表銀座の途中まで…テント泊縦走レポ#4(燕山荘~大天荘) | 山旅GOGO
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表銀座の途中まで…テント泊縦走レポ#4(燕山荘~大天荘)

大天井岳頂上
大天井岳の頂上

北アルプス・表銀座テント泊縦走レポの続き(1日目/後半)です。

燕山荘~大天荘までのコースも 7月にパノラマ銀座を縦走した時と同じコースです。

前回、見落としてしまったポイントや、よくわからなかった場所があったので、よーく注意して歩きました。

大天荘のテント場は風が強かった!

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燕山荘~大下りノ頭

燕山荘から見た槍ヶ岳(西側のテラスから)

燕山荘のテラスでしばらく休憩。軽く食事をとって水を補給しておきます。

水は燕山荘の東側テラスの売店で、1L=200円で販売しているのでプラティパス(1L)に汲んでもらいます。

(ここは、セルフサービスではありません)

今日の目的地は大天荘(だいてんそう)。今回は燕岳へは登りません。

燕岳は前回来た時に登っているし、時間的、体力的にも燕岳へ登る余裕はありませんので。30分ほど休憩し、体力も回復してきたところで大天荘に向けて出発します。

標準コースタイム
燕山荘~大天荘:3時間40分

時刻は11:30頃、この分なら午後3時頃に大天荘まで行けそうです。

燕山荘の東側(右側)から、大天井岳・槍ヶ岳方面へ緩やかに下って行きます。

まだまだ先は長いですが、ここから先は大展望の表銀座縦走路です。

天気もいいので、ゆっくり景色を楽しみながら歩きましょう!

前方には、槍ヶ岳~大キレットへ続く稜線。

右手方向には、槍ヶ岳~西鎌尾根に続く裏銀座の山々。

(鷲羽岳~水晶岳~野口五郎岳~三ッ岳~烏帽子岳)

後方には燕岳、その左奥には7月末に行った立山が…

さらに…もう少し進むと…

蛙岩(げえろいわ)近くまで行くと、燕岳の後ろに隠れてた北燕岳が姿を見せます。

その左奥には、剱岳、針ノ木岳も見えてきました。

針ノ木岳のきれいな三角形が印象的でした。

蛙岩(げえろいわ)

燕山荘から30分ほどで、蛙岩(げえろいわ)のある巨岩地帯が見えてきました。

大天井岳も見えますね。

前回は蛙岩がどれなのか?なんだかよくわからなかったので、今回はじーっくりと見ていきましょう!

だいぶ近づいてきました。

遠くからだと1つの岩塊が2つに割れていように見えましたが、近寄ってみると、左側の岩塊が手前にあり右側の岩塊はその奥に位置しているようです。

まずは、手前の岩塊の間を通り抜けます。

すると、奥の岩塊が見えてきますが…近づいてみると…

その前にY字形に割れた壁が立ちはだかります。

Y字形の割れ目を通り抜けて…奥の岩塊の前に到着しました。

これが蛙岩(げえろいわ)のようです。上の写真の赤枠のところには「冬ルート」と書いてあります。

冬季はこの岩塊の上(間)を越えて行くようですが夏道は左側へ周り込みます。

蛙岩の左側に回り込む場所に「燕山荘 1.2KM ⇔ 大天井岳 5.6KM」と掘られた標識が立っているんですが、

この標識側から蛙岩を見てみると…

おーっと!

この角度から見ると、蛙がしゃがんでるように見えるじゃないですか!

これが蛙岩の正体か?

