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テント泊の小技14~ペグが打てない?強風時のテント設営と耐風性アップ

風が強い北アルプス・大天荘のテント場

今回はテントの強風対策です。

ペグが打てない場所で強風時にテントを設営する方法と、強風でも安心して過ごせる、耐風性アップの方法を紹介します。

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強風時のテント設営方法は?

テント本体の4隅をペグで固定する(基本)

強風時にテントを設営するときは、先にテント本体の4隅(風上→風下の順)をペグで固定するのが基本です。

これで、テントが風で飛ばされることがなくなるので、その後、フライシートや張り綱を設置(風上→風下の順)すればOKです。

書籍やネットでもよく紹介されている方法ですね。

だが、しかし…

山のテント場は、ペグが打てるとは限りません!

いや、むしろ、ペグが打てる場所は少ないでしょう!

特に風が強い稜線の近くにあるテント場は、岩稜地帯がほとんどなので、ペグは刺さらないと思っていたほうがいいでしょう。

強引にペグを叩き込もうとすると、ペグが折れたり、抜けなくなってしまうこともあります。

ペグが打てない?

じゃー、どうすればいいの?

ペグが打てない場合は、ザックを重石代わりに使う

ペグが打てない場合は、ザックを重石(おもし)代わりに使えばOKです!

風でテントが飛ばされないように、先にテントの中へザックを入れてしまうんです!

なるほど…でも…

強風の中、どうやってテントの中にザックを入れるの?

いい質問です!

言葉で言うのは簡単ですが、実際に強風の中で実行するのは大変ですね。

でも大丈夫!

それなりの作業手順とコツをつかめば、強風の中でも、テントを設営できるようになります。

強風×ペグが打てない場合のテント設営手順

ということで、具体的なテント設営手順を説明していきましょう。

強風時にペグが打てない場合は、以下の7ステップでテントを設営します(ダブルフォールテントの場合)。

テント設営手順(強風×ペグが打てない場合)
  • STEP1
    素早く整地する
  • STEP2
    テント本体の4隅に石を載せて広げる(風上→風下)

  • STEP3
    ザックをテントの中に入れる(重石代わり)

  • STEP4
    テントポールを組み立て、テント本体に設置する
  • STEP5
    テント本体を素早く立ち上げる
  • STEP6
    テント本体にフライシートを被せて固定する(風上→風下)

  • STEP7
    張り綱を張ってテンションをかける(風上→風下)

テントの種類によって設営方法が異なる箇所がありますが、だいたい同じような手順でOKです。

それぞれの手順は、以下で詳しく説明します。

1. 素早く整地する

テントを張る場所を決めたら、素早く地面を整地します。

整地とは石ころや木の枝等を取り除き、地面を平坦に整える作業です。

整地は念入りにやっておいたほうが快適に過ごせますが、強風の場合はそんな余裕はありません。

時間をかけて整地するよりも、テントを張ることを優先したほうが良いでしょう。

大きめの石や突起物だけどかして、さっさとテント張ってしまいます。

テント設営後、テントの下に気になる石ころや突起物がある場合は、ミニスコップやペグ、スプーン等を利用してできるだけ取り除きます。

整地の方法は↓こちらの記事を参考に!

2. テント本体の4隅に石を乗せて広げる

テント本体の4隅に石(レジ袋で代用)をおいたところ

整地が終わったら、テント本体の4隅(風上→風下の順)の近くに、大きめの石を乗せてテントを広げます。

この石はテントを立ち上げるまでの一時的な重石になります。

テントポールをスリーブに通す時に邪魔にならないように4隅からは少しずらしておきます。

3. ザックをテントの中に入れる(重石代わり)

テント内へザックを入れたところ

テント本体の中へザックを入れて重石代わりにします。

ザックを置く位置はなるべく風上側に寄せたほうが良いですが、テントポールを通す時に邪魔になる場合は真ん中辺でも大丈夫。

要はテントを立ち上げた時に強風で煽られてもテントが飛ばされなければOKです。

ザックをテント内へ入れたら、風が吹き込まないようにテントの入り口は必ず閉じておきます。

テント内へザックを入れて、入り口を閉じたところ

4. テントポールを組み立て、テント本体に設置する

テント内へザックを入れて、テントポールを通したところ

テントポールを組み立てて、通常通りテント本体のスリーブに通します(スリーブ式の場合)。

ザックがテント内にあるので、多少やりにくいですが、問題なく通せるはずです。

テント4隅に置いた石が邪魔になったら石をずらせばOK。

5. テント本体を素早く立ち上げる

テント本体立ち上げ時には風に煽られやすいので、なるべく風が弱くなった時を見計らって、素早く一気に立ち上げます。

テントを立ち上げると、風の抵抗も強くなるので安心はできません。

以後の作業は風が強い時は、手や足でテントをおさえ、風が弱まったときに素早く作業を進めます。

強風といっても常に強い風が吹き続けているわけではなく、強くなったり弱くなったりの繰り返しです。風が強くなっている間はテントが飛ばされないように手や足で抑えておき、風が弱くなったときに素早く作業を進めるのがコツです。

