
テント設営で一番重要なのは場所選びですね。
快適に過ごせるかどうか、充分な睡眠がとれるかどうかは、テントを張る場所にかかっていると言ってもいいでしょう。
今回はテント設営場所の選び方の極意?を紹介します。
迷わずに効率的に最適な場所を決められる実践的な方法です。
テント設営の基本~1番重要なのは設営場所
テント設営で1番重要なのは設営場所です。
同じテント場でもテントを張る場所によって、天国と地獄のように(これは少しオーバーですが…)快適さが変わってくるのです。
危険な場所を避けるのはもちろんですが、快適なテント生活を送るためには、なるべく「水平で平坦な場所」を選ぶことが重要です。
傾斜が強い場所や、地面に凹凸のある場所では過ごしにくく、十分な睡眠をとることはできません。
その他にも、以下のように好みや状況によっても選び方は様々です。
- トイレや登山道のそばは避けたほうがいい
- 小屋や水場から離れたほうが静かで落ち着ける
- 逆に、小屋や水場のそばのほうが便利
また、展望が良いテント場であれば、景色がよく見える場所に張りたいですね。
テントの中から山の景色が見えれば…もう最高!
でも…最適な場所選びって難しい!
でも、最適な場所選びって難しいですね。
実際にテント場に到着して、設営場所を選ぶ段階になってみると、何処に張るのがベストなのか?
迷いに迷って、なかなか決まらないことがよくあります。

さーて、何処にテントを張ろうかな…
水平で平坦な場所が空いていれば、すぐに決まるケースが多いですが、
山のテント場ではそんな好条件な場所は少ないし、良い場所は早めに到着しないと確保できません。
(逆に、良い場所がありすぎて迷ってしまう場合もありますが…それは稀なケースです)

この辺がいいか…やっぱり、あっちの方が良さそう…
少しでも快適な場所にテントを張りたいので、設営場所選びは慎重になってしまいます。
一度決めた場所でも、他の場所のほうが良さそうに思えてくることもちょくちょく。
そして、テント場の端から端まで行ったり来たり…

