というわけで、大倉(290m)から塔ノ岳(1491m)へ直登する、標高差約1200mの大倉尾根コースのポイントをリポートします。
どういうわけ?と思った人は前回の記事をご覧ください↓
日程・登山コース・交通
【日程】2017年5月7日(日) ※GW最終日
【メンバー】私、T氏、Y氏(3名)
登山コース
「大倉バス停」から「大倉尾根」を登り、「塔ノ岳」を往復する最も一般的なコースです。
標準コースタイム
●登り
大倉バス停→見晴茶屋→駒止茶屋→堀山の家:1時間50分
堀山の家→花立山荘:55分
花立山荘→金冷し→塔ノ岳:45分
合計:3時間30分
●下り
塔ノ岳→金冷し→花立山荘:35分
花立山荘→堀山の家:40分
堀山の家→駒止茶屋→見晴茶屋→大倉バス停:1時間15分
合計:2時間20分
登山口までの交通
小田急線渋沢駅より、大倉行きバスに乗車。大倉バス停(終点)で下車。
【往復】
◯小田急線渋沢駅
|(バス15分)
◯大倉バス停
バス時刻表
大倉~堀山の家
大倉バス停
渋沢駅北口から大倉行きのバス(1時間に2-3本)に乗車。
15分ほどで大倉バス停に到着します。
バス停のそばの建物はどんぐりハウス(食堂+休憩所)。右側はトイレです。
トイレの前には靴洗い場があるので、下山後に泥だらけになった登山靴を洗えて便利です。
水を忘れた場合はここで補給していきます。
レストハウスの左側が休憩所(無料)。登山計画書の用紙が置いてあるので、ここで記入して投函します。
投函ポストは休憩所の外の左側にあります。(上の写真の左端)
現在(2024年4月)は、ヤマカフェという飲食店が営業中!
ちなみに休憩所の中は、丹沢周辺の登山ルートの情報が掲載されています。
はじめての人は、これから歩くルートを確認しておくといいでしょう。
大倉バス停から車道を北方面に歩きはじめます。
最初は緩やかな登りですが、だんだん急になってきます。
6-7分で登山口の分岐に着きます。左側が登山口。
右側に丹沢大山国定公園の案内板がありますが…
丹沢クリステル
ここに青い服をきた人形が2体立っています。
一緒に行った友人T氏は「宇宙人みたいなのがいる!」と云っていましたが、いやいや、宇宙人じゃなくて「乗馬服を着た人形ですからー」。
以前この奥に乗馬クラブがあった名残です。
今まではほとんど気にして無かったんですが…ネットで調べてみると…なんと…
この人形に丹沢クリステルという名前がついていました!
写真ではわかりにくいですが、胸にさげている名札に、丹沢クリステルと書いてあるようです。
これは今まで気が付かなかったなぁー。
今度行った時に確認してきます。
丹沢クリステルと丹沢キャサリン~その後…異変が…
登山口に入ってもしばらくは舗装路が続きますが、だんだん、石ころだらけの歩き難い道に変わってきます。
この石ころ地帯は歩き難く、パワーを余分にロスしやすいので、小股でゆっくりと歩いたほうがいいでしょう。
観音茶屋
石ころ地帯を抜けてしばらく歩くと、1つ目の山小屋、観音茶屋(かんのんちゃや)に到着します。
ここは宿泊できないので、休憩のみの利用となります。
最近、大きなベンチ?とトイレが整備されました。
●かき氷あります
●特製おしるこ
●しぼりたて牛乳プリン
という看板が目を引きますが、登山口に近いので、いつも素通りしてしまいます。
新しいトイレと、左奥に観音茶屋の名前の由来となった観音様?が祭ってありますが…
赤いよだれかけをつけたお地蔵さんのようですね。
下山時に観音茶屋の前を通ると、店の人が「お疲れさまでした~」と声をかけてくれるのが、ちょっと嬉しいです。
観音茶屋から4-5分で、大倉高原山の家の分岐点に着きます。
右の道は大倉尾根を直登。左の道は大倉高原山の家を経由して、雑事場平で大倉尾根に合流します。
右の道のほうが近いので、ほとんどの登山者は右の道を登ります。
今回は水場がある大倉高原山の家を経由する左の道を歩くことにします。
大倉高原山の家
分岐から10分ほどで2番目の山小屋、大倉高原山の家(おおくらこうげんやまのいえ)へ到着。
入口には2つの柱(門?)が立ち、てそれぞれ塔ノ岳と丹沢の門と書かれています。
ここが、山小屋「大倉高原山の家」です。
ここには水場と丹沢山中で唯一のテント場もあります。
小屋の入口にの看板には以下のメニューが掲載されています。
■MENU
ひきたての石清水コーヒー
ブルーマウンテン 250円
キリマンジャロ 170円
MENUの「ひきたての石清水コーヒー」はそそられますね!
