近年、クマに襲われたというニュースや目撃情報をよく見かけるようになってきました。
中には「熊鈴をつけていたにもかかわらず、襲われた!」という衝撃的な事例もありますね。
今や、低山でも山歩きを楽しむにはクマ対策は必須です。
しかし、クマ対策についてネットで調べてみると全く正反対の意見があり、「何が良いのか?悪いのか?」わからないという状況でした。(^_^;
クマ対策に万全の対策はない! というのが実情なんですね。
そこで、信頼できる情報を元に私なりのクマ対策をまとめてみることにしました。
まずは予防編です。
クマに遭遇したときの対処編は↓こちら。
クマ対策は大丈夫?
前回と前々回のブログで「ブヨ対策」について書いてきましたが、書いている途中でだんだん心配になってきた事がありました。
そう、クマです。
去年の4月~5月頃からクマに襲われたというニュースや、目撃情報をよく見かけるようになってきましたね。
クマ対策としては、なんといってもクマに遭遇しないことが一番です。
クマは人間がいることが分かれば、警戒して近くに寄って来ないということなので、人が少ない登山道では、必ず熊除けの鈴を付けて歩いているんですが……
衝撃的なニュース~熊鈴が効かない?
つい最近、衝撃的なニュースがありました。
秋田県仙北市田沢湖玉川の山中でタケノコ採りをしていた女性が、熊除けの鈴をつけていたにもかかわらず、クマに襲われたというニュースです。
●事件発生は2017年5月27日、詳しくはこちら↓NHK NEWS WEB
鈴やラジオの音を恐れない「新世代クマ」が登場しているとの見方もあるようです。
鈴の音を聞いて逆に人間に近づいてくるクマも例外的にいるとか。なんとも恐ろしい状況です。
熊除けの鈴が効かないとしたら山でクマに遭遇する確率は高くなります。
クマに遭遇した時の対処方法をしっかりと、頭に叩き込んでおかなければいけません。
クマに遭遇したら?~あやふやな知識
それで、クマに遭遇した時はどう対処すればいいんだったけ?
と考えてみると…
- 背中を見せて逃げてはだめ
- ゆっくり後ずさり、その場から離れる
だったっけ…あれっ?
クマが近づいて来たら、どうすればいい?
あれっあれっ?
クマが襲いかかってきたら?
逃げるか?戦うか?死んだふり?
???
熊除けの鈴を付けていることで安心していたのでしょう。
知識があやふやで実際にクマに遭遇したら、全く対応できそうもないことに気が付きました。(^_^;
これは、マズイ!
ほんとうに、ヤバイ!
クマ対策の調査~正反対の意見
というわけで、あらためてクマ対策について調べ始めたんですが…
あー、クマったクマった~(困った困った~)
なにが困ったかって?
クマ対策について掲載しているサイトは数々ありますが、全く正反対の意見が入り混じって、何がいいのか悪いのか、調べれば調べるほど、わからなくなってきました。(^_^;
それは、もう、ブヨ対策以上に、いろいろな情報が錯綜しています。
たとえば、クマに遭遇した時に、
- 死んだふりは自殺行為
- 木に登るのは危険
とするサイトがある一方、以下のような意見もあります。
- 死んだふりをして助かった
- 木に登るのが有効
さらに、クマに襲われた時は、
- 戦う
- 抵抗しないで防御姿勢をとる
という真逆な方法や、肝心の襲われた時の対処方法が書かれていないサイトも多いんですね。
一番大事なところなんですが……
クマ対策の調査~信頼できる情報は?