うーん、迷うなぁ…
早くテントを張ってゆっくり、のんびりしたいんですが、何処に張ったらベストなのか?という判断はなかなか難しい。
テント泊を始めた初期の頃は、場所選びだけで30分以上かかってしまうこともよくありました。
最近は、ようやく悩まずにテントを張る場所を決められるようになってきました。
今回はそんな私の最適なテント設営場所の選び方の極意?を紹介しようと思います。
テント設営場所の基本条件
まずは、テント設営場所の基本条件を説明しておきましょう。
以下の条件をすべて満たしている所が、最適なテント設営場所となるはずです。
基本は知ってるよ、という人は↓こちらへジャンプ。
最適なテント設営場所の選び方の極意?
危険な場所を避ける
最も重要なのはテントを張ってはいけない危険な場所を把握しておくことです。
キャンプ指定地であれば何処にテントを張っても安全とは限りません。
安全か危険かは自分で判断することが必要です。主な危険な場所は下記の3つ。
- 崖の近く(崖の下、崖の上)
- 風の通り道(強風)
- 水が流れる場所(川の近くや中州、窪地、水が流れた跡がある場所)
1. 崖の近く(崖の下、崖の上)
崖の近くは上下とも危険です。
崖の下なら落石や、大量に雨が降った場合には、土砂崩れの危険があります。
崖の上でも荷物が転がって崖の下へ落としたり、自分自信が滑落する危険があります。
夜は暗闇で周囲が見えなくなるので特に危険です。
2. 風の通り道(強風)
風はテント泊の大敵です!
強風でテントが飛ばされる危険があります。
谷状の地形は、風の通り道になることが多いので避けること!
風が強いテント場では、なるべく風を遮るものの近くに張りましょう。
テントが飛ばされそうな強風や、突風が吹く場合は、小屋泊まりに変更したほうが安心です。
3. 水が流れる場所
川の流れの近く(低い場所)や中州は雨が降ると増水して、テントが流される危険があります。
川のそばでなくても、窪地や水の流れた跡がある場所(水の通り道)も避けたほうがいいですね。
雨が降るとテントが浸水してしまう可能性があります。
山の天気は変わりやすいので、晴れているからといっても安心はできません。
天候が急変することはよくあることです。
常に雨が降ってくることを前提に考えるべきです。
快適な場所は?
危険な場所を避けた上でなるべく快適に過ごせる場所を探します。
好みや状況によって変わってくる場合もありますが、私が考える快適な場所の条件は下記の通りです。
- 水平で平坦な場所
- 日当りが良くて水はけが良い場所
- 景色がいい場所
- 避けたほうがいい場所
- トイレ、登山道、大人数のテントの近く
- 草むらや樹木の近く、高山植物の上
- 小屋の近くは状況次第?
1. 水平で平坦な場所
なるべく水平(傾斜の少ない)で平坦な場所を探します。
小石や突起物も無い方がいい。これが、快適に過ごすための第1条件となります。
傾斜が強い場所や地面に凹凸のある場所では過ごしにくく、荷物を置いておくにも、食事をするにも不便です。
そんな場所では充分な睡眠をとることも難しいでしょう。
水平な場所がない場合は、できるだけ傾斜が弛い場所を探します。
テントを張って寝転がった時に、体が上下に傾く(頭が上で足が下)傾斜地ならOKです。
体が左右に傾く傾斜地はNG。
寝ているうちに、だんだん体が左右にずれてきて眠りにくいからです。
2. 日当たりが良好で水はけが良い場所
水平で平坦な場所の次に重要なのが、日当たりが良好で水はけが良い場所です。
日が当たる場所のほうが気持ちよく過ごせるし、汗や雨で濡れたものも乾きやすいですね。
水はけが良い場所なら、多少雨が降っても、テントが水没する心配もありません。
3. 景色が良い場所
なるべく景色が良いに越したことありませんが、快適に過ごせるかどうかという点においては、景色が良い場所というのは優先度は低くなります。
しかし、多少快適さは犠牲にしても、景色が良い場所を選びたい時もありますね!
その時の状況、体調や天気によっても変わってきます。
4. 避けたほうがいい場所
●トイレの近く
トイレの近くは匂いが漂ってくる場合があるので絶対に避けたいですね。
夜中に人が通ることも多く、トイレの扉の開閉音も気になります。
●登山道の近く
登山道の近くも人通りが多いので避けたい場所です。
テントの張り綱に足を引っ掛けられてしまうケースもよくあります。
●大人数のテントの近く
大人数のテントはうるさいですね。
人数が多ければ多いほど、賑やかになるのはしかたないことです。
なるべく離れた場所にテントを張るしかありません。
しかし、後から到着して近くにテントを張られるケースもあります。
それを回避するには、はじめから、大人数のグループがテントを張りやすい場所(小屋や水場の近く、広い場所)は避けたほうがいいでしょう。
- 小屋や水場の近く(便利なので)
- 広い場所(大きなテントを張りやすい)
●草むらや樹木の近く
これは虫対策です。草むらや樹木の近くはプライベート感(個室感)があって、好む人もいるようですが、虫が多い場所です。
樹林帯の中にあるテント場では避けることは難しいですが、なるべく離れた場所を選びます。
テント場の虫対策については、↓こちらの記事をご覧ください。