しかも、安い!…飲んだことありませんが…
テント場は利用可能ですが、水場は断水中です。
詳しくは、↓こちらのブログをご覧ください。
・丹沢・大倉高原山の家Part1~山小屋は閉鎖中!テント場は利用可能!
山小屋の前にある水場は有料です。といっても1人20円。
小屋の前には、テーブルとベンチが設置されています。
南側が開けていて、景色もよくて、疲れていなくても休憩したくなる場所です。
大観峰?というのはちょっと大げさですが…
秦野市内を見下ろせ、晴れていれば相模湾や伊豆七島までも望めるようです。
大倉高原山の家のキャンプ場
丹沢山中で唯一のテント場は、ここから少し登ったところにあります。
テント場の様子は以前撮った動画をご覧ください。
↓こちら
雑事場平
大倉高原山の家から2-3分で、大倉尾根への合流地点、雑事場平(ぞうじばだいら)へ到着します。
ここにはベンチが2つあり大倉尾根を直登してきた登山者が休憩するのにいい場所です。
雑事場平から見晴茶屋まではまっすぐな平地です。
見晴茶屋
雑事場平から1-2分で3番目の山小屋、見晴茶屋(みはらしちゃや)に到着です。
小屋の前には登山道沿いに大きなベンチがあります。
ここからは南東側に展望が開け秦野市内が見渡せます。
大倉高原山の家ほどではありませんが、天気が良ければ相模湾も見えるかも?
見晴茶屋の裏手から、いよいよ急登が始まります。
もともとはガレ場のような所ですが、階段状に整備されています。
急な階段上の道を登って行きます。
直線的で先まで見通せるので、見ただけでうんざりしていまいそうな登りです。
この急登を登りきると、しばらく木道が続きますが、休む間もなく長い登りにさしかかります。
見た目はさほど急ではありませんが、木材で土止めされている所が段差になっています。
先ほどの急登の疲れが抜けないうちに、この段差を登るので、腿に負担がかかってかなり疲れます。
上部は少しガレていますが、ここまでくれば、あとちょっとでこの急登は抜けられます。
ここ、一本松と呼ばれる地点で、この急登は終わりです。
2つの急登を登り終えると、緩やかな登り道になりますが…
再び、いしころ地帯に突入します。石ころだらけで歩き難い。足の疲労が取れません。
無名平?
1-2分で石ころ地帯を抜けるとベンチが置かれた平地に出ます。ここでやっと一息つけますね。
この平地は特に名前がついていないようなので、勝手に無名平と呼んでいます。
無名平からは、しばらく、ゆるかかな気持ちのいい散歩道が続きます。
そして…
駒止茶屋の手前から、またまた急登(階段)の始まりです。
この階段状の急坂は下りで足をつることが良くあるので、勝手に足つり坂と呼んでいます。(^_^;
駒止茶屋
足つり坂を登り切った所に、4番目の山小屋、駒止茶屋(こまどめちゃや)が建っています。
昔は馬に乗ってここまで登って来たことから、馬(駒)を止める場所ということで、駒止茶屋と名付けたとの事です。
小屋の左側にも休憩できるベンチがありますが、少し暗い雰囲気なので、もう少し登った所にある、明るいベンチで休憩をとる登山者が多いです。
駒止茶屋から堀山の家までは急な登りがなくて、大倉尾根のなかで唯一ほっとできる区間です。
駒止茶屋上部の休憩所からは、ゆるやかな木道が続きます。
木道が終わると多少のアップダウンはありますが、気持ちのいい散歩道がしばらく続きます。
天気が良ければ、この辺から富士山が見えるのですが…今日は見えません。
堀山の家~塔ノ岳
堀山の家
駒止茶屋から15分ほどで、5番目の山小屋、堀山の家(ほりやまのいえ)へ到着します。
小屋前の休憩所は小草平(こぐさだいら)と呼ばれる場所で、ベンチやテーブルが5-6組ほど置かれています。
ここから先は本格的な登りになるので、それに備えて休憩している登山者で賑わうところです。
堀山の家から花立山荘までの間が、大倉尾根のなかで最もきつい区間。
ガレ場~階段~ガレ場~階段、というようにガレ場と長い階段が交互に続きます。
まずは左右が崩落した道からガレ場に突入。
このガレ場は短いので、堀山の家でしっかり休憩をとっていれば、問題なく通過できるでしょう。
ガレ場を登りきると長い階段が続く階段地獄へ突入します。