体の割に頭が小さいですが、大きな頭はくずれてしまったのかもしれません。

これが蛙の正体か?どうかは実際のところわかりませんが、とりあえず納得して先へ進みます。

大下りノの頭

燕山荘から1時間ほどで大下りノ頭へ到着。

ここまでは多少のアップダウンはありますが、緩やかな稜線歩きです。

ここから一気に100mほど下ります。下ってからの登り返しがキツイところです。

前回はここの登り返しで一気に体力を消耗してしまいました。(^_^;

ここから先に前回見落としてしまったポイントが2つあるので注意して歩きます。

↓この2つです。

・為右衛門吊岩
・喜作レリーフ

大下りノ頭~大天荘

為右衛門吊岩(ためえもんのつりいわ)

為右衛門吊岩(ためえもんのつりいわ)とは、大下りノ頭から切通岩の途中にある岩で、人の名前が付いた岩なんて珍しいと思って気になっていたポイントです。

前回来た時は見つからず、今回はよーく注意していたんですが….

結局、わかりませんでしたー!

上の写真はスマホの「山と高原地図アプリ」のスクリーンショットです。

「山と高原地図アプリ」のGPS機能で、自分の位置を確認しながら歩いたんですが、それらしい岩は見つからず…通り過ぎてしまいました。

私と前後して歩いていたカップルも、この岩を探していたようですが、やはりわからなかったようです。

ネットで為右衛門吊岩を検索してみると、以下のような記載がありましたが……
・大下りの頭を下って登り返す時に眼前に見える大岩。
・夏道はこの岩の左下についている。(迂回しているため通らない)
・昔、太った猟師の為右衛門を吊り上げた場所

場所を特定することはできませんでした。m(_ _)m

為右衛門吊岩は確認できませんでしたが、その代わりに↓こんな岩を見つけました。

人の顔にみえませんか?

モアイ像のような…場所は為右衛門吊岩のポイント付近(手前?)です。

2699m地点~大天井岳の鞍部

(大下りの頭から約1時間)

大下りの頭を登り返したところで、見通しのいい緩やかな登り道に出ます。

前方に大天井岳の手前のピーク(2699m地点)が見えてきました。

この辺はコマクサの群生地帯で、登山道に沿って両側に緑色のロープが張ってあります。コ

マクサの見頃は7月中~8月中なので、もう咲いていませんが…

(前回来た時は咲いていました!)

大天井岳の手前のピーク(2699m地点)を越えたところ。

どっしりした大天井岳の姿が目の前に迫ってきます。

ここから大天井岳の鞍部までは緩やかな下りになるので一息つける場所ですね。

切通岩(きりどおしいわ)の少し手前、2699m地点と大天井岳の鞍部です。

ここから本格的に大天井岳への登りになるので、その前に休憩してエネルギーを補給しておくことにします。

Aさんと再会…

すると…

前方からどこか見覚えのある人がやってきました。

夜行バスで隣の席だった人(Aさん)ではないでしょうか?

バスの中ではほとんど話さなかったので確信はなかったんですが…

私:こんにちは~
A:こんにちは~

と挨拶を交わすと向こうも気がついた様子で、

私&A:バスで隣でしたね~?

とお互いに、ほぼ同時に確認し合ってしまいました。(^o^)

Aさんの方も、隣の席の人だと気がついたけど確信はなかったようですね。

なんせ、バスの中ではほどんど話してないんですからねー!

行き先も一緒…

お互いに確認し合ったところで行き先を聞いてみると、

私:今日はどちらまで?
A:大天荘まで。
私:一緒です!…明日は?
A:槍ヶ岳。
私:一緒です!…明後日、上高地に降りる予定です。
A:一緒です!

ということでコースと日程が全く同じでした!

夜行バスで隣の席だったという縁もあって、一気に仲良くなってしまいました。

バスの中ではほどんど話さなかったのに、不思議ですねー!

切通岩と喜作レリーフ

大天井岳の鞍部で休憩後、Aさんと合流して切通岩(きりどおしいわ)へ向かいます。

上の写真ではわかりにくいですが、赤い線を越えたところが、切り通しのように切れ込んだ岩稜地帯で、切通岩と呼ばれる場所です。

切通し(きりどおし)とは

山や丘などを掘削し、人馬の交通を行えるようにした道のこと。

ここら辺に喜作レリーフがあるはずなんですが…

喜作レリーフとは

大天井岳から槍ヶ岳に直接至る東鎌尾根に、喜作新道を開設した猟師・小林喜作のレリーフ(浮き彫り)のこと。

喜作レリーフありましたー!