ブヨ対策であれば多少間違っていても大きな被害にはなりません。
しかし、クマ対策は命に関わるものなので、信頼できる情報が欲しいものです。
そこで、信頼できる情報としてクマの専門家が書いた(語った)下記2冊の書籍を、クマ対策の良し悪しを判断する基準にすることにしました。
(他に信頼できる判断基準がなかったので)
著者:米田一彦著
発行:つり人社(2017年発行)
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語り手 :姉崎等
聞き書き:片山龍峯
発行:ちくま文庫(2002年発行)
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著者は二人ともクマの専門家ですが、米田氏はツキノワグマの研究科、かたや姉崎氏はヒグマの猟師。
クマとの係わり方が全く違うので、クマへの考え方や対処方法の違いがあります。
また、両書籍ともクマ対策としては「断片的な詳しい情報」か「箇条書きの簡単な説明」のみで、マニュアル的にまとまった内容ではないんですね。
クマ対策に万全な対策はない
そこで、上記2冊を判断基準として、あたらめてネット上でクマ対策を調べ直しました。
私が調べた中では、「知床財団」のサイトが一番参考になりました。
知床財団>ヒグマ対処法
※クマに出会ってから、襲われるまで状況別(クマとの距離別)に、対処方法が詳しく記載されています。
ただし、クマに話しかけるとか木に登れとか、上記2冊で推奨していない対処方法も記載されています。
つまり、クマ対策に万全な対策はない!ということでしょう。
クマと遭遇した時の状況やクマの個体差(性格)によっても、対策として有効か無効かが変わってくるのでしょう。
いざというときのために、自分なりの対処方法を考えておいたほうが良さそうです。
クマに遭遇しないための予防方法
というわけで、自分なりのクマ対策(予防と対処)をまとめてみました。
まずは、クマに遭遇しないための予防方法です。
クマ被害を避けるためには、クマと遭遇しないことが最も重要です。
クマに遭遇しないための予防方法は下記の4点になります。
1. 心構え
山に入ったら、いつどこでクマに出会うかわかりません。
クマに遭遇しないように常に心がけ、努力することが大切です。
2. 熊鈴・笛~人間がいることをクマに知らせる
クマ除けの鈴を携行し、常に鳴らしておくこと。
グループ登山の場合は、話ながら歩くのも有効です。
クマが人間の存在に気がつけば、たいていはクマが先に避けていくようです。
ただし、最近では人間の存在に気づいて近づいてくる「新世代のクマ」がいるという説もあるので安心はできません。
熊除け鈴はこれがおすすめ↓
また、沢沿い(沢の音)や風の強い日(風の音)はクマに鈴の音が聞こえない場合もあります。
見通しの悪いところでは笛やホイッスルを吹くのが効果的です。
最近のザックはチェストベルトがホイッスルになっているモデルも多いので、ホイッスルを携行していない人はザックのチェストベルトを確認して見ましょう。
3. 登山道を外れて歩かない
登山道は見通しが良い場所が多く、人間からもクマからも、相手の存在に気が付きやすいため比較的安全です。
逆に、登山道を外れた、草むら・ヤブ・林の中は危険です。
見通しが悪いので、出会い頭にクマとバッタリ出会ってしまう可能性が高くなります。
特に、山菜採りは危険といえるでしょう。
山菜・タケノコはクマの食料になるので、クマが付近にいる(近づいてくる)可能性がありますが、山菜採りに夢中になって、クマの接近に気付きにくいのです。
クマからすれば、食事場を人間に荒らされると思うかもしれず、登山道を歩くのに比べ、危険はいっそう高まります。
(熊鈴やラジオが効果なく襲われるケースは、山菜採りが多いようです)
4. クマに近づかない~フィールドサインに注意!
近くの草むらや林の中でこんな音が聞こえたら要注意です!
クマが潜んでいるかも知れません。確認するためにわざわざ近づいたりせずに、その場を離れたほうが得策です。
クマは地上にいるとは限りません。木の上にも注意が必要です。
その他には、子グマを見つけても絶対に近づかないこと。近くに母グマがいるのでとても危険です。
クマの新しい糞、足跡、熊棚を見つけたら、そばにクマがいる可能性が高いので、引き返したほうが安全です。
クマのフィールドサインは、素人が判断するのは難しいですが、以下の説明が参考になるでしょう。
ツキノワグマの糞
引用:山でクマに会う方法(米田一彦著)
季節によって食べるものが違うので色も形もさまざま。大きさは夏であれば、直径15センチぐらいに広がる。秋には直径4センチ、長さ15センチぐらいになり、人間のものとよく似ている。
ツキノワグマの足跡
前足の長さは15センチぐらい、後ろ足の長さは16センチぐらい。歩幅は人間ぐらいで、とくに雪の上の足跡は人間のものに似ている。
熊棚
クマは木の実を食べるとき、自分は太い枝に座り、実がなった先端の枝を次々に手繰り寄せて折る。そして食べ終わった枝は自分の尻に敷くので、しだいに中ほどが鳥の巣状のベッドになるのだ。
クマの糞、足跡は、↓こちらのサイトが参考になります。
あきた森づくり活動サポートセンター
※クマの生態が詳しく記載されています。
コメント
熊鈴を勧められていますが、鈴木さんがこれから登山されると思いますが、熊の存在を先に見つけた場合、熊鈴を鳴らしてみてください。
熊が逃げていくかどうか確認してください
もしそこで熊鈴を鳴らす勇気がなければ熊鈴は付けない方がいいと思います
RyoTさん、コメントありがとうございます。
熊除けの鈴をつけて歩くのは、クマに人間がいることを知らせて鉢合わせを防ぐため。クマが人間の存在に気が付けば、クマのほうで避けてくれる可能性が高いからです。
もしも、熊の存在を先に見つけた場合は、クマを刺激しないようにその場を立ち去ります。わざわざ鈴を鳴らして、クマの注意を引くような行為は危険ですね。
熊鈴も絶対ではないし食べ物がなくなる季節に冬眠しない熊てわからないですけど皆様も気をつけて過ごしてください。
悲しいニュースを見聞きしたくはないですよ。
私も幸せに暮らしたいな
はなはなさん、コメントありがとうございます。
この記事を書いたは2017年ですが、去年(2023年)あたりからクマ出没&被害が異常なほど多くなっていますね。
クマの行動も変化しており、中には冬眠しないクマを増えているとか……
最新の情報をふまえ、あらためてクマ対策について調査してみようと思います。