この辺は登山道が不明瞭ですが、石や木に付けられた赤いペンキを目印に辿っていけば、迷うことはありません。

水晶坂

10:44 水晶坂(尾根の急登)を通過。

水晶坂の名前の由来は、以前は水晶が採れたとか……

ブナ平

ブナ平
ブナ平

11:15 ブナ平へ到着。

傾斜が緩い広場になっていて、休憩するのにちょうどよい場所です。

我々もここで15分程度休憩。

夢見平

夢見平
夢見平

ブナ平から15分ほど登り、夢見平へ到着。

この辺も比較的水平な場所で休憩に適した場所ですね。

のぞき岩

のぞき岩
のぞき岩

夢見平を過ぎると、右手方向の視界が開けてきます。

ここから見えるのは、のぞき岩と呼ばれる日向大谷コース上(両神神社付近)の岩壁です。

両神山の稜線

12:25頃、両神山の稜線付近に出ました。

ここまでくれば、山頂まではもうちょっとです。

道標には手書きで「山頂→200M 5分」と書かれています。

道標の下の方に「白井差」への標識が設置してあるので、帰りはここを見逃さないように!

両神山山頂へは右へ進みます。

痩せた稜線を木々の間をくぐり抜けるように進みます。

日向大谷コースと合流

白井差新道と日向大谷コースの合流地点
白井差新道と日向大谷コースの合流地点

白井差新道と日向大谷コースとの合流地点です。

トラロープをくぐり、左方向が山頂です(右方向が日向大谷コース)。

トラロープが張ってあるのは、日向大谷コースを降りる登山者が、間違って入りこまないようにとのこと(山中さん談)。

道標の下の方に「白井差」の標識も設置してあるので、帰りはここを見逃さないように!

日向大谷コースと合流すると、すぐに岩場に突入します。

右側に回り込んで、この岩をよじ登ります。

一旦、平地になりますが、すぐに次の岩場が出現。

岩壁の左側に設置された木道を鎖を頼りに通過します。

ここが最後の岩場・鎖場です(5~6mぐらい)。

それほど危険な場所ではありませんが、やや高度感があるので岩場が苦手な人は慎重に!

ここを登れば山頂です。

両神山山頂(剣ヶ峰)

両神山山頂(剣ヶ峰)
両神山山頂(剣ヶ峰)

12:36 両神山の山頂(剣ヶ峰)に到着しました!

ここが、山頂中心の岩塊で、石作りの小さな祠が祀ってあります。

「両神山 山頂」と書かれた白と緑の看板が設置されているところが一番高い場所ですね。

両神山山頂からの展望(南西)
両神山山頂からの展望(南西)

山頂の周囲は樹木に囲まれ、若干視界をさえぎられますが、南西方面の展望は良好です。

奥秩父の山々が見えますね。

(中心の岩塊の上に立つと、360度の展望が開けます)

両神山山頂からの展望(南)
両神山山頂からの展望(南)

南方面に富士山が見えるはずですが、今回は確認できず。

こちらが(左側)山頂標識です(右側は八丁峠方面の道標)。

山頂標識のすぐそばに、展望版(左)と二等三角点(右下)が設置されていました。

展望版を上から見たところ。

山頂は狭く、ゆっくりと休憩できる場所はほとんどありません。

日向大谷コースとの合流点近くにテーブルとベンチが設置してある場所があったので、そこまで戻って休憩することにしました。

一旦、日向大谷コースと白井差新道の分岐点まで戻り、そのまま日向大谷方面に進みます(10mほど)。

(白井差新道は、トラロープをくぐって右下に降りる)

12:51 ここが山頂近くの休憩場所(日向大谷コース)です。

この日は天気は良かったのですが、風が冷たくて結構寒い。

軽く昼食をとって、すぐに下山します。

下山~山中さんのお迎え!

15:32 山中さん宅の駐車場へ戻ってきました。

実は、途中で山中さんと出会い(心配して迎えにきてくれたのかも?)、いろいろな話を聞きながらの下山となりました。

山中さんはとても気さくな方で、話出したら止まりません。(笑)

駐車場に到着してからも、しばらく(15分以上か…)話し込んでいたほどです。(^_^;)

両神山の記念バッチ
両神山の記念バッチ

最後に環境整備料(1,000円/1人)を払い、記念に両神山のバッチをいただきました。

そして…我々の車が出発するまで、ずっと見送ってくれました!

ありがとうございました。

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この記事を書いた人
管理人:鈴木ライト
神奈川県横浜市在住の山旅ブロガー(仮)。 登山・アウトドアを通して人生という長い旅をアグレッシブに楽しみたい63歳。登山歴は約19年、テント泊を始めて約17年。大好物はなだらかな稜線歩き、急峻な岩場は苦手です…でも槍ヶ岳と剱岳は登頂済み。山好きな人よろしく~!(^o^)

最後までご覧頂きありがとうございました。

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