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パノラマ銀座でまったりと…テント泊縦走レポ#1(中房温泉~燕山荘~燕岳)

燕山荘と燕岳
燕山荘と燕岳

北ルプス・パノラマ銀座(燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ケ岳)のテント泊縦走レポです。

槍ヶ岳・穂高連峰の雄大なパノラマが堪能できるコースで、北アルプスの入門コースとされていますが……

予想外にきつかったー!

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北アルプス・パノラマ銀座コース

今年初のテント泊は、北アルプス・パノラマ銀座(燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ケ岳)を縦走してきました。

槍ヶ岳・穂高連峰の雄大なパノラマが堪能できるコースで、北アルプスの入門コース?とされています。

事前調査では、クサリ場やハシゴといった危険箇所がほとんどなく、登山口の中房温泉から燕山荘までの合戦尾根(北アルプス三大急登)を除けば、

緩やかな稜線歩きが続く「らくちんコース?」だと思っていたのですが……

実際に歩いてみた感想

予想外にきつかったー!

中房温泉~燕山荘までの合戦尾根は、ある程度きついのは覚悟してましたが、その後の燕山荘から大天荘への登りもきつかったです。

常念小屋~常念岳~蝶槍の間は特にアップダウンが激しく、重いザックが腰や膝へ響き、もうヘトヘトになりました。

どこが入門コースじゃー??

たしかに、危険な場所はほとんどありませんが、緩やかな稜線というのは後半の蝶槍~蝶ケ岳の間だけですね。

でも、楽しかったー!燃え尽きたー!

当分、次の山行の事は考えられそうにもありません!

と言いながら、中3日休んだ後に、立山連邦に出かけることになるんですが……

その時の話はいずれまた。

北アルプス三大急登と日本三大急登

北アルプス三大急登は、一般的には下記3つの尾根を指しますが、笠が岳への笠新道を入れる説?もあるようです。

北アルプス・三大急登

・烏帽子岳へのブナ立尾根 (標高差1300m)
・剱岳の早月尾根 (標高差2200m)
・燕岳の合戦尾根 (標高差1240m)

ちなみに、日本三大急登といいうのもありますね。

日本三大急登

・北アルプス・烏帽子岳へのブナ立尾根 (標高差1300m)
・南アルプス・甲斐駒ケ岳への黒戸尾根 (標高差2200m)
・上越・谷川岳への西黒尾根 (標高差1200m)

日程・登山コース・交通

【日程】2017年7月19(水)~7月22日(土) ※前夜発3泊4日
【メンバー】1人(単独)
【登った山】燕岳(2763m)~大天井岳(2922m)~常念岳(2857m)~蝶ケ岳(2677m)

登山コース

コースタイム(山と高原地図)

パノラマ銀座縦走コースタイム

登山口までの交通

登山口の中房温泉までは夜行バス(毎日あるぺん号)を利用しました。

帰りは上高地から路線バス&電車を利用。

行き◯竹橋(毎日新聞社)
↓(夜行バス/毎日あるぺん号)
◯中房温泉
帰り◯上高地
↓(バス/約1時間)
◯新島々駅(松本電鉄)
↓(電車/約30分)
◯松本駅(JR中央本線)

やっぱり夜行バスは便利ですね。前夜発(23:00)のバスに乗れば、寝ている間に登山口に到着しているんだから。

大きいザックもバスの床下トランクに入れておけば邪魔にならないし。

公共交通機関だと大きいザックの置き場所に困ったりしますね。

今回乗った夜行バスは小型のバスでしたが(28人乗り)、座席の前後の間隔が広くて、窮屈さはありませんでした。

※中房温泉は道路が狭いため、小型のバスが利用されているらしいです。

中房温泉~合戦小屋

中房温泉バス停付近

早朝5:40頃、中房温泉へ到着。天気は晴れですが少し曇り気味。

燕岳への登山口は50mほど坂を登った左側にあります。

途中、右側に登山相談所の看板がある小屋がありました。

中房温泉・登山相談所

ここは登山計画書の提出口にもなっているため、登山者が集まってきています。

登山届のポストは以前は燕岳登山口(下の写真)にあったようですが、現在はここに移動しています。

燕岳登山口
燕岳登山口

燕岳の登山口です。正面の建物は中房温泉の立ち寄り温泉施設です。

そばにテント場(右側?裏側?)があるはずですが……確認できませんでした。(^_^;