ここの階段が長いです。もうちょっと登ると展望が開けてくるのですが…
ここは、もう、ただ、ひたすら長い階段を上るだけです。
茅場平
階段地獄を登りきると、茅場平(かやばだいら)と呼ばれる平地に出ます。
ここにはベンチが2組置かれている休憩ポイントですが、空いていることが少ないので、だいたい通過してしまいます。
平地は直ぐに木材で土止めされた緩やかな登りに変わります。
ここも段差があるのと、石がゴロゴロしていて歩き難いです。
そして、登山道は再びガレ場にはいります。
先程のガレ場よりは長く続きますが、明るくて上部では展望が開けて眺めがいいです。
疲れていなければ楽しい場所です。
花立山荘手前の急階段。友人T氏が数えたら300段以上あったようです。
ここが大倉尾根の一番きつい所。花立山荘まで行けば一息つけますので頑張りましょう!
花立山荘
やっと6番目の山小屋、花立山荘(はなたてさんそう)に到着です。
ここはテーブルが2組、ベンチが4組ほどあり、景色もいいので絶好の休憩ポイントです。
(今回は天気悪いですが…)
晴れていれば富士山が見えて、相模湾を見下ろすことができます。
秋~冬で空気が澄んでいる日には、大島や伊豆七島まで見渡せる時もあります。
花立山荘は食事メニューが豊富なところもいいですね。
■花立山荘のメニュー
ジュース・コーヒー・ココア
ビール・日本酒・梅酒
月見うどん・ラーメン・牛丼
甘酒、ところてん
■冬季限定
手作りおしるこ・手作り豚汁
■夏季限定
かき氷
夏場、暑い時はここでかき氷を食べてクールダウンして、最後のひと登りに備えます。
(かき氷は、いちご派です。)
花立山荘の詳細はこちら↓
花立山荘ホームページ
※土日のみ営業
花立山荘から山頂までは、元気ならば30分ほどで行けますが、体力を使い果たしていると…
山頂までは…まだまだ..遠いいです。
再び階段状の道を行きます。この辺は段差が高く石ころだらけで歩き難くい。
花立山荘で回復した体力も、一気に使い果たしてしまいそうです。上部はザレた道に変わります。
ザレた道を登りきると一気に展望が開けてきます。ここが花立(はなたて)と呼ばれる場所。
360度遮るものがない! 天気が良ければ景色を見ながら気持ちよく歩ける所です。
花立を過ぎるとヤセ尾根地帯に入ります。
ヤセ尾根地帯は一部崩落している箇所もありますが、しっかり整備されているので問題ありません。
鍋割山(なべわりやま)からの道の合流点、金冷し(きんひやし)に到着。
花立山荘~塔ノ岳のちょうど中間地点ぐらいです。ここから15分ほどで山頂です。
階段と木道の登りです。山頂までもう一息ですが、体力を使い果たしている頃で、なかなか足が進みません。
最後の階段です。これを登りきれば山頂へ到着ですが、ここが、また、きついきつい。
塔ノ岳山頂
到着!
塔ノ岳の山頂です。山頂は広く、崩落防止のため、木材やブロックで土止めされています。
休日のわりに登山者は少な目です。GWの最終日のせいでしょうか。
山頂の中央に「塔の岳 山頂 1491M」と書かれた山頂標識と、尊仏如来の石仏と石碑が祭られています。
天気が良ければ西側に富士山と南アルプスの山々、南側には相模湾が見下ろせます。
秋から冬にかけて空気が澄んでいれば、遠く大島と伊豆七島までも見渡せます。
塔ノ岳からの夜景と日の出は、特にすばらしいと云われていますが…私はまだ見たことがありません。
尊仏山荘
山頂の北側に山小屋、尊仏山荘(そんぶつさんそう)が建っています。
ここは通年営業で宿泊可能。トイレは左の建物を入った奥にあります。
私は天候が悪い時の避難所としてしか、利用したことはありませんが、夕食のカレーが美味しいと評判のようです。
ちなみに朝食はおでんだそうです。
■尊仏山荘のメニュー
ビール・日本酒
ミネラルウォーター・ペットボトルジュース
コーヒー・お茶
カップヌードル
休憩利用の場合、食事はカップヌードルしかありません。
食料を持参していない場合、花立山荘で食事しておくといいでしょう。
塔ノ岳山頂の水場(不動の清水)
塔ノ岳山頂から、下り5-6分の場所に不動の清水と呼ばれる水場があります。
往復すると20-30分かかるので、行ったことがない人が多いんじゃないでしょうか?