切通しを降りた場所の右側の岩壁の上の方です。

あそこまで降りてみないと、はっきり見えませんが…その前に…

鎖場とハシゴを下ります。燕山荘~大天荘で唯一の鎖場です。

鎖場とハシゴを下りて振り返ったところ。

そして…正面の岩壁の上の方に…

喜作レリーフ確認できました!

前回確認できていれば、なんてこともなかったのでしょうが…

見落としてしまったので、確認できて、うれしいです!

レリーフは岩壁の結構上の方、手が届かないところにあるので写真は撮りにくいです。

どうしてあんな所に設置したのでしょうか?

だいたい喜作新道って、もうちょっと先からじゃないですか?

喜作レリーフがある切通岩から、急な木段と岩場をの登って振り返ったところ。

この辺は、少し高度感があって気が抜けないところです。

大天井岳・槍ヶ岳分岐

ここから大天荘までの登りがまたキツイところです。

切通岩の通過で体力を消耗してしまったので、しばらく休憩していきます。

(A)そろそろ行きましょうか!

Aさんに促されて一緒に登りはじめます。

大天荘までの標準コースタイムは40分、約600m(標高差150m)の登りです。

石ころだらけで歩きにくい道です。風も少し強くなってきました。

大天荘まで500m、400m、300m、200m、100mと標識がたっているので、それを目標に登って行きます。

上の写真は前回見落としてしまった「大天荘まで500m」の標識です。

Aさんと一緒に登りはじめましたが、なかなか足が進まなくなり、途中からだいぶ離されてしまいました。(^_^;

あー、やっぱりキツイわー!

20~30歩ごとに立ち止まり、息を整えながら一歩一歩ひたすら登り続けます。

Aさんの姿も見えなくなってしまいましたー!

大天荘

大天荘

15:20頃ようやく、大天荘に到着しましたー!

大天井岳・槍ヶ岳の分岐から登りはじめて約40分、燕山荘を出発してからは約3時間50分。

予定より少し遅くなりましたが、今日の目的地へ到着です。

あー、疲れたー!

こちらは大天荘前の広場ですが…Aさんの姿が見えません!

もうテントの受付にいっちゃったようです。私もザックを置いてテントの受付を済ませます。

ちょっと寒くなってきたので、さっさとテントを張っちゃいましょう!

大天荘のテント場

大天荘の前から常念岳へ続く登山道の両側(西側と東側)がテントサイトになっています。

幕営数50張
料 金1人700円
トイレ小屋泊まりと共用
水 場なし(1L=200円で販売)
大天荘のテント場情報
西側のテントサイト(翌日早朝の写真)

(真ん中の道は槍ヶ岳へ向かう登山道)

展望は抜群です!

上の写真では槍ヶ岳が隠れて見えませんが…

もうちょっと先へ行くと…

西側のテントサイトの景色(翌日早朝の写真)

槍ヶ岳もバッチり見えますね。特に前穂高岳の北尾根が迫ってくるようで印象的でした。

この先少し下ったところにも、4-5張りテントを張れる場所がありました。

東側のテントサイト

東側のテントサイトは、安曇野平野が見下ろせる開放的な場所です。

西側のテントサイトに比べると、石ころも少なくて平らなところが多いようです。

テント設営~強風

西側のテントサイトは石ころが多くて平らな場所も少なかったし、良さそうな場所は既にテントが張られていたので、東側のテントサイトに張ることにしました。

強風でテントが飛ばされるのが心配だったので、なるべく風の影響がなさそうな場所を探しましたが…

どこでもあまり変わりはなさそうです。

今回のテントは「アライテント・トレックライズ1」、居住性が良くて使いやすテントです。

最近は「ダンロップ・VS20」をメインに使っていましたが、今回は軽量化と耐風性でこのテントを選びました。

このテントは、こちらのブログで紹介しています。
マイテント紹介~アライテント・トレックライズ1

右上の黄色のテントがAさんのテントです。(モンベル・ステラリッジ2型)

強風時のテント設営方法

風が強い時は、テント本体の4隅をペグで固定してから、テントを立ち上げれば、設営し易いのですが…

稜線上のテント場では、ペグはほとんど刺さりません!