中房温泉のテント場は ↓こちらにまとめました。
中房温泉のテント場

ここには公衆トイレ(左に見切れている建物)とテーブルとベンチがあり、準備をするのにちょうどいいところですね。

(登山道に入るすぐ左側にも、テーブルとベンチがあります)

水場

道路をはさんだ向かい側に水場がありますので、燕山荘までの水(2.6L)を汲んで行きます。

ここで朝食(コンビニで買ったパン)とトイレを済ませます。

準備をしているうちに後からバスが2台ほど到着し、すぐに登山者で大賑わいになりました。

しかし、ゆっくりと朝食を取っていたのは私と他に2~3人だけ。

他の大勢の人達は、さっさと登山開始してしまいました。

そんなに、あわてて登らなくでもいいのに……

と思いながらも、何故か取り残された感もあり、ちょっぴりあせり気味…… (^_^;)

6:20頃、登山開始。いよいよ北ルプス三大急登の一つ、合戦尾根を燕岳に向けて登り初めます。

登山道に入ると早速つづら折りの急登になります。

ここまではあまり気にならなかったザックの重さも、登山道へ入ってからは足腰にずっしりと効いてきます。

合戦尾根・第一ベンチ
第一ベンチ

6:55頃、第一ベンチへ到着。ザックの重さと暑さでもう既にヘトヘト状態です。

ここから20mほど下った所に水場があります。元気であれば必ずチェックして行きたいところですが……

水場を見てこようかどうしようかとしばらく迷い、結局スルーすることにしました。

まだまだ先は長いので、体力を少しでも温存しようという作戦です。(^_^;)

ギンリョウソウ
ギンリョウソウ

第一ベンチ~第二ベンチの間で、茎も花?も半透明な不思議な植物を見かけました。

「ギンリョウソウ」です。たぶん初めて見るかと思います。

後で調べてみると、それほど珍しい植物ではないようですが…

「ギンリョウソウ」という名前は知らなかったんですが、写真を撮っていると、そばを通った登山者が「あっ、ギンリョウソウだね!」と教えてくれました。

合戦尾根・第二ベンチ
第二ベンチ

7:25頃、 第二ベンチへ到着。

フー!サックが重い!暑い!

ギンリョウソウ
ギンリョウソウ

第二ベンチ~第三ベンチの間でも、いくつか「ギンリョウソウ」を見かけました。

余裕があれば、もっとじっくり写真を撮っていきたかったんですが……まったく余裕なし。

先に進みます。

合戦尾根・ 第三ベンチ
第三ベンチ

8:05頃、 第三ベンチへ到着。ここから次の富士見ベンチまでが、合戦尾根で最も急な区間とのことですが……

特にきつかったという印象はありません。というか、あまり覚えていません。(^_^;

ザックの重さと、暑さで記憶が飛んでいます!

合戦尾根・富士見ベンチ
富士見ベンチ

8:40頃、富士見ベンチへ到着。早朝は晴れていたんですが、この頃は雲が多くなり展望はほぼなし。

天気が良ければ有明富士や南アルプス、遠く富士山が見渡せるようです。

合戦小屋
合戦小屋

9:20頃、合戦小屋に到着。早速、楽しみにしていたスイカを頂きます。

スイカは1個800円(1/8切れ)。けっこう大きいので二人で1個でちょうどいいくらいです。

合戦小屋のスイカ

旨い!生き返るー!

このままだと食べにくかったので、半分に切ってもらった方が良かったですね。

スイカの他には、うどんも名物のようです。お腹も減っていたんですが、暑くて暑くてうどんを食べる気にはなりませんでした。

15分ほど休憩して出発。

合戦小屋~燕山荘

合戦沢の頭
合戦沢の頭

9:55頃、合戦沢の頭(2488m)に到着。

登山口からずっと続いていた樹林帯からようやく脱出。

天気が良ければ、ゆっくり休憩していきたいところですが、ガスっていて展望もないので、休みなしで通過しました。

燕山荘まで約1時間30分。ここからは開けた尾根歩き、ゆるやかな道が続きます。

展望がないのが残念ですが、標高が高くなり気温も下がり、だいぶ楽に歩けるようになりました。

燕山荘
燕山荘

10:45頃、燕山荘に到着。登山開始から4時間20分。

かなり、きつかった印象ですが、ほぼ標準コースタイムで登ってこれました。(^o^)/

天気は回復し青空もだいぶ広がってきました。

小屋前の広場から、燕岳が見えるはずですが……

雲がかかっていて見えませんね。残念。

燕山荘の展望テラス
燕山荘の展望テラス

小屋に向かって左側の展望テラス。

ここに売店があり生ビールが売っています。飲料水(1L=200円)もここで買えます。

山小屋の生ビールって、たいてい中ジョッキのみだと思いますが、ここの売店は、な、な、なんと…

・小ジョッキ 600円
・中ジョッキ 800円
・大ジョッキ 1000円
・メガジョッキ 1200円

と4種類もありました。素晴らしいですねー。(^o^)/

早速、生ビールをグイッグイッと飲みたいところですが、

ここはぐっとガマンして、まずはテントを張ってしまいましょう。

テント場は早いもの勝ちなので、少しでも早く張った方が、良い場所に張れる確率が高くなります。

燕山荘のテント場

とりあえず、小屋でテントの受付を済ませます。

テント場は燕山荘の正面から少し下ったところ。合戦尾根を登ってくると燕山荘の手前にあります。

30張りほど張れるようですが、私が到着したときは、まだ3張りしかありませんでした。

よりどりみどり状態ですね。(^o^)/

張る場所がたくさんあると、どこに張るのがベストかと、いろいろ考え過ぎてなかなか決まらないことが多いのですが……

(いつもは10~20分ほど悩みます)

今回はあっさりと最上段から2段目の場所に決めました。

テント場の状態(水平で平坦)と景色が良かったので。

12:05頃、テント設営完了。手前の青いテントがマイテント(ダンロップ・VS20)です。

テントを張り終わって一休みしている間に、後から来た女性グループがすぐ隣にピンク色のテントを張りました。

今年アライテントから限定発売された、鴇色(ときいろ)フライシートのエアライズ2です。

実物は初めてみましたが、ピンク色のテントは珍しいのでテント場でも映えますね。

テント場

マイテントのすぐ下(写真では右下)の水色のテントは、今年モデルチャンジしたプロモンテ・VL26で、ダンロップ・VS20とほぼ同型の兄弟テントです。

一番上の深緑色のテントは モンベル・ステラリッジ2ですね。

以前は黄色一色だったんですが、現在のモデルはフライシートが別売りで、4色(黄色、白、青緑、深緑)の中から選べるのが良いところ。

白と青緑は珍しい色ですね。白はさすがに汚れが目立ちそうですが、青緑(ピーコック)は好きな色です。

燕山荘正面のテントサイトの裏側にも、10張ほど張れるスペースがありました。

こちらのテントサイトは正面に燕岳が見えますが、下の方は、まだ雪が残っていました。

テント場用のトイレは裏側のテントサイトの最下段(上の写真の左)にありますが、トイレットペーパーは持参する必要があります。

燕山荘~燕岳~北燕岳

さあ、テントも張り終えたので、

お待ちかねの、生ビールで乾杯!

というのは、まだとっておいて、その前に燕岳まで行ってきます。

酔っ払って山歩きは危険ですから~。

12:15頃、燕岳に向かって出発。

荷物は水筒と行動食とレインウェアをサブザックに入れ、ウェストバッグに地図とコンパスとカメラのみ。

燕岳までは往復1時間ほど。白っぽい砂(砂利)の登山道を進みます。

緩やかな道で気持ちいいお散歩コースです。

燕岳の頂上付近にかかっていた雲が少し晴れてきました。

イルカ岩
イルカ岩

有名なイルカ岩です。イルカ岩の後ろには裏銀座の山々が見えます。

メガネ岩
メガネ岩

こちらはメガネ岩。ちょっとガスってきましたか。

燕岳の頂上が見えました。

燕岳頂上直下の登りです。ここはちょっときついですね。

人が立っているところが見えますね。ここが山頂のようです。

12:40頃。燕岳の山頂に到着! 意外とあっさり到着しました。畳二畳ほどの狭い山頂です。

燕岳山頂
燕岳山頂

山頂標識は立っていませんが「燕岳頂上 2763m」とかかれた石標がありました。

石標の上の窪みには、お賽銭?が無防備に置かれていました。

天気は晴れてきましたが、槍ヶ岳~裏銀座の山々の山頂あたりが、ちょうど雲に隠れていてちょっと残念です。

でも、山が見えてるだけでもけっこう満足です。

北燕岳

北燕岳まではここから往復30分ほど。

たいていの人はここから北燕岳へは行かずに燕山荘へ戻ってしまうようですが、危険な場所もなさそうです。

せっかくなので北燕岳まで行くことにしました。

上の写真正面が北燕岳です。13:00頃、北燕岳へ向かいます。

コマクサ
コマクサ

北燕岳へ向かう途中はコマクサの群生地だらけです。

群生といっても、30~40cm間隔で生えているので、写真で見るとわかりにくいんですが…

あっ、雲が切れて槍ヶ岳が見えてきました。

北燕岳
北燕岳

ここを登ったところが、北燕岳の山頂のようです。

13:10頃、北燕岳の山頂に到着!

写真では山頂の様子がよくわかりませんが、ここの山頂も狭いです。標識も石碑も何にもありません。

北燕岳の山頂の先には、東沢岳(2497m)~餓鬼岳(2467m)への登山道が続いています。

山頂からの景色は燕岳とそう変わりはありませんが、さっきよりは雲が薄れてきて、裏銀座の山々がよく見えるようになってきました。

北燕岳方面から見た燕岳。

そろそろ、生ビールが飲みたい!

がまんできなくなってきたので、燕山荘へダッシュで戻ろうとしましたが…

途中、中学生の200人ほどの集団と遭遇。

(笑顔で、こんにちはー、こんにちはー、こんにちはー…)

なかなか進めない状況に多少イライラ。

(心の中では、ビール!ビール!ビール!ビール!…)

燕山荘のテラスでまったりと…

14:00頃、燕山荘に戻ってきました。

テントには戻らず、燕山荘の展望テラス(小屋の左側)の売店で生ビールセットを購入。

生ビール (800円) + 枝豆 (300円) のセットで1000円、100円お得でした。

燕山荘前の広場で空いているテーブルを見つけて、

生ビールで乾杯!(一人で)

山の素晴らしい展望に囲まれて、

生ビールに枝豆!最高ですね!

ここ最近、山では天気が悪いことが多かったので、こんなにまったりしたのは久しぶりです。

山の飲みニケーション

実はテーブルの向かい側に一人座っていたんですが、写真を撮る時に気を使ってよけてくれました。

その人も一人で登ってきたそうです。長野に住んでいるのに休みがなかなかとれず、山に行くのはほとんど日帰り。山小屋に泊まるのは初めてだとか……

生ビールを飲みながらそんな話で盛り上がっているうちに、もう一人単独で来ていた人も加わりました。

松戸(千葉県)から来た人で、以前、北海道に住んでいた頃に山登りを初められたようで、北海道の山の話をいろいろと聞けて楽しかったです。

この人、どこかで見たことあるなぁと思っていたら、偶然にも中房温泉行きの夜行バスが一緒だった人でした。

長野の人が持ってきた日本酒「大雪渓」と、松戸の人が持ってきた「さけとば」を3人で分け分けしていただきました。

生ビールもおごってもらいました!

そんなこんなで、3人で18時頃まで話し込んでしまいました。

見ず知らずの人とのコミュニケーションも、山の楽しみの一つですね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その間にも中学生の団体が続々と到着。テーブルの周りを中学生に取り囲まれてしまいました。

この日は複数の中学生グループが泊りにきていたようです。

ちなみに山小屋の夕食は、中学生の団体が優先で、他の登山客は後回(18:40~)だったようです。

朝食は4:20~(早すぎ!)

夕方のテント場

18:00頃のテント場の様子です。今日は平日ですが5~6割程度埋まっていました。

(テント場の裏側(写真の右方向)はまだ空いていました)

みなさん夕食が終わってまったりしているようです。なんとなく雰囲気が伝わるでしょうか。

私の今日の夕食はカレーライス。アルファ米(白飯)を炊いて、レトルトカレーを温めます。

S&Bのカレー曜日(辛口)が定番です。

明日の山行に備えて、今日は早めに眠りに付くことにします。

[続く…]

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山行記/テント泊
管理人:鈴木ライト
神奈川県横浜市在住の山旅ブロガー(仮)。 登山・アウトドアを通して人生という長い旅をアグレッシブに楽しみたい64歳。登山歴は約19年、テント泊を始めて約17年。大好物はなだらかな稜線歩き、急峻な岩場は苦手です…でも槍ヶ岳と剱岳は登頂済み。山好きな人よろしく~!(^o^)

最後までご覧頂きありがとうございました。

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