トレラン(トレール・ランニング)の人達がよく利用しているようです。
★水場の様子は、以前撮った動画をご覧ください。
↓こちら。雪がちらほらと… ※画像をクリックすると再生します。
下山~あとがき
山頂で1時間ほど休憩してから下山開始です。下山は登ってきた道を下ります。
特に変わったことはなかったのでリポートは省略します。<(_ _)>
あー疲れた~!
ブログ書くのが…(^_^;
大倉尾根はバカ尾根じゃない!っていうところを紹介しようと思って書き始めたのですが…
この日は曇り気味でいい写真が撮れなかったこともあり、ブログを書いててもテンションが上がらず、なんか「だらだらとして長いブログ」になってしまいました。
これぞ、バカ尾根 ならぬ、バカブログ!
チャンチャン!
P.S.
今回天気が悪くて、いい写真が撮れなかったのが残念でした。近いうちに(天気がいい日に)、また行ってきます。
コメント
とても楽しそうですね。大変参考になりました。数年前から塔ノ岳に登りたいと考えていましたが、来年、なんとか計画したいと思っています。
北海道に住んでいますが、何とか気合を入れていきたいと思います。
森乃渓さん、コメントありがとうございます。
北海道に住んでいらっしゃるんですね!
塔ノ岳は、交通の便がいい割には、登りがいがあって、景色もいい山なんですが…北海道からわざわざ登りにくるほどではないかと…(^_^;
私は、北海道の雄大な山に憧れますね。トムラウシとか…登ってみたいです!
大変懐かしく拝読させて頂きました、私は今は交通事故で車椅子ユーザーになりましたが、事故前は登山が大好き人間で多くの山々を登りましたが、最初に登ったのが丹沢で塔ノ岳から下山にバカ尾根を使いましたが、この頃は殆ど整備されておらず、二散歩歩く毎に歩くと言うより飛び降りる状態の山道でした。
尚更に思い出深い山登りとなり思い出深い山です、ちなみに近くの大山は中学一年の時に遠足で行ったのが思い出です。
今は山小屋も整備され登山者には有難い事と思いますが、私にとっては自然が減り魅力減ではすが、山小屋を利用される方も多いかと推察致します。
再度登りたい気持ちは有るも車椅子ユーザーの体では、どうにも成りません。
今はテレビの登山番組を見て思い出したり楽しんだりです。
山登り大好きなダルマさん、コメントありがとうございます。
車椅子ユーザーになって山に登れなくなってしまったんですね。でも、この記事を読んで少しでも楽しんでもらえたなら嬉しいです。この記事を書いたのは2017年5月ですが、大倉尾根は年々登山者が増え、それに伴い登山道の整備が進み、現在ではさらに木道や木段が多くなってきました。歩きやすくはなっているんですが…自然の山道がだんだん減ってきているのはやはり残念です。
初めまして。
20日に妻と二人でバカ尾根に行くつもりです。
今年最後の山です。
私は3回ほど登っています。
もう二度と行くかって思っているバカ尾根ですが、天候が良ければそれなりに展望も良く、脚も鍛えられます。
ただ、妻が登山初心者なので少し不安です。
従って電車は使わず、早目に車で千葉から出発します。
6時過ぎから登り始めようと思います。
記事はとても参考になりました。
Einhafenさん、コメントありがとうございます。
大倉尾根は何回登ってもきついコースですが、展望は素晴らしく、トレーニングにも最高の山ですね。
私は毎年必ず登っているのですが、今年はまだ登れていません。(泣)
初心者にはかなりきついコースなので、無理をせずにゆっくりと楽しんできてください。
お気をつけて!