(Aさんは強引にペグを叩き込んでいましたが… 後でペグが抜きにくくなるので要注意!)

強風時にテントを設営する場合は、以下の手順で設営すると良いでしょう。

強風時のテント設営方法

1.テント本体の4隅に石を乗せてテントを広げる。
2.テント本体にテントポールを通す(スリーブ式の場合)。
3.先にザックをテントの中に入れておく(重石の代わり)。
4.テント本体を立ち上げる。
5.テントの張り綱4本を大きめの石にしっかりと固定する。

テントの種類で設営方法が違う場合もありますが、だいたいこんな手順でOKだと思います。

大天井岳

テントも張り終えたので、お待ちかねの…

生ビールで乾杯!

といきたいところですが、その前に大天井岳に登っておきます。

酔っ払って山登りは危険ですから~!

大天荘から大天井岳は往復20分。だいぶ寒くなってきたので、ダウンジャケットを着て、カメラだけもって出発します。

大天荘から約10分、大天荘の頂上に着きました。

360度の展望ですが、やはり、目がいってしまうのは槍ヶ岳(西南方向)。

北鎌尾根硫黄尾根からの硫黄岳も迫力があります。

北方向には今日歩いてきた登山道が見渡せました。

合戦尾根~燕山荘~表銀座縦走路。今日一日でここまで歩いてきたんですね!

西方向は安曇平野が見えるはずですが…雲海に覆われている景色も素晴らしい!

振り返って南方向は、大天荘から常念岳~蝶ケ岳へと続くパノラマ銀座の山々が。

大天井岳の景色を堪能しているうちに、だんだん寒さが増してきたのでダッシュでテントへ戻ります。

大天荘でブルブルと…?

時刻は17:20頃、大天荘まで戻ってきました。

日が暮れるにはまだ時間がありますが、かなり寒くなってきました。外に出ている人もちらほらです。

寒くてもう、生ビールどころじゃないですよー!

Aさんもテントの中に入ったきり、外へ出て来る気配はありません。

せっかく楽しみにしていたのに…

残念ですが…

しょうがありません…

ということで、

缶ビールにしましたー!

缶ビールならテントの中に持ち込んで、ゆっくり飲めますからね!

その前に乾杯だけしておきましょう!

テントに向かって乾杯!

今日歩いてきた、合戦尾根~表銀座縦走路に乾杯!

乾杯の写真だけ撮って、テントの中で飲もうと思ってましたが…

臨場感を出すために、ひつ口だけ飲んだら…

勢いで、結局1缶全部飲んでしまいましたー!

寒くてブルブルしてきましたー!

早くテントに入って、熱いコーヒーでも淹れましょう!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

明日はいよいよ東鎌尾根を登ります。

明日に備えて早めに眠ろうとしますが、なかなか寝付けません。

夜中…風が強くなってきました。

この程度の風ならまだまだ大丈夫ですが、もっと強くなってきたら…

結局、ほとんど眠れませんでした…

[続く…]

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山行記/テント泊
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この記事を書いた人
管理人:鈴木ライト
神奈川県横浜市在住の山旅ブロガー(仮)。 登山・アウトドアを通して人生という長い旅をアグレッシブに楽しみたい63歳。登山歴は約19年、テント泊を始めて約17年。大好物はなだらかな稜線歩き、急峻な岩場は苦手です…でも槍ヶ岳と剱岳は登頂済み。山好きな人よろしく~!(^o^)

最後までご覧頂きありがとうございました。

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