●高山植物が生えている場所
テント場の中には高山植物が生えているサイトがあります。
いくら最適な場所であっても、高山植物の上にテントを張るのは避けましょう。
これは登山者のマナーです。
5. 小屋の近くは状況次第?
小屋の近くはテント場で一番賑やかですが、比較的に人気がある場所です。
小屋に近いので利便性が高いのと、水平で平坦な場所が多い傾向があるからでしょう。
天候が悪い場合(強風、大雨)も小屋の近くのほうが安心です。
危険になったらすぐに小屋に逃げ込めるからです。
私は静かな場所のほうが好きなので便利さは後回し。
小屋や水場から遠い場所を選ぶことが多いです。
でも、時には賑やかな場所にテントを張って、近くの人と交流するのも楽しいですね…
テントの向きと頭の向き
テントの設営場所が決まったら、次に迷うのがテントの向きですね。
テントの向きは、入口が風下になるように張るのが原則です。
風上に入口があると、入口から風が吹き込んで、テントが飛ばされやすいからです。
ただし、風の向きは一定とは限らないので、風の向きが定まらない場所ではそれほど気にする必要はありません。
景色が良い場所では、入口から景色が見える方向に張ったほうがいいですね。
登山道に面してる場所では、入口が登山道の反対側になるよう張ります。
(登山道からテントの中が見えないように)
- 入口は風下方向に向ける(原則)
- 景色が見える方向に入口を向ける
- 登山道に面している場合は、入口は登山道の反対側
なお、グループ登山で2張り以上テントを張る場合は、入口と入口が向かい合うか直角になるように張ると、真ん中に宴会スペースが確保できますね。
↓こんなふうに
頭の向き
傾斜地にテントを張った場合は、高いほうを頭にして、低いほうを足にするのが基本です。
それが、自然な睡眠がとれる体制です。逆だと(頭の方が低くなると)眠りにくいですね。
水平な場所であれば頭の向きはお好みで。私の場合は入口に近いほうを頭にします。
外の景色が見やすいし、明るくて風通しも良いからです。
でも、寒い日だったら逆にしたほうが少しは温かいですね。
最適なテント設営場所の選び方の極意?
ここからは、最適なテント設営場所の選び方の極意?を紹介していきます。
良い場所にテントを張るには、テント場に早く到着することが鉄則ですが、迷わずに、効率的に、最適な場所を選ぶ方法があるんです。
ポイントは以下の4つです。
- テント場の真ん中から探しはじめる
- 選ぶ基準は「水平で平坦な場所」に絞る
- 良さそう場所を見つけたらキープ
- 迷ったら真ん中に近い場所を選ぶ!
それぞれ詳しく説明していきましょう。
1. テント場の真ん中から探しはじめる
第1のポイントは、テント場の真ん中あたりから探し始めること。

どうして、真ん中からなの?
経験上、テント場の真ん中あたりが1番快適な場所である確率が高いからです。
以下のような特徴(傾向)があります。
- 危険な場所(崖のそばや、水の流れる場所)が少ない
- 日当たりが良くて水はけが良い
- トイレや登山道から離れている
樹林帯の中でなければ草むらや樹木も少ないので、虫対策としても最適な場所です。
テント場の真ん中近くに良さそうな場所がなければ、外側へ捜索範囲を広げていきます。
2. 選ぶ基準は「水平で平坦な場所」に絞る
テント場で最適な場所を選ぼうとするときに、なかなか決まらない(迷う)原因は何でしょうか?

快適な場所の条件がたくさんあるから…何を優先すればいいのか?
そうですね。テント設営場所の基本条件に記載したように、快適な場所の条件がたくさんあるから迷ってしまうんですね。
でも、テント場の真ん中から探し始めることによって、快適な場所の条件の多くはクリアされています。
したがって、1番重要な「水平で平坦な場所」であることに絞って探せばいいんです。
3. 良さそうな場所はキープ
一旦良さそうな場所が見つかっても「もっと良い場所があるかもしれない」と思うのは人の常。
そんなときは、レジャーシートなどを敷いてキープしておきましょう。
レジャーシートは、風で飛ばされないように(勝手に移動されないように)、4隅に石をおいて固定しておきます。

ザックを置いておけばいいんじゃない?
ザックを置いただけだと「これからテントを設営する」のか「撤収した後」なのか、
はたまた「近くのテントの人の荷物」なのか、はっきりとわからないからです。
混雑しているテント場だと、ザックを置いたそばにテントを張られてしまう可能性もあります。

なるほど……
キープし終わったら他の場所を探しに行きましょう。
4. 迷ったら真ん中に近い場所を選ぶ!
テント場を一通り探しても良さそうな場所が見つからなかったら、もう一度真ん中へ戻って探します。
テント場の様子はだいたい把握しているはずなので、二度目のほうが選びやすいでしょう。
それでも、ベストな場所が見つからない場合は、やはり真ん中に近い場所を選びます。
これには特に理由はありません。ただの決めごとです。
「迷ったら真ん中に近い場所」と決めておけば、迅速な場所選びができるということ。
あとがき
テントの設営場所が決まったら、早くテントを張って、ゆっくり、のんびりしたいですね。
でも、テントを張る前にやっておくべき重要な作業がまだあります。
それは地面の整地です。次回の記事にアップする予定です。
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