6. テント本体にフライシートか被せて固定する(風上→風下)

フライシートの風上側2箇所を本体と接続したところ

風上側から下記の手順でフライシートをかぶせます。

1)フライシートの風上側の2箇所をテント本体に固定

2)フライシートをテント本体に被せる

3)フライシートの風下側2箇所をテント本体に固定

7. 張り綱を張ってテンションをかける(風上→風下)

最後に張り綱を固定すれば完了です。

テント4箇所の張り綱を、風上→風下の順に固定していきます。

ペグは打てないので張り綱の先(ペグ側)に大きな石を巻き付けて固定します。

張り綱を固定したら、緩まないようにしっかりとテンションをかけておきましょう。

さらに、張り綱を固定した石の周りや石の上に重石を敷き詰めて、絶対に移動しないように補強します。

目安は手で引っ張っても石が移動しないくらいの強度が必要です。

以上でテント設営完了です。

張り綱の先(ペグ側)を石に巻きつける際には、エバンスノットで結んでおくと便利です。エバンスノットの結び方は↓こちらの記事をご覧ください。
テントの張り綱結びにおすすめ!エバンスノットの結び方(2通り)
山でテントを張る時に知っておくと便利な、エバンスノットの結び方を紹介します。結び方は2通り。文章だけではわかりにくいので動画も作成しました!

耐風性アップ方法

さて、強風の中テント設営は完了しましたが…これだけでは…まだ心配です。

ペグを打てる場合は本体4隅と、張り綱4箇所、合計8箇所固定できるんですが、ペグが打てない場合は張り綱の4箇所しか固定できていません。

でも大丈夫です!

ペグが打てなくても耐風性をアップする方法がありますので、ついでに簡単に紹介しておきましょう。

1. テント内の4隅に石を置く

テント内の4隅に重石を置いたところ

テント内の4隅に大きめの石をおいて重石にします。

上の写真のよう石をレジ袋の中に入れておけば、テント内が汚れずに済みますね。

これで、合計8箇所固定することができるので安心です。

2. 張り綱を2~4本追加

張り綱の張り方(1箇所2本)

通常、張り綱は1箇所1本ですが、1箇所2本張ることによって強度を高めます。

張り方は1本の場合は、テントの対角線の延長線上に張りますが、2本の場合は、長辺と短辺の延長線上になるように取り付けます。

風上側だけ追加する場合は2本でOK、風上と風下両方強化する場合は4本追加。

予め張り綱を余分に用意しておく必要がありますが、強風が予想される場所に行くのなら用意しておくと安心です。

強風時の注意点

さいごに、強風時のテント設営の注意点を簡単にまとめておきましょう。

以下の3点です。

強風時のテント設営の注意点
  1. なるべく風を避けられる場所に張る
  2. テントの入り口は風下へ向ける
  3. テントや収納袋が飛ばされないように注意!

1. なるべく風を避けられる場所に張る

強風時はなるべく風を避けられそうな場所に張ったほうが安心ですね。

なんの障害物もない吹きっさらしの場所はなるべく避けたいものです。

2. テントの入り口は風下に向ける

テントの入り口は風が直接テント内へ吹き込まないように、風下または、風が吹き込みにくい方向に向けるのが基本です。

3. テントや収納袋が飛ばされないように注意!

風でテントや荷物が飛ばされないように注意するのは、あえて言うまでもないことですね。

でも、忘れがちなのがテントやテントポールの収納袋です。

無造作に地面に置いたり、うっかりと手を離してしまうと、一瞬で風に吹き飛ばされてしまいます。

収納袋はズボンのポケットか、ザックの中にしまっておきましょう。

あとは、テントを固定できるまでは絶対に手をはなさないこと。

必ず手か足でテントを抑えておくようにしましょう。

風は日中よりの夜中のほうが強くなる傾向があり、日中は大丈夫でも、夜中に激しくなる場合がよくありますのでご注意を!

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