今回は寒くて眠れない夜に、寝袋(シュラフ、スリーピングバッグ)の中を温める方法を紹介します。
道具を一切使わずに手軽にできる裏技?です。
名付けて…寝袋あったか吐息暖房!
寒くて眠れない!
防寒対策は充分とったつもりでも、山の中では予想外に気温が下がることがよくあります。
特に、夏~秋の季節の変わり目は気温の変化が激しいので、
夜、寒くて眠れない…(ブルブル…)
なんていう状況になってしまうこともあるでしょう。
眠れないだけではなく、風邪を引いてしまうという事態にもなりかねません。
そんな寒くて眠れない夜に、簡単にできる、寝袋(シュラフ)の暖房方法を紹介します。
道具を一切使わずに手軽にできる方法です。
名付けて…寝袋あったか吐息暖房!
吐息暖房(といきだんぼう)は、私が勝手につけた名称です。
一般的な名称/方式ではありませんのであしからず。念の為。(^_^;
基本:寒くて眠れない時の対処方法
まずは、寒くて眠れない時の基本の対処方法を記載しておきます。
基本をしっかり抑えておけば応用ができるし、別のアイデアも生まれてきやすいでしょう。
1. 持っている衣類を全て着込む
寒くて眠れない時は、持っている衣類をすべて着込むのが基本です。
レインウエアや着替え(上・下)はもちろん、足元が冷えるのでソックスは重ね履きします。
トレッキンググローブを手にはめれば、手先の冷えこみ防止になるし、帽子をかぶれば頭部の保温に多少は役立ちます。
(帽子は後述する、寝袋あったか吐息暖房には邪魔になりますが…)
タオル等を腹巻き代わりにするのも有効です。
2. 保温効果があるものは全て利用する
衣類の他にも保温効果があるものは全て利用します。
たとえば、サバイバルシート(エマージェンシーシート)等を持っていれば、体に巻いて寝袋に入れば保温効果はかなり期待できます。
空にしたザックの中に、寝袋ごと足を突っ込む方法もよく紹介されていますね。
↓こんな感じ
これで、足元の保温効果は高まるでしょう。
3. 火器の使用は一時的に!
火器(ガス・ストーブ等)を使用してテント内を暖房するのは危険です。
テント内の換気をしないと一酸化炭素中毒になってしまうし、換気をすれば暖房の効果は少なくなってしまいます。
ただし、一時的な使用で寒さ対策をすることは可能です。
たとえば、温かい食事を作って食べるのは有効ですね。
体温を上げる効果もあるし、エネルギーを補給することにより、空腹時よりも寒さに対する抵抗力がまします。
お湯を沸かして耐熱ボトル(ナルゲンボトル等)に入れて、湯たんぽとして使う方法もよく紹介されています。
しかし、耐熱ボトルの湯たんぽは、おそらく……すぐに冷めてしまうので、長い夜には対応できそうもありません。
(湯たんぽは試したことはありませんが…)
裏技:寝袋あったか吐息暖房
さて、ここからが本題です。
寒くて眠れない時の対処方法の基本は上述したとおりですが、それでも寒かったらどうするか?
その解決策となるのが、この寝袋あったか吐息暖房(といきだんぼう)です。
吐息暖房とは?
吐息暖房とは何か?簡単に説明しましょう。
寝袋の中に頭まで完全にくるまってしまい、自分の吐く息の熱で、寝袋の中を暖めるという方法です。
寒い日に手が冷えてしまったときに、息をハーッと吹きかけて手を暖めた経験は誰でもあるでしょう。
これだけで結構、温まるものです。
人間の吐く息はそれほど暖かいのです。
その温かい息を、寝袋の中に放出してキープすることにより、寝袋の中を暖めることができるのです。
基本の対処方法よりも簡単にできるので、寒さを感じたら、とりあえず試してみると良いでしょう。
吐息暖房のやり方
では、寝袋あったか吐息暖房のやり方を詳しく説明していきましょう。
詳しく説明するほどのことでもないんですが……
寝袋は、モンベル・ULダウンハガー#3です。
1. 寝袋の基本体制をとる
まずは寝袋の基本体制をとります。
寝袋の暖かさを保つには「体温で温まった空気を外に逃さないこと」これが基本です。
具体的には下記の手順となります。
1) サイドファスナーを完全に締める
2) 寝袋のフードを被る
3) 首元のドローコードを絞り、顔だけが露出するようにフードを巾着状に締める
寝袋の中の空気が外に漏れやすいのは顔周辺なので、フードを顔に密着させて空気が漏れないようにすること!
2. 首元のドローコードを完全に絞る
顔を寝袋の中に入れて、首元のドローコードを完全に絞ります
これで空気の出口が小さくなり、保温効果が増しますね。
上の写真は鼻と口だけが外に出ている状態です。
モンベル、イスカの寝袋ではドローコードを完全に絞っても、少し隙間ができる状態になります。
※他のメーカーの寝袋はわかりません。m(_ _)m
3. 呼吸が循環する体制をとる
寝袋の中に潜りこみ、寝袋の中で呼吸が循環する体制をとります。
息苦しくならないように、鼻と口の周辺にスペースを作っておくことが大事です。
私の経験では、横向きに寝たほうが呼吸スペースが作りやすいですね。
ドローコードの隙間がある場合は、頭等を押し当てて塞ぎます。
(上の写真では、おでこでドローコードの隙間を塞ぐでいる状態)
4. ハーッと息を吐く
あとは呼吸をするだけ。鼻から吸って口から息を吐きます。
このときに手を暖める時のように「ハーッ」と息を吐くのがコツです。
呼吸をはじめて2~3分もすれば、寝袋の中はかなり暖かくなっているはず。
体感的には、4~5℃ぐらい上昇する感じです。
吐息暖房の注意点
吐息暖房の注意点は以下の2つです。
息苦しい場合は中止してください!
しっかりと呼吸できる体制をとらないと、寝ている間に呼吸困難に陥るかもしれません…(^_^;)
また、吐息暖房で寝袋の中を暖めると、寝袋の表面(※1)が結露しやすくなります(※2)。
(※1)息を吐く口元に近い部分
(※2)寝袋の中と外の気温差と寝袋内の湿気が増すため
結露を避けるにはシュラフカバーを使用するか、レインウェアなど透湿防水素材のものを寝袋の上にかぶせると多少効果があります。
あとがき
この寝袋暖房方法はテント泊をはじめたばかりの頃、夜寒くてどうしようもなかったときに自然にやっていた方法です。
私的には普通の方法だと思っていたんですが、書籍やネット上でも紹介されている記事を見たことがありません。
知らない人も多いかと思い、裏技?として紹介することにしました。
以上、寒くて眠れない時に、道具を使わずに簡単にできる寝袋暖房方法でした。
では、ごきげんよう!